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2023年07月28日17:45

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サントメール ある被告(Saint Omer)

 フランス北部の町、サントメール。若き女性作家ラマは、ある裁判を傍聴する。被告は、生後15ヶ月の娘を海辺に置き去りにし、殺人罪に問われた女性ロランス。セネガルからフランスに留学し、完璧な美しいフランス語を話す彼女は、本当に我が子を殺したのか?被告本人の証言、娘の父親である男性の証言、何が真実かわからない。そしてラマは偶然、被告ロランスの母親と知り合う。彼女はラマが妊娠していることを言い当てる。裁判はラマに、“あなたは母親になれる?”と問いかける……果たしてその行方は──。(公式ウェブサイトより)



<2023年7月16日 劇場鑑賞>
 この映画、恥ずかしながらあんまりわかりませんでした。フランス映画なので、日本とは違った独特の価値観もあるのか、事実を元にした映画と聞いているのですが、そして裁判でのセリフをそのまま使っているシーンもあるとのことだったのですが、いかにも間延びした感じを受けました。

 犯罪者を裁くのが裁判なのですから、事実として「子供を殺したかどうか」の一点に絞られるはずです。でも、そこに争いはないようで、海辺に置き去りにしたのは事実のようです。しかし「どうしてそんなことをしたのですか」と問われても「わかりません。それはここで明らかにしていきたいと思います」などと言って、終始深刻な面持ちで行われる裁判長とのやりとりは、精神科医のカウンセリングのよう。フランスでは、裁判でこんな微に入り細を穿つような質問をし続けるのでしょうか。

 裁かれる女性だけでなく、大学教授(作家)の女性も登場します。要は、難しいとされる母と娘の関係に悩み、またフランスにおける黒人女性の「見られ方」の画一性に悩み、母になるという事実に悩む・・・そこを表現した映画のようです。裁かれる女性は、貧しくはなかったものの、父親が希望する進路を選択しなかった時点で援助を断ち切られ、うんと年上の男性と住むしかなかったことも言及されます(確か母親は正妻ではなかったので、父は母と住んではいなかった)。

 しかし、このような悩みはどこの国でも普遍的なもので、人生と言うものは、差別や偏見、母(あるいは両親)との確執、また母親になる(なれない人もいる。それはそれで大変な悩み)ことなど悩みは尽きず、凡人の目からすれば、この映画の女性たちは、父親に愛され、進路を変更するまではそれなりに援助を受けていたり、年上の男性は穏やかな人だったり、あるいは作家にはとても優しく気遣いのできるパートナーがいたり、傍目には充分恵まれているようにも見えるのです。日本だったら、なかなかこんな風に行かないんじゃないかな。

 ともあれ、女として生まれ、女として生きてゆくのは並大抵のことではないのはわかります。しかし、それは男でも同じではないでしょうか。「子供を産むのが当たり前」「母性があるのが当たり前」など、男性にはないプレッシャーがあることは事実ですが、だからといって子供を置き去りにしていいわけはありません。難しい問題でしょうが、淡々とした会話劇が続く普遍的な話に、やや退屈さを感じたのも事実です。まぁ先進国における黒人女性の苦悩は、私には推し量れないわけですが。

 しかし、こういうタイプの映画を久しぶりに見たので、新鮮に感じたことも事実です。楽しめたと思います。
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