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2026年03月24日07:04

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小噺0559 マルサスの罠

食物は、耕作・飼育・養殖などの技術進展や品種改良などで生産量が増えても、それは一次関数的です。右上がりの直線的グラフで表せます。

農作物の生産・需要量の推移です。

https://share.google/osv9Wo1YtmrnMa5fQ

食肉・卵の世界消費量推移です。

https://share.google/kXMGuR08ujoJD6NmZ

養殖魚の世界生産状況です。

https://share.google/uy98Yqqv5d6trfd6X

それに対して、人口増加は指数関数的です。急激に増加します。

https://share.google/NLydFHyqFwOKF6Bda

これが意味することは、食料供給は人口増加に追い付かなくなる、ということです。本稿0532【ソイレント・グリーン】はSF映画ですが、あながち非現実的ではありません。

ところが、イギリスの経済学者Thomas Malthus(トーマス・マルサス)が1798年に著書「人口論」で述べた【マルサスの罠】説は、「人口が増大すると食料が不足する。すると飢餓で多くの人が亡くなり世界的に人口は減少(自然の人口調整)、食料の供給不足は解消される」という理論です。
これが繰り返されるんですね。「マルサス的経済の論理」としてグラフ化されていました。わかりやすいので引用させてもらいましょう。
https://static.wikia.nocookie.net/rindoku/images/a/ad/MalthusianTrap.png/revision/latest/scale-to-width-down/340?cb=20100211140013&path-prefix=ja

18世紀終盤、世界最先進国だったイギリスの人口は約600万人に過ぎず、人口ピラミッドはきれいな富士山型でした(下記はイメージです)。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/2e/Angola_population_pyramid_2005.svg/330px-Angola_population_pyramid_2005.svg.png

即ち人口は増えるのか当たり前だったんです。だからマルサスは前述のような【自然の人口調整】説を唱えたのですね。

しかしながら近年の先進国はどうですか。人口ピラミッドは下すぼまり、新生児の出生数・率は低水準状態がン十年続いています。日本では第2次ベビーブーム(1971〜74年)で少し増えましたけど人口減を止めるには至りません。

https://share.google/images/w3SBRlkwpcFZw7UP9

最早「マルサスの罠」は成り立たないのでしょうか?おそらくは「YESだが例外あり」でしょう、今はまだ人口がドントン増えている国がありますから。
しかし早晩、どこも人口減に転ずるのは明白です。だったら食料供給は問題ないように思えます。
いえ、そんなことはありません。温暖化の影響でしょう、世界各地で異常気象が起こり食物生産が不安定に。農業だけでなく漁業も - 日本では海水温が上がった影響でサンマやスルメイカなどの冷水性魚種が減少し、ブリやサワラなど暖水性魚種が増加してぃす。

世界各国が一丸となって温暖化抑制=二酸化炭素排出削減に取り組むことが急務となっているのに、2024年11月11〜24 日にアゼルバイジャン共和国の首都バクーで行われたCOP29では足並み揃わず。エゴ剥き出しの国が目立ちました。

なお、Adam Smith(アダム・スミス、イギリス)が、各個人が自己の利益を追及する経済活動を行えば社会全体も潤う、という【見えざる手】説を著書「国富論」で唱えたのは1776年、【マルサスの罠】説か書かれた「人口論」発行の22年前です。ボクはマクロ経済を専攻しましたからこの2つの重要な経済理論をよく覚えていますが、同時代(18世紀)のイギリスは他にも誰もが知る(教科書に載っている)賢人を多数輩出していたことは瞠目に値するように感じます。
●哲学者
Jeremy Bentham(ジェレミー・ベンサム、功利主義)・David Hume(デビッド・ヒューム、経験論)など
●科学者・医者
Isaac Newton(アイザック・ニュートン、万有引力)・James Watt(ジェームズ・ワット、蒸気機関)・Robert Hooke(ロバート・フック、顕微鏡)・John Hunter(ジョン・ハンター、解剖外科)・Charles Darwin(チャールズ・ダーウィン、進化論 - 19世紀ですが)など
●天文学者
William Herschel(ウイリアム・ハーシェル、天王星発見・赤外線放射発見・その他業績多数)・Edmond Halley(エドモンド・ハレー、ハレー彗星)・James Bradley(ジェームズ・ブラッドリー、恒星までの距離測定)など
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