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2025年08月24日18:33

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Facebookから転載

「盲導犬」

毎朝、私が通勤する途中に見かけていた盲導犬。
交通量の多い交差点でいつも彼が信号を待ちをしている時間。
私は「やっぱり盲導犬は凄ないぁ素質があるよねぇ」
と思いながらニコニコとその横を車で通過します。
獣医と言えども盲導犬を見ることはなかなかありません。
それはとても印象的なそれでいて毎日続く不思議な風景でした。

出会いは、突然やってきました。
ある日、そんな盲導犬の彼がひょんな事から私の患者になりました。
盲導犬の管理は非常に厳しく月に一回の健康診断、爪の確認、足裏の毛刈り、肛門腺に予防関係・・・
とにかく、飼い主さんに危険が及ばないよう完璧な状況下で任務をこなせるようにメンテナンスされています。
もちろん優秀な盲導犬。
爪切りでも自分から足を差し出すほどで 全ての診断は非常にスムーズに進みます。

ところがある日
彼の本当の姿を見ることになるのです。
それは、正確に体重計を測ってみましょうか・・
と盲導犬の補助具を全て外した時の事でした。
豹変した彼。
彼は一目散に病院を駆け巡りました。
そして、病院内の看護師、獣医一人ひとり挨拶をするようにじゃれて、グルグル回って伏せをした思いきゃ飛び掛かってきてまた次の人間のところへ・・・

そう、これが本当の姿だったのです。
本当は、人間と一緒に思い切り遊びたくて、走り回りたくて普通の犬としての暮らしに憧れを持っていた。
そんな彼に与えられた使命盲導犬。
長い間ずっと抑えていた感情だったのでしょう。
そんな彼の本当の姿を露(あらわ)にした原因、それは・・・
間違いなく彼に付けられたいた補助器具でしょう。
それを付けている間彼は「プロ」なのです。
何があっても、飼い主さんを守り自分の使命を果たさなければなりません。

飼い主さんの
「いつもごめんなぁ・・ごめんなぁ・・
先生、少しだけこの子を自由にさせてあげても良いですか?」
という言葉が、重く心に残っています。
飼い主さんはきっとこの子の気持ちにずっと気づいていたのでしょう。
信頼で結ばれた強い関係。
本当は遊びたいし走りたい・・・
けれども誇りを持って毎日仕事を続けることとなりました。
それから・・
今でも、毎朝の姿を交通量の多い交差点で見かけます。

しつこいですが「素質」などと安易な言葉で彼を評価していた自分自身に今でも苛立ちを隠せません。
そんな簡単なものでは無いのです。
彼は毎月、病院に来た時だけ補助器具を外しほんの数分だけみんなに挨拶しに行く自由を与えられています。
私たちも精一杯彼と挨拶をします。
犬は本当に凄いです。
獣医になって良かったと思います。

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