桃崎有一郎著『室町の覇者 足利義満 ──朝廷と幕府はいかに統一されたか』を読んだ。
中世の歴史についての新書。
室町時代というのは、もともと興味のある時代ではあるんだけど、読み終えてみて、残った関心は別の部分だ。
この時代の為政者の戦いとは、つまり、万人の万人による万人に対する闘争から、いかにお互いにルールを守り、秩序だった社会を作ろうかという戦いだったのではないか、と。
最初の方では、義満自身が御家人に家を取り囲まれ、決定を覆さないわけにはいかなかった。
つまり力が支配していたんだよね。
その後、義満自身が力をつけ、理由もなく、俺が言ってるんだからこれでいいんだよ、という世に変えていく。
ただ、その中でも力だけではなく、規範に照らしてここはこうしようという流れになっていく。
中世の政治って、何をやっていたのかよくわかんないことはあるけど、読んだ内容からおもんばかるに、裁判とか警察的な仕事が多かったようだ。
要はトラブルの仲裁だよね。
そこを、武力を使わずに納得してもらうというのは、なかなか骨が折れたことだろう。
今はそれが当たり前になっているけど、もともと政治とは武力闘争だったのだ。
たぶん当時の人は、その変化を明確に意識はできないまでも、武力だけじゃまずいよな、という価値観に変わっていった過渡期だったのだと思う。
そこをうまくシステム化できていれば義満以降、室町は長く平和な世を作れたのかもしれない。
でも三代義満が50代で世を去り、その後、五代義教が完成しそうなところで、勘気の強い義教に反発した赤松満祐によって彼は暗殺されてしまう。
義教の世が長く続いてたら、応仁の乱から戦国時代、信長、秀吉、家康に至る流れは変わっていただろう。
ただ、暴力から秩序の世に移るには、それだけの紆余曲折があった、ととらえるべきなんだろうと思った。
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