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2026年05月01日07:03

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クルマ0530 島の財産(LORYC)

1919年、Rafael Lacy(ラファエル・レイシー)とAntonio Rivas(アントニオ・リバス)は、地中海に浮かぶスペイン・バレアレス諸島で最も大きいマヨルカ島の最大都市パルマでアメリカ・フランス・ドイツ車の輸入販売を始めました。

https://share.google/Zf0sg9yIoAOXgMXAP

しばらくして、スペインを代表する自動車メーカー、イスパノ・スイザのパリ工場に勤務していたAlbert Ouvrard(アルベール・ウーヴラール)が加わってLORYC(ロリック)という機械製造の会社に発展しました。下写真は1920年代初頭のパルマ湾です。右下に件の工場が見えます。

https://share.google/NF2iDWmBGCc96BdBZ

社名は、レイシーの苗字のL、ウーヴラールのO、リバスのR、それに&を意味するスペイン語Y、Companyを意味するCを並べたもので、1920年1月23日に設立され、LORYC SAと登記されました(SAはSociedad Anónimaの略で株式会社を意味します)。

創業後しばらくは農業機械・鉄道車輌・モーターボート等を製造していましたが、1921年にフランスのEHP社(本稿0529、前回)がサイクルカーの生産を始めると、その創業者社長、Henry Précloux(アンリ・プレクルー) と契約を結び、シャシーをライセンス生産するようになりました。エンジンはフランスのRUBYやSCAPといった専門メーカーから取り寄せました。これが今回の主題ロリックです。

https://share.google/cz27m71IEpgPdjZQv

アルミニウム地肌が銀色に輝いて”La Sardine(イワシの缶詰)”と呼ばれたロリック1号車は、水冷直列4気筒のルビー製OHC903ccエンジン(6馬力)を搭載していました。宣伝のために街中を走り回っていたとか。

フランス・モーターサイクル連合主催のオートサイクル・グランプリに出てきたEugéne Franquebalme(ウジェーヌ・フランケバルム)の「イワシの缶詰」です。ゼッケン7を付けています。

https://share.google/zvpl5ovSL5wY52ZRf

このクルマは現存しています。下記はレストアされた現在の姿です。

https://share.google/m60o46nfekGjNgXAG

ロリックの元になったEHPは前回記したようにコンペティションで良い成績を残しましたが、ロリックもレースで活躍しました。下記はAndrés Vidal(アンドレス・ヴィダル)のレーサーです。

https://share.google/VQESTLBcqufX1wHnf

また、SCAP製1リットルの水冷直列4気筒OHVエンジン(35馬力)を搭載し、140km/hを超える最高速度を誇るレーシング・ロリックを駆るParticio Satrústegui(パルティシオ・サトルステギ)は、1922年に第4回ブエルタ・ア・カタルーニャで優勝するなど数々のレースで好成績を残しました。

https://share.google/4cM5buXLpWkPpC41n

本稿0046で記したように、スペイン国王のAlfonso XIII(アルフォンソ13世) はクルマのマニアとして知られていました。彼は、自国の離島で作られる、小型ながらスポーティなロリックにもたいへん興味を持ったようです。

しかし、1921年から130台生産した後、ロリックは財政難に見舞われて1925年末に生産を中止しました。
オリジナル・ロリックは12台しか残っておりませんが、島の財産として90年以上経った2016年にEVとして復活しました。
ショールームには「復活」ロリックが置かれているのですが、ホイール/タイヤやシートがすこぶるモダンでいただけません。
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