一昔前というかだいぶ前かな、昭和の時代、婚約したときに贈る指輪の値段は、「月給の3倍」だと言っていました。しかし、どこからそんな基準が生まれてきたのか、そもそもそんな基準は妥当なものなのか、考えたものでした。
実は、この言葉は、世界中のダイヤモンド原石を扱っている「デ・ビアス社」が、宝石を売るための広告のキャッチフレーズとして考え出したものだったのです。『ダイヤモンドの謎』という本によると、これまで婚約指輪の平均価格が月給の3倍を超えたことはないそうです。この言葉を信じた人はまんまと高いものを買わされたことになります。
さらにいえば、婚約時になぜダイヤモンドを贈らなければならないのか、不思議でした。ダイヤモンドが、現金化しやすいという人がいますが、むしろ、金の方がどこの国でも現金化しやすいのは当たり前です。
宝石は面倒な鑑定が必要ですが、金は素人でも偽者と本物の区別がつけやすいので、売るときにも鑑定などにそれほど手間がかかりません。結局、婚約のときにダイヤモンドを贈るという理由は、それほど確かなものではないのです。
さらにダイヤモンドの価値を決める要素は様々ですが、重さだけでいえば、0.4カラット以上のものでなければ、高く売れないそうです。それ以下のものでは、財産価値はないと思ったほうがいいでしょう。また、色にはDからZまでのランクがあり、Dに近いほど透明に近く、Zに近くなるほど黄色っぽい色になり、価値あるものはG以上だそうです。
宝石がなぜ高いかというと貴金属といわれるくらいだから資源が限られ、数が少ないから高いと考える人もいるでしょうが、その答えは100%正解とはいえません。宝石の本当の価値は原価がいくらかを調べた方がいいでしょう。
宝石として財産価値があるかどうかの境目は、小売値で100万前後だといわれています。これ以下のものは、数十万円の価値がついていてもデザイン料など宝石以外のコストがかかっている場合も多いので、額面どおりに受け取ることはできないといいます。
さて、宝石の原価ですが、だいたい売値の4分の1くらいです。100万円のものなら、25万程度が宝石店への卸値です。なぜ100万円の値段までに跳ね上がってしまうのかというと宝石は、すぐ売れる商品ではないから長期間在庫を抱えるリスクを含んでいるからです。
さらにデザインや加工費が20万円という内訳だと、30万円程度の宝石の原価は1万円から2万円くらいだと考えておいた方がいいでしょう。だから、10万円以下の宝石の原価はたった数千円ということになります。それくらいの値段の宝石に財産価値を見出すことは無理ということになるでしょう。
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