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2025年12月05日07:07

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クルマ0509 ブラシアップ(LAMBERT)

アメリカに於ける初期のガソリンエンジン車の例として本稿0382で1899年のKNOXを採り上げました。見るからにプリミティブな3輪車ですが、このクルマが世に出る8年前の1891年にアメリカ初のガソリンエンジン車が550ドル(現代の感覚では5〜600万円ぐらいでしょうか)で販売されています。

https://share.google/images/CUPHzbvyMcGbn1Rm4

このクルマを開発・製造したのは、生涯に600件以上の特許を取得した発明家、John William Lambert(ジョン・ウイリアム・ランバート)です。

https://share.google/qLrhAKNN6NOxHz4nE

彼は1884年に金属加工品製造を生業とするBuckeye Manufacturing Co.(バックアイ製造会社)を設立します。アメリカ初のガソリンエンジン車は、ここで作られたパーツで組み上げられましたが、たいへん高価で殆んど売れなかったと言います。それでもクルマの生産販売には拘り、1902年にインディアナ州ユニオン・カウンティ(郡)にUnion Automobile Co.(ユニオン自動車)を設立、郡名を車名にしたユニオンを約300台製造しました。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3b/Union_Model_E_1905.jpg

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c1/Union_Delivery_Wagon_1905.jpg

ランバートは、1904年にByron Carter(バイロン・カーター、本稿0478)が特許を取得したフリクション・ドライブ(円盤摺動式駆動)をブラシアップしていました。1905年に一応の完成を見たのでしょう、45歳になった彼はユニオン自動車を閉め、インディアナ州アンダーソン市にLambert Automobile Co.(ランバート自動車)を設立します。フリクション・ドライブ車に特化することを目的にしていました。

https://share.google/images/ceBJMp52qFX7DqDLI

上写真は1906年のランバートのシャシーを後ろから見たところです(20世紀初頭は右ハンドルのアメ車もありました)。フロントに縦置きされたエンジンのクランクシャフトは車体中央まで延長され、後端に大きなドライブディスク(面に摩擦材が貼ってあります)が付いています。それに対してやや小さい円盤(フリクションホイール、この外周にも摩擦材が貼り付けられています)が直角に擦り付けられ回転します。
このフリクションホイールの軸(シャシーのサイドレールから外に出ています)の両端に見えている小さなスプロケットと、後輪(手前)のすぐ内側の大きなスプロケットはチェーン(写真では外されています)で結ばれて回転力を伝達します。

変速は、ステアリング右のレバー(左側)を操作して(長いロッドを介して)ドライブディスクに対するフリクションホイールの相対位置を変えることで、無段かつスムーズに行えます。
フリクションホイールがドライブディスクの中央に来るとニュートラル、外周に近いほど高速となります。ニュートラルを挟んで反対側へフリクションホイールを移動させると後進になります。
なお、ステアリング右のもう1本のレバーはリヤに効くハンドブレーキです。

ランバート自動車は1916年まで乗用車だけでなく商用車、さらに消防車やトラクターも生産して消滅しました。しかしランバートというブランドは1917年も残りました(バックアイ製造会社で生産)。

https://share.google/images/auBluJ8fUxBTOGVuV

フリクション・ドライブは、トルク伝達力が弱い(容易に想像できます)ため、大型車や商用車には適さず、また坂が多い地域では敬遠されたのでしょう、1920年頃には見られなくなりました(日本では1952〜54年に オートサンダルなるフリクション・ドライブ車が196台生産販売されましたが。本稿0281をご参照ください)。
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