台湾の名匠ホウ・シャオシェンが、祖父の住む田舎でひと夏を過ごす幼い兄妹の姿を通し、自然の美しさや子どもたちの友情をみずみずしく描いた名作ドラマ。
台北の小学校を卒業したトントンは、母が入院したため、幼い妹と2人で夏休みを田舎の祖父の家で過ごすことに。近所の子どもたちともすぐに仲良くなり、トントンは田畑を駆け回って楽しいひと夏を過ごす。一方、妹のティンティンはなかなか仲間に加えてもらうことができず、兄たちにいたずらをしたりして過ごしていたが、やがて台北から父親が迎えにきて……。
兄妹の父親役で、「恐怖分子」「ヤンヤン 夏の想い出」などで知られる映画監督のエドワード・ヤンが出演している。1990年に日本初公開。2016年および2025年にそれぞれデジタルリマスター版でリバイバル公開。(映画.comより)
<2025年8月3日 劇場鑑賞>
今回、デジタルリマスター版で見ました。実は若い頃に見てなくて。でも、今見てよかった。人生のかなり遅い時期に息子に恵まれた私。遅すぎた故に少し手のかかる子として生まれてきた彼はしかし、私に”子育てとはなんたるものか”を自覚させ、世間がこんなにも優しかったのかとわからせてくれた息子でした。もちろん今でも元気に通学していますが、彼が小さい頃に思いっきり手をかけたことで、子供嫌いだった私が、小さい子を見ると思わず微笑むようになり、特にこんなわんぱく盛りの男の子たちを見るとうれしくて仕方がないようになりました。今では「(「シャドウズ・エッジ」のウォン・カーファイのように)孤児院でもう一人男の子をもらってきとくんだった」と思っているほどです。(こんなこと、軽々しく言うべきではないかもしれませんね。すみません。でも本当にそう思っているのです。ちなみに里親制度は条件が厳しく、私は応募資格すらありませんでした。孤児院でもそうなのかもしれませんが)
さて、都会な台北から田舎のおじいちゃんちへ、夏休みを過ごしにやってきたトントンと妹。おじいちゃんはこの町の町医者で、人々の尊敬を集めているだけあって、寡黙で厳しい人です。トントンも、おじいちゃんの前ではおもわず直立します。田舎での初日は、田舎の子が見たこともないようなおもちゃを持っていたので”亀”と交換してくれるように頼まれ、逆に亀が珍しかったトントンはそれに応じます。すると、次の日、周りの子供たちはみんな亀を持ってきていて、みんな「おもちゃと交換してくれ」と言うのです。もう、ここ爆笑でした。そんなにたくさんの亀をどうしろっていうんですか。おもしろすぎる!トントンは真顔で「そんなにおもちゃ、持ってない」「1個しかない」と言います。すると、みんなは”亀の徒競走”を始めるのです。いいですねぇ。亀なんて、まっすぐ歩くわけありません。ハチャメチャな展開になります。男の子独特の、この”アホすぎる世界”が大好きです。
この地域は、男の子がたまたま多かったのか、妹もいるのに妹の友人は出てこなくて、代わりに近所に住む”気のふれた若い女性”と仲良くなります。彼女は、何らかの理由で(恋愛結婚した夫がまもなく戦争?かなんかで亡くなった、とかそんな感じだったと思う)普通ではいられなくなり、少し変わった格好で歩き回ったり、言動が突飛だったりするのです。でも、いい人なんです。群れて遊んでいるお兄ちゃんたちに「女は来るな」とか、この年齢独特の意地悪を言われて、行き場をなくしていた妹は、彼女とかかわるようになっていきます。
ほんの夏休みの間だけですが、いろんなことが起きます。でも基本的に子供たちはみんな素直で、都会から来たトントンとすぐに仲良くなるし、わんぱくなboysばかりでお母さん方はキーキー言ってましたが、みんないい人たちで、本当に心がほっこりする映画でした。幸せな気分になりました。冒頭にも書きましたが、若い頃に見ていたら、同じ感想を持てなかったかもしれません。もちろん、わからないですけどね。私には年の離れた弟が二人いましたし。しかしいい映画だったな。あはは。今思い出しても顔がほころびます。変態だな(笑)。すみません。
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