五気六味:平/甘、鹹
帰経:脾、胃、腎
はたらき・適応症状
1、滋陰潤燥
発熱の病気による無気力、のどの渇き、空咳、便秘、産後の母乳不足
豚肉の中医学的なはたらき――身体の潤いを補う身近な薬膳食材
私たちの食卓でおなじみの豚肉。生姜焼き、豚しゃぶ、角煮、炒め物など、さまざまな料理に使われる身近な食材です。
中医学では、豚肉は単に「たんぱく質を補給する食品」としてだけではなく、身体に不足した潤いを補う食材の一つとして考えられてきました。
今回は、豚肉について「五気六味」と「帰経」、そして中医学で考えられている代表的なはたらきを紹介します。
豚肉の五気六味と帰経
五気六味:平/甘・鹹
帰経:脾・胃・腎
「平」という性質は、身体を過度に温めたり冷やしたりする作用が比較的穏やかであるとされるものです。そのため、豚肉は日常の食事に取り入れやすい食材と考えられます。
味は「甘・鹹」。
中医学でいう「甘」は、身体を補い、調和させる方向に働く味とされます。また「鹹」は、腎との関係が深い味として捉えられています。
帰経は「脾・胃・腎」。食べ物の消化吸収や身体のエネルギーに関係するとされる脾・胃、そして生命活動の基礎を担うとされる腎に関係する食材と考えられています。
1.滋陰潤燥――身体の潤いを補う
豚肉の代表的なはたらきとして挙げられるのが、**「滋陰潤燥(じいんじゅんそう)」**です。
中医学では、身体を構成し、さまざまな機能を支える「陰」や「津液(しんえき)」と呼ばれる潤いが不足すると、乾燥に関連したさまざまな状態が現れると考えます。
豚肉は、このような身体の潤いを補い、乾燥を和らげる食材として伝統的に用いられてきました。
発熱性の病気の後の無気力に
中医学では、発熱を伴う病気などによって身体の潤いが消耗すると、病後に疲れや無気力を感じることがあると考えます。
豚肉は、食事から身体を養いながら、陰を補う食材の一つとして考えられています。
もちろん、実際に発熱が続いている場合や強い倦怠感がある場合は、豚肉を食べることで対処するのではなく、原因となっている病気の診察を受けることが大切です。
のどの渇きや空咳に
身体の潤いが不足すると、のどが渇いたり、乾いた咳が出たりすることがあると中医学では考えます。
特に「空咳」は、痰があまり出ない乾いた咳を指す伝統的な表現です。
豚肉をスープや煮込み料理などに利用すると、食事として水分も一緒に摂ることができます。
ただし、咳が長く続く、息苦しさがある、発熱を伴うといった場合には、食養生だけで済ませず医療機関に相談しましょう。
便秘に
中医学では、身体の潤いが不足することによって腸が乾燥し、便が硬くなって排便しにくくなる状態を「燥」による便秘として捉えることがあります。
豚肉の「滋陰潤燥」という性質は、こうした乾燥に関連する便秘を考える際の食材の一つとして位置づけられます。
ただし、便秘には食物繊維不足、運動不足、水分不足、薬剤の影響など、さまざまな原因があります。豚肉だけに頼るのではなく、野菜、海藻、豆類、穀類などもバランスよく摂ることが大切です。
産後の母乳不足にも
中医学では、出産によって「気・血・陰」などが消耗すると、身体の回復が遅れたり、母乳の分泌が不足したりすることがあると考えます。
豚肉は、身体を養いながら陰を補う食材として、産後の食養生にも利用されてきました。
豚肉は良質なたんぱく質を含むため、産後の身体の栄養補給という現代栄養学的な観点からも、食事に取り入れやすい食品です。
ただし、母乳量には授乳回数、授乳方法、母体の栄養状態、睡眠やストレス、乳房の状態など、さまざまな要因が関係します。母乳不足が気になる場合は、助産師や医療専門職に相談することが大切です。
現代栄養学から見た豚肉
豚肉は、筋肉や皮膚など身体をつくるために必要なたんぱく質を含むほか、部位によって脂質量が異なります。
また、豚肉はビタミンB1を比較的多く含む食品としても知られています。ビタミンB1は、糖質の代謝などに関わる栄養素です。
一方で、脂身の多い部位や脂身を多く使った料理では、エネルギーや脂質の摂取量が増えます。
健康維持のためには、部位や調理法を工夫し、野菜やきのこ、海藻などと組み合わせてバランスよく食べることがおすすめです。
豚肉を使った薬膳風の食べ方
豚肉と白菜のスープ
豚肉と白菜を、生姜などと一緒にスープにします。
温かい汁物にすることで水分も摂ることができ、乾燥が気になる季節にも取り入れやすい一品です。
豚肉と大根の煮物
豚肉と大根をだし汁でじっくり煮込みます。
大根などの野菜を組み合わせることで、食物繊維も補給できます。脂身の少ない豚肉を選べば、比較的さっぱりと食べられます。
豚しゃぶサラダ
薄切りの豚肉を茹で、レタス、トマト、きゅうりなどの野菜と合わせます。
豚肉だけでなく、さまざまな食材を組み合わせることで、毎日の食事をよりバランスのよいものにできます。
まとめ
豚肉は、
五気六味:平/甘・鹹
帰経:脾・胃・腎
はたらき:滋陰潤燥
とされる身近な食材です。
中医学では、身体の潤いが不足したことによる、のどの渇き、空咳、乾燥による便秘などに対する食養生の食材として考えられてきました。また、産後の身体を養う食材としても利用されてきた歴史があります。
現代の食生活においても、豚肉はたんぱく質やビタミンB1などを含む便利な食品です。
ただし、中医学における「滋陰潤燥」などの概念は伝統医学上の考え方であり、現代医学における病気の治療効果を意味するものではありません。 発熱、長引く咳、強い倦怠感、便秘の長期化、産後の体調不良や母乳不足などがある場合には、適切に医療機関や専門職へ相談しましょう。
毎日の食卓に豚肉を上手に取り入れ、さまざまな食品と組み合わせながら、身体を内側から養う食生活を心がけたいものです。
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https://ameblo.jp/stephen19690326/entry-12980588550.html
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