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2017年03月14日11:31

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アートとは何か(1)アドルフ・ヴェルフリの内なる小宇宙

「ラテンアメリカ探訪」のアート展開催に向けて、私なりのアート論(あくまで、みたいな・・もの)を書いてみようと、昨日の深夜というか、今日の夜明け前、眠れず、悶々としていて、急に、思いたった。まぁ、「あくまで、みたいな・・もの」なので、時間がある時に、思いつくまま、気ままに、書いてみて、うまく、まとまらなかったら、それはそれで、どーも、ゴメンナサイ・・ということで。
アドルフ・ヴェルフリは、1864年、スイスで生まれた。父はアル中で、やがて、失踪。母は洗濯女として、7人の子供を、それでも懸命に育ててきたが、アドルフが9歳の時、死亡。天涯孤独の身となったアドルフは、無慈悲な里親の元を転々としつつ、過酷な重労働に従事してきたが、26歳のころ、幼い少女への性的暴行未遂事件を2度、起こし、禁固2年の判決を受け、下獄した。出所後、再び、少女への性的暴行未遂事件を起こしたアドルフは、ベルンのヴァルダウ精神病院に収容され、以降、1930年に66歳で死亡するまで、そこが彼の終の棲家となった。
病院内でも、幻覚に悩まされては、暴力行為をくり返すアドルフだったが、40歳のころ、彼は突然、新聞紙等に、鉛筆でドローイングを描き始めるようになり、やがて、朝から晩まで、作画に没頭し続けるようになった。彼の才能に気づいた医師に、色鉛筆を与えられたことで、その精緻なドローイングは、驚くほど、色鮮やかな世界へと、見る見る、変貌を遂げた。
彼の描く絵には、随所に、様々な彼自身の「生」の言葉がちりばめられ、また、時には、彼自身が作曲した楽譜が挿入されたりと、それは、1枚、1枚、独立した個別の絵というよりは、ひと続きの長い物語であり、外の世界では抑鬱され、解放されることのなかった、彼の内的世界を、一気に解き放つ作業といえた。彼はそれらに、「揺りかごから墓場まで」「地理と代数の書」「歌と舞曲の書」「葬送行進曲」等といったタイトルをつけ、死ぬまで保存し、彼の死後、スイスを代表する希有な芸術作品として、ベルン美術館へ移管され、今日に至っている。
幼女強姦魔の、重度な精神病患者であったアドルフ・ヴェルフリは、誰の手ほどきを受けることもなく、独自のアート世界を生み出し、それによって、自らをも解放し、そして、死の4日前、「もう描けない」と涙を流しながら、精神病院という閉ざされた世界で、死んでいった。
アドルフ・ヴェルフリのその生涯と作品を回顧する展覧会が、現在、兵庫・名古屋で巡回中で、東京では4月29日〜6月18日の会期で、東京ステーションギャラリーにて、開催される。


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