mixiユーザー(id:8729247)

2023年10月09日15:20

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映画「福田村事件」

問題作。
他にどういえばいいんだ?
ひどい事実をひどいまま描けばひどい情景を描いたひどい映像にしかならない。
映画って、そういうもんじゃないと思う。

現実世界が苦痛に満ちているのなら
せめて銀幕の上だけでも、夢と希望に満ちた世界を見たい。

…なあんてね。
このセリフは映画「阿弥陀堂だより」のパクリ。
でも、この映画を見た後は、本当に心からそう思った。
そのくらいひどい。
事実だからなおひどい。
いや、多分だけど、実際の事件はもっとむごたらしいものだったはず。

ただ、この前にみた「ひろしま」もそうだけど、
どんなにひどい事実も、忘れられてしまうのよね。
忘れたらそれでいい、そんなこと二度と起きない、のだったらいいけど、
世の中はお気楽に都合のいいことばかり起きるわけではない。
ひどい事実に直面したら、学ばないと。
せめて、こんなことを自分の目の前では二度と起こさないためには
どうしたらいいのか、考えないと。

原爆をくらったことがなくても「ひろしま」を見れば
「核兵器なんか絶対に、地球上のどこでも使ってはいけない」と思う。
今回の「福田村事件」を見れば、フェイクニュースを信じて拡散するのは
殺人と同じ意味を持つこともある、とわかる。
誰かが言ってたから、ではダメだ。
どうしても現場に行けない、その場にいなかったなら
いくつかのニュースソースをあたって内容を比較しないとだまされる。
「福田村」の時代は、ネットはもちろん電話だってない場所も多かったが、
それでも、良識のある人たちは必至で訴えた。
「確認がとれるまでは行動しちゃダメだ」と言い続けた。

それでも止められない勢いもある。
権力のある大きなものが情報を操作する場合。
たとえば今の香港がそう。
中国が圧倒的な国力で押さえつけ、発言力のある人を片端から刑務所に入れ、
密告を奨励し、国家以外は信用するなと繰り返し教え込む。

いずれにせよ、人間のやることだ。
人間には寿命がある。
どの国家の独裁者も永遠の命はもっていない。
いつか独裁者がいなくなったとき、生きている人間がどう行動するか、だけのこと。
ソ連だって崩壊したのだから。
繰り返し、王や皇帝の支配と人民革命を繰り返したフランスも、
今は自由の国になったのだから。
…殺された人たちは帰ってこないけど。

ひどい映画、というか、ひどい映像であることは間違いないので、
心ある人は見ないほうがいいかもしれない。
福田村事件を学ぶだけなら、他にも媒体がある。
この映画の監督はそもそもドキュメントの人なので、露悪的なのは仕方ない。

それにしても、いわゆる演技派とされる俳優さんがたくさん出ているのには
感心した。
こんな内容なので脚本段階で断った人もいておかしくないが、
これだけの人たちが「やりましょう」となったのは、ちょっとすごい。

書いてて思った。
いつか、東日本大震災も、ドキュメンタリー映画になるのかな。
見たくはないが、できたらなってほしい。
亘理の、閖上の、東松島の、石巻の、海岸をなめていく津波、
いろいろなものをさらった津波を、いつかきちんと映像にしてほしい。
実際の記録映像はいくらでもあるはずだから、
きちんとまとめて、オリンピックの記録映画のように作ってほしい。
そうしないと、また忘れられてしまう。

自分が石巻に引っ越してきたときに見た、崖の上の苔むした古い石碑。
自分にも読める字で「ここより下に家を建てるな」とあるのに、
がけ下は一面の住宅地だった、あれと同じように。


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