民主党政権の時に浮上した群馬県八ッ場ダムの建設問題のように、水力発電は環境破壊の代名詞として世界的にも低調です。一方で、環境負荷が少ない小水力発電 (設備容量が1万kW以下)は有力なクリーンエネルギーとして人気を集めています。
2009年、世界の小水力発電容量は8500万kWにおよび、うち1300万kWはヨーロッパ、残りの大半は中国にあります。特に中国は小水力発電の導入に熱心で、2005〜2006年にかけての時期だけでも、毎年300万~500万kWも導入しています。
発電規模のスケールメリットを重視した日本では、小水力発電は盛んではなかったのですが、温室効果ガスの削減努力とRPS法(電気事業者による新エネルギーなどの利用に関する特別措置法。電力会社に自然エネルギーによって発電された電力を一定割合で買うよう義務づけた法律)の後押しがあり、2003年以降、電力会社を中心に真剣な取り組みが行われるようになりました。
国土の7割を山林が占め、降雨量に恵まれた日本は、小水力発電に関してはかなりのポテンシャルを持っています。一方で、水利権や建設費などクリアしなければならない課題が多いのも事実です。しかし、市民参加型のおひさまファンドで運営されている「立山アルプス小水力発電事業」のように、地域の個性を生かした展開が期待されています。
また、火山国日本は地熱・バイオマス発電にも適しています。地下から噴出する蒸気でタービンをまわす地熱発電は、火山の多い日本では有望な自然エネルギーとして、石油ショック以後に普及が進んでいます。
しかし建設適地のなかには温泉地や国立公園もあり、そうしたエリアでの開発には課題もあります。ちなみに世界有数の火山国アイスランドでは、地熱発電が電力供給の26・2%を占めています。この地熱発電を支えるのは三菱重工で、同社は地熱発電タービンのトップメーカーなのです。
生物由来の資源をエネルギーに変えるバイオマス発電はその範囲は多様です。そのなかで、家畜糞尿や残飯、下水汚泥から取り出したメタンガスを燃料にする技術に人気が集まっています。また製糖工場、製紙工場は製造過程で生じる廃棄物を燃料とした自家発電設備を持っているのが一般的です。
日本は2009年末時点で315.9万kWのバイオマス電力設備容量を持っているのですが、このうち2・6%は、実に廃棄物系発電が占めているのです。新設、更新されるごみ処理場では発電設備も併設され、その電力は灰溶融などに使用されています。
廃棄物系発電の場合、発電規模が大きいのが特徴で、たとえば東京二十三区清掃一部事務組合は、2011年夏の電力不足にし、東電に9.6万kWの電力を供出して話題になっています。
一方で、間伐材、製材廃材を使った木質バイオマスは、燃料収集コストがネックになり、日本での普及は難しいという指摘もあります。しかし、ストーブの燃焼効率を上げる木質ペレットなど、熱利用の加工品として、間接的に電力消費を抑えられます。使い道の工夫次第で魅力的なエネルギーとなることでしょう。
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