mixiユーザー(id:8729247)

2023年10月05日15:47

383 view

「44でも妊娠できる!」の意味ではない

昔は不妊症専門でやってた。今も勉強はしている。

人間の女性があまり問題なく妊娠、分娩できるのは35歳まで。
35歳を過ぎると「妊娠できる能力」が衰えはじめる。
これは「人間」という生き物の仕組み、どうしようもないことだ。
妊娠率の低下だけでなく、流産率上昇もある。
35歳以下ならせいぜい10から15%だが、35歳を超えれば20%を超えていく。
そして40歳をすぎるといきなり50から70%に跳ね上がる。
45歳を過ぎると卵巣に受精能力のある卵子がほとんどいなくなる。
排卵するから生理は来るが、妊娠はできなくなる。

日本では最近、不妊治療に保険診療が適応された。
不妊治療はもちろん、若いほど妊娠率が高い。
保険診療では無駄なお金を使いたくないので、シビアに設定されている。
たとえば治療開始時の年齢が39歳以下なら年間6回の体外受精に保険が使える。
40歳をすぎると年3回になる。
43歳をすぎると保険では体外受精が受けられない。

44歳で分娩したこの人は不妊治療を受けたときはおそらく43歳。
保険が使える、つまり「妊娠する可能性がまだある」年齢だったのだろう。
それでも体外受精は年3回しか受けられない。
もうぎりぎり、あとがない状態、で妊娠成立したってことで大変めでたい。

しかも妊娠したらそれで終わりではない。
妊娠合併症、たとえば妊娠高血圧(昔の妊娠中毒症)は
高齢になるほど発症率が上がる。
中毒症は赤ん坊の成長を阻害したり、母親の命を奪うこともあり、
決して軽視していい疾患ではない。
この人は特に問題なく帝王切開まで妊娠を維持できた。大変めでたい。

でも、誰にでもこういう幸運が訪れるわけではない。
40歳をすぎて不妊治療を続け、お金を使い果たした人。
妊娠できたが合併症で流産してしまい、本人にも後遺症が乗った人。
無事に子を産んだが数年後、ホルモン刺激が原因と思われる乳がんになった人。
いろいろ見てきた。
だからこそ、この人に訪れた幸運が、本当に奇跡だとわかる。

44歳の宮崎宣子、無事に第1子出産 不妊治療の心痛や帝王切開の決断乗り越え「優しさや御恩を少しずつ返していく番」
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=7587036
23 5

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年10月>
日 月 火 水 木 金 土
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    

最近の日記

もっと見る