60代以上倶楽部 · 高橋 敏和
「高血圧の9割は正常です」
ご存じですか?
これは東海大学名誉教授の大櫛陽一先生の著作です。
日本人の多くの方が、不要な降圧剤を飲んでいること。
その危険性や、医療費の無駄を指摘している本です。
多くの方に知っていただきたく、ここで取り上げました。
『はじめに』より引用させていただきます。
日本の高血圧の基準は科学的根拠に基づく基準や欧米の基準と大きく異なっています。
日本の特定(メタボ)健診では収縮期(最大)血圧が130mmHg、拡張期(最低)血圧が85mmHgを超えると「高血圧(要指導)」とされ、さらに収縮期140mmHg/拡張期90mmHg以上で「受診勧奨(要医療)」と判定されて、医療機関を受診するとほとんどで降圧剤が処方されます。
しかし、2004年に日本人70万人の健診結果から世界標準の方法で求めた男女別年齢別基準範囲では、男女とも55歳以上の収縮期血圧と拡張期血圧の上限値は160mmHg/100mmHg前後なのです。
2008年に発表した住民追跡研究でも、死亡率の上昇が見られたのは60歳以上のみで収縮期血圧と拡張期血圧が160mmHg/100mmHg以上でした。
2019年に発表された英国政府のガイドラインでも精密検査が必要とされるのは収縮期160mmHg/拡張期100mmHg以上です。
また、自由行動下血圧の測定や画像検査などをしてから降圧剤が検討されます。
日本の現基準では健診受診者の半数が降圧剤の適用とされています。
ですが、英国の基準では5%前後と10分の1になるのです。
ここまで書いた時にビッグニュースが飛び込んで来ました。
2024年4月から、特定(メタボ)健診における高血圧での受診勧奨の判定基準(mmHg)が「収縮期160mmHg/拡張期100mmHg」へと変更されるというのです。
特定健診には国内外から多くの批判が続いていました。
代表的な批判は「メタボは生活習慣のバロメータなので治療の対象としてはいけない」「腹囲の基準が男性85cm、女性90cmなのは奇妙だ」「判定値が低すぎて多くの偽陽性となっている」などです。
中略
日本人が最も多く飲んでいる薬は「降圧剤」(血圧を下げる薬)です。
厚労省の調査によると、70歳以上の過半数が常用しています。
驚かれるかもしれませんが、「医薬品添付文書」という医薬品の公式文書では、降圧剤には心臓病、脳卒中、腎臓病などの予防効果は認められていないのです。
製薬企業が多くの大学病院に研究費を提供して、これらの効果をねつ造した論文を作りましたが、薬事法違反(誇大広告)で逮捕されて裁判になり、論文はすべて撤回されました(いわゆる「ディオバン事件」)。
つまり、降圧剤は血圧を下げますが、病気そのものへの効果は怪しいのです。
中略
血圧の値は不安定かつ不正確なのです。
まず、市販されている血圧計の80%は不正確という報告が国際高血圧学会(ISH:International Society of Hypertension)で発表されました。
血圧を気にする人は検定試験に合格した血圧計を使うべきです。
血圧は常に変動しています。
緊張したり、運動や頭を使ったりする時、また寒さを感じる時にも血圧が上昇します。
リラックスした時、入浴時や暖かさを感じた時、食事やアルコールを摂取した時にも血圧は下がります。
降圧剤が最も高い血圧に合わせて処方されると、入浴時や飲酒時に血圧が下がりすぎて頭がボーとしたり失神したりするかも知れません。
降圧剤で20mmHg以上血圧が下がると脳梗塞などによる死亡リスクになるという研究結果も紹介します。
日本人の血圧は最近50年間で約20mmHg低下しているのです。
また、経済高度成長期に動物性食品の摂取量が増えて血管が丈夫になり、脳卒中に占める脳出血の比率は95%から17%に減少して、高血圧の恐怖は少なくなっています。
逆に、脳梗塞の比率は80%になっており、今や高血圧より薬物による血圧の下げすぎの方が危険なのです。
この本では日本人70万人の健診結果から国際的に標準とされた統計的方法により、男女別・5歳ごとの基準範囲も示して、海外のデータと一致することを示しています。
加齢に伴う血圧の上昇が正常な変化であることを分かっていただけると思います。
それでも血圧が気になる人には、米国で開発された「新DASH」という食事法がありますし、運動もお勧めです。
(引用終わり)
血圧が気になる方は、是非読んで見てください。
読むのは面倒という方には ユーチューブ動画がお薦めです。
https://www.youtube.com/watch?v=EACO2SES5eI
https://www.youtube.com/watch?v=kBHcK52D2Mg
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