mixiユーザー(id:8729247)

2018年10月18日15:32

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クロミッド

不妊症治療で使う排卵誘発剤で、内服薬。
月経5日目から5日間内服すると、おおよそ月経12日目から20日目の間に排卵する。
1日1錠で排卵する人、2錠でないとダメな人、3錠飲んでも排卵しない人に分かれる。
クロミッドはもともと「女性ホルモンの働きをおさえる」薬として開発され、
たまたまこれを飲むと排卵する人が多かったので排卵誘発剤に切り替えられた。

クロミッドをはじめとする排卵誘発剤は、ふだんは排卵してくれない卵巣に
強い刺激を与えて排卵させる働きだから
刺激が強くなりすぎて卵巣が腫れ上がることがある。
「卵巣過剰刺激症候群」といい、全身の水分バランスが崩れて全身がむくみ、
尿が出なくなって腎不全や心不全を引き起こす、運が悪いと死ぬ。
クロミッドはそうなる可能性は低いけど、ゼロなわけじゃない。
そしてこれまで使ってきて問題なかったとしても、次回の反応はわからない。

クロミッドは女性ホルモンの働きをおさえる作用がちゃんとあるので、
使用しているうちに「子宮内膜」がどんどん増殖しにくくなる。
排卵して受精卵になれたとしても、受精卵は子宮内膜で育つので
内膜が薄いと妊娠はかなり難しい。
クロミッドで妊娠する可能性が高いのは最初の6から8か月で、
1年使用するとむしろ妊娠しにくくなるので他の不妊治療に切り替える必要がある。

…そういう薬だ。
あだやおろそかで処方はできない。
だから薬局では売っていないのだ。

にもかかわらず
「いつももらっている病院が休みだったのでクロミッドください」
という患者が来た。
「出せません」と答えた。
説明はしたけど患者にはおそらく理解できないと思う。
そもそも理解していたら、薬をもらいそこねるなんてことはなかったはずだし、
月経6日目(受診したのがその日)に来るなんてことはなかったはずだ。
でもそれば、そもそもの主治医がきちんとクロミッドの説明をしないからだ。
排卵誘発剤は使用する患者自身が薬の作用機序を知っていないと、
副作用の可能性があるとき素早く受診することができない。
「今日土曜日だから月曜でいいや」では死ぬこともある、と患者に理解させないで、
気軽に使う主治医が悪い。

でも田舎ではそういう医者しかいない。
そんな医者が同じ医師会にいるのが本当にいやになるが、仕方ない。
せめて自分は、自分の信じたとおりの医療を行う。
処女の女子医学生みたいにお堅い、融通が利かないといわれようと、
そのやりかたじゃお金はなかなかもうからない、といわれようと、
自分にできないことはできない。やるべきことはやる。

めんどくさい医者だからあそこに行くのはやめよう、と思うなら
他にいくらでもめんどくさくない医者がいますから、そっちへどうぞ。
実際「説明はいいからとっとと診察しろ」と言われたことがあるよ、ええ。
そんな患者はわたくしのところへ来なくていい。
言われたのが勤務医時代なので患者拒否ができなかったが、今は「よそに行ってください」と言う。

不親切な医者だと思われてもぜんぜんかまいません。
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