解説
東ヨーロッパ、ジョージアの小さな村に暮らす48歳の女性エテロは、結婚したいと思ったことは一度もない。両親と兄を亡くし、日用品店を営みながらひとりで生きてきた彼女は、自分で摘んで作るブラックベリーのジャムと同じくらい、独身の暮らしを愛している。しかし彼女が未だにひとりでいるのは村の女たちの噂の的だ。ある日、エテロは崖から足を踏み外し危険な目に遭う。死を意識したエテロは、突発的に人生で初めて男性と肉体関係を持つ。そこから彼女の人生は変わりはじめる・・・。原作“Blackbird Blackbird Blackberry”は、ジョージア人の作家であり、フェミニズム活動家のタムタ・メラシュヴィリによる大ヒット小説。人生の後半期を前にして突然動き出した運命に、静かに力強く挑み、愛さずにはいられないエテロの姿を、ポップにオフビートに描きだす。世界の映画祭を席巻した小さな大傑作。
物語
ある日、ジョージアの小さな村に住む48歳のエテロは、ブラックベリー摘みの最中、美しい声でさえずるブラッグバード(黒ツグミ)に吸い寄せられるように、崖から足を踏み外し転落してしまう。何とかひとりで崖から這い上がったエテロは臨死体験をした。それは、村人たちが自分の遺体を川から引き揚げるところを目撃する、というもの。
自分の店に戻り手当てをしていると、いつものように配達員のムルマンが仕入れ品を持ってやって来た。商品を棚に並べるムルマンの首筋、腕、顔…その姿をじっと見つめるエテロ。彼女はそのまま人生で初めて男性と肉体関係を持つ。そして、その時を境に彼女の運命が変わり始める…!
エテロのもとに訪れた、ささやかで大きな変化…彼女は果たしてどんな将来を選択するのだろうか?(公式ウェブサイトより)
<2025年4月27日 劇場鑑賞>
和歌山市のミニシアターで鑑賞。主人公の女性エテロに大いに共感しながら、映画を楽しむことができました。彼女は、小さなツグミ(ブラックバード)が飛んでいるのを見つけると感動し、またブラックベリーを上手に摘んで、おいしいジャムだって作れます。自然がいっぱいのジョージアで、日用品店を営みながら自立した生活を送り、不満なく過ごしています。地元の女性たちが「(一人で)かわいそうだわ」などと本人に聞こえるように噂しても、動じません。他人に関係ないし。日本でだって、彼女に共感する女性は多いんじゃないかな。多くの女性が周りの女性たちに対して「ほっとけ!」と思ったはずです(笑)。
そんな彼女ですが、ある日崖から滑り落ちて命の危険を感じ、そこから行動に少し変化が出ます。今までどちらかというと不愛想な感じで生きてきた彼女ですが、店に出入りする卸し(おろし)の男性に近づいてみました。すると、彼もまんざらではなさそうなんですね。セクシーな体形でないことはわかっていた彼女ですが、案外好意を持たれていたってことだったようです。でもまぁ、彼は少し年輩で、孫もいる既婚者なんですけどね。
卸しさんは毎日来るわけではなくて、何日かに一度来てどっと置いていったり、しばらく出張で来なかったりもします。それでもなんとなく仲良くしていました。淡々としていた毎日に少し色がついたくらい・・・に思っていました。しかし!
<ここからネタバレ>
あるとき、体調不良が続くので医師の診察を受けました。すると、40代後半ながら、奇跡の妊娠だったのです!これは仰天!私も43歳で息子を出産しましたが、「負けた」と思いました(笑)。エテロは驚きましたが、生活は変えません。彼は「一緒に住もう」と言ってくれましたが、そんなことはできません。はっきりと断ります。映画はこの辺で終わりましたが、彼女は一人で産むのでしょうね。そして、数は少ないながらも”本当の友人たち”に囲まれながら、子育てするのでしょうね。環境もいいし。
<ネタバレ終わり>
体型も気にしない、自立している、お料理だってできる、それなりに満足している・・・こういう女性、好きです。肩ひじ張ってなくて、媚びない。素敵です。私なんか、まいにち営業スマイル(笑)。考えるより先に笑顔が出る、お金が欲しいから仕事をしていることがはっきりしている、こんな私は、彼女がとてもうらやましい。うらやましがっているだけで、行動を起こせない情けない自分だけれど。
いい映画でした。
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