播種性血管内凝固、もしくは播種性血管内凝固症候群。
普通は英語の疾患名を省略してDICという。
怪我して出血すると、出血したところに「かさぶた」ができる。
これは赤血球がフィブリンという組織で架橋されたもの。
「怪我」という刺激がこの反応を引き起こす。
出血を止めて傷を治す「創傷治癒」過程の初期段階だけどね。
実は血管内でもこの反応が起きてしまうことがある。
血管内で血が凝固する、いわゆる血栓ですね。
血栓を作る反応を凝固系と呼び、フィブリンはその一員。
血栓ができると困る場合のために、体内には血栓を溶かす仕組みもちゃんとある。
線溶系という一連の反応が「溶かす」仕組み。
ふたつあわせて凝固線溶系と呼ぶんだが、この仕組みが狂うと
身体中の血管内でたくさんの血栓ができ、溶かすために線溶系が過剰に反応し、
を繰り返してとんでもない状態になる。
血栓によって各種臓器に血流障害が起き、線溶系亢進で出血がとまらなくなる。
これがDIC。
医学生だったころ飛び降り自殺後にまだ息がある患者の手術に入ったとき、
手術自体はきちんと進行しているのに出血が止まらなくなり、
手術台の下からどんどん血の池が広がっていくのを見た。
DICの実物を見た最初の体験だ。
ワシは産婦人科になったが、妊娠中はちょっとしたことで凝固線溶系が狂う。
妊娠初期の流産は胎盤の血栓が原因とされているし、
胎盤の血栓ができると、そのとき流産しなくても妊娠中毒症の原因になるらしい。
妊娠中毒症自体も「いつDICを起こしてもおかしくない」血液状態だ。
この記事に出てくる声優さんはDICからなんとか救命できたと書いてあり、
それは大変に喜ぶべきめでたいことだ。
が、本当に大事なのは「なんでDICになったか?」のほうだ。
もちろん検査してるんだろうし、ある程度わかっているとは思う。
ちなみに「白血病」はDICの原因として有名な疾患である。
普通の「がん(悪性腫瘍)」も原因になる。
緊急搬送→ICU入院の女性声優「一時は命の危険」乗り越え退院報告「復帰まではまだ時間が」
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=8881451
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