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2015年03月17日11:28

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「ターナー、光に愛を求めて」

6月に渋谷のBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町等で、ロードショー公開される「ターナー、光に愛を求めて」の試写を観た。会場の京橋テアトル試写室は、超満員。20分近く前に行ったのに、空いている席はもう、ほとんどなかった。
英国の高名な風景画家であるターナーの、その晩年を描く2時間半の超大作で、監督は「秘密と嘘」のマイク・リー。晩年のターナーを、「ハリー・ポッター」シリーズにも出ていた、ティモシー・スポールが演じている。
さて、物語の主人公であるターナーは、もう50代。ずんぐりした体型で、身なりにもほとんど頓着せず、旅と創作に没頭する日々。すでに20代で、ロイヤル・アカデミーの会員になり、その名声を不動のものにしたターナーではあったが、その作風は次第に、時代の先の先を行くようになり、汚い絵と、保守派から悪罵を投げかけられるようになっていく。
しかし、この映画は、自然主義絵画から、奔放な光の画家へと変貌を遂げ・・やがて、印象派の画家たちに多大な影響を与えることになるターナーの、その優れた画業にのみ焦点をあてた作品ではなく、その生涯を、あまり報われることなく、ターナーのために捧げた家政婦のハンナや、晩年のターナーが彼女との生活に心の安寧を見出すようになった、未亡人のソフィア・ブースと、ターナーとの関係にも光をあて、偉大な画家と、だだっ子のような俗物が、ひとつの身体に、文字通り、同居する、ターナーという複雑な人物像を、美化することなく、時に滑稽に、時にもの悲しく、描いている。この映画で描かれるターナー像が、どこまで史実に忠実なのか、私にはわからないが、映画としては、秀作である。

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