阪神淡路の震災後に有名になった。
一定時間以上(2時間と言われるが、実際には1時間程度でも起こる)
体の一部が強く圧迫されると、圧迫部位の筋肉が挫滅(潰れて壊れる)する。
圧迫を解除すると、挫滅部位から筋肉分解による物質が血流で全身に回る。
たとえばカリウム、高濃度カリウムは心拍異常、致死性不整脈の原因になる。
たとえば微小血栓、体内のあらゆる血管を詰まらせ、脳梗塞や腎不全を引き起こす。
圧迫されたままでも循環不全で死ぬが、
圧迫を解除すると全身状態が悪化して死ぬ。これがクラッシュシンドローム。
現場での治療が鍵となる。
救出前からの大量水分摂取、血中カリウム濃度を下げるため。
飲水可能なら1リットル程度は飲ませる、ダメなら救出しながらでも点滴する。
おしっこをがまんさせない、助かったら着替えればいいから
とにかくその場でできる限りおしっこをさせる。カリウム排出のため。
救出できたら飲水や点滴を続けたまま、なるべく早く人工透析できる施設へ。
透析しても助かるとは限らないが、透析しなければ助からない。
搬送に時間がかかる場合(病院が遠いとか交通手段がのろいとか)には
救出後に「圧迫されていた部位を止血帯で再度圧迫」することが行われる。
挫滅部位からの血流が全身に回るのを防ぐためだが、
最悪、圧迫部位から先の切断が必要になる場合もある。究極の選択だ。
人工透析には大量の水分と専用の機械が必要。
しかもどの地域にも、以前から透析を続けている患者がいる。
クラッシュシンドローム患者が大量に発生したからといって、
もともといる患者の透析回数を減らすわけにいかない。
しかも災害時は医療施設も被災して透析不可能になる可能性がある。
緊急性のあるクラッシュシンドローム患者の透析を近場施設で優先させ、
前からの透析患者さんたちは透析のタイミングに合わせて
遠方の被災していない施設に一時的に移送するなどの工夫が必要。
東日本大震災のときは、医師はクラッシュシンドローム対策準備をしていた。
ところが、実際に被災1から2日目に搬送されてきた重症者の多くは、
津波でびっしょり濡れた上に雪が降る環境にさらされ、低体温症になった患者だった。
低体温症も、専門家による初期治療がとても重要なのだが、
病院は避難者や外傷患者、持病悪化など多数の雑多な人間であふれて
低体温症患者に医療ソースを集中できず、多くが亡くなった。
素早い救急搬送と十分な医療資源(医療者と薬と施設と電力などなど)があれば
救える可能性があった命も、災害時には失われてしまうことがある。
■帰らぬ89歳母へ「よく頑張ったね」=72時間後救出も容体急変―家屋倒壊、弟も犠牲に・能登地震
(時事通信社 - 01月20日 07:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=7718235
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