今朝は小泉今日子の『KOIZUMI IN THE HOUSE』(1989年)を聴きました。
1989年っていうと、日本のダンスミュージックのトレンドはまだ圧倒的にユーロビートでした。TM「GET WILD '89」、B'z「BAD COMMUNICATION」、Wink「淋しい熱帯魚」、森高千里「17才」、斉藤由貴「夢の中へ」など、この年は国産ユーロビートの名曲がたくさんリリースされました。
ただ、欧米ではユーロビートはもう廃れてて、ハウスの時代になってた。日本のメジャーアーティストの中で、キョンキョンはいち早くその流れに乗った。
プロデュースはキョンキョン本人と近田春夫。近田さんは音楽評論家としても有名だけど(彼の評論は面白かった)、このアルバムでハウスと歌謡曲の融合にチャレンジしています。また作家陣には、当時まだあまり知られていなかった小西康陽(ピチカート・ファイヴ)も起用されててビックリ。ホントこれ、1989年当時の「最先端」の音なんです。
どの曲もいいけど、やっぱり断トツで素晴らしいのは、シングルにもなった1曲目「Fade Out」かなぁ。オリコンで2位まで上がりました。ただ、楽曲が理解されたというよりは、やっぱりキョンキョンのブランドパワーだったのかな。当時のキョンキョン、今で言うところの「インフルエンサー」みたいな感じだったね。
単調なアシッドハウスのビートに乗せて、「ディスコで待ってる仲間たちには構わず、夜の高速へと消えて行く(=フェードアウトしていく)男女」を歌ってます。斬新なサウンドに相反して、メロディは意外にも歌謡曲的な情緒に満ち溢れてて、キョンキョンは気持のこもった歌を聞かせてます。
キョンキョンは聖子や明菜に比べると正直歌はヘタ。ただ、このアルバムを出した時は既にデビュー7年目。デビュー当初に比べればだいぶ歌はうまくなったし、女優業もやってたせいか、表現力がありますね。
3曲目「STAND UP」はこのアルバムでは珍しく、打ち込みは使わず生演奏でキメたファンキーな曲。歌詞が面白い。人目を忍ぶ恋愛(たぶん年上の遊び慣れた男性との不倫)にワクワク・ドキドキしてた女の子が目覚める歌で、サビの展開が痛快です。
5曲目「CDJ」と9曲目「男の子はみんな」はピチカート小西さんの作詞・作曲。
「あなたにはお気の毒だけど/あなたの大切なレコードを/割っちゃった/あなたには『お気に入り』かもね/私にはうるさいだけのゴミ/割っちゃった」(「CDJ」)
「まあいいけどとりあえずあなたとは/かなりセンスが違うかも/信じられない/今でも昔の彼女好きなんてね」(「男の子はみんな」)
傲慢で小悪魔的な女の子が男どもを翻弄するという、まさにピチカート・ファイブ的な世界。ただ、キョンキョンが歌うとなんか憎めない感じになるのが良いね。
ログインしてコメントを確認・投稿する