mixiユーザー(id:8729247)

2023年07月16日14:59

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これは緊急避妊薬ではありません

黙っていようと思ったんだけど
成分ノルゲストレルだから緊急避妊ピルと同じさ!とか
偉そうに勘違い大間違いコメントしてる人がいるので、
仕方ないから書いてみます。

まず「ノルゲストレル」とは「黄体ホルモン」の一種です。
女性特有のホルモンは「女性ホルモン(エストロゲン)」と
「黄体ホルモン(プロゲステロン」の二種類ですが、
「黄体ホルモンは排卵後に卵巣にできる黄体から分泌される」のです。
ゆえに、生理がある女性のからだにエストロゲンがゼロになることはないけど、
プロゲステロンは「排卵から生理まで」の間しか体内に存在しません。

で、この黄体ホルモンのみを避妊用ピルとして使用することがあります。

普通「避妊用ピル」はエストロゲンとプロゲステロンの合剤。
ふたつの薬の組み合わせです。3週間飲んで1週間休み。
その1週間に生理がくるように仕組んであります。
これに対して「プロゲステロンのみの避妊ピル」は生理が来ないような設定です。
プロゲステロンのみを継続服用すると、子宮内膜が委縮して
卵巣から排卵があっても卵子が子宮内膜に着床できない、赤ん坊ができないのです。
子宮内膜は排卵後2週間ではがれて「次の排卵のために更新」されますが、
プロゲステロンのみのピルを飲んでいると、内膜がほとんど生えてこないので
更新されない、つまり剥がれ落ちて生理として出血することもなくなります。

今回アメリカで市販が許可された「オピル」はこのタイプ。
つまりプロゲステロンのみのピルで、
そのプロゲステロンの一種として「ノルゲストレル」が使われています。

緊急避妊薬として使われているのは「レボノルゲストレル」です。
ノルゲストレルではありません。

レボノルゲストレルを緊急避妊ピルとして使う場合、
一回に1.5ミリグラムの服用が必要です。

「オピル」はこの記事に写真あって含有量も数字で書いてありますけど、
「ノルゲストレル0.075ミリグラム」ですので
薬も違うし容量も緊急避妊ピルとしては使えません。

レボノルゲストレルはエストロゲンとの合剤として
通常の避妊ピルとしても使われています。
たとえば日本でけっこう売れているアンジュやトリキュラー。
ジェミーナという最近販売されたピルにも含まれています。

そういうのをたくさん飲めば緊急避妊ピルに使える?

っていいだすやつが出てくるかもしれないので書きますが。

上記した日本でも使えるピルも、たとえばジェミーナは
「レボノルゲストレル0.09ミリグラム」ですから
20錠も飲めばレボノルゲストレル1.8ミリになります。
ただし避妊用ピルはエストロゲンを含みますので、
20錠も飲むと、エストロゲン過剰症状でひどい吐き気と全身のむくみが出ます。
…それなら真面目に1日1回ジェミーナ飲んだほうがいいじゃないですか。
具合も悪くならないし避妊もできるし。

ピルに含まれるホルモン剤成分の細かい話をするのが面倒に思ってましたが、
「この薬の成分は緊急避妊ピルと同じだ!」とさわぐコメントが目について、
もう仕方ないので解説の日記を書きました。
薬の成分は、ちょっと名前が違っても作用が違う場合があります。

昔の推理小説でも「被害者にモルヒネを大量に飲ませて殺した」犯人が
「自分もいっしょの紅茶を飲んだ」のに死ななかったのは、
飲んだ直後に「アポモルヒネ」を注射したから、というトリックがあります。
アポモルヒネは吐剤、つまりモルヒネを吐き出すために使ったんです。
台所に落ちていた薬のラベルの切れ端を見て
「モルヒネなら最初は大文字のM。これは小文字だから…」とポアロが推理します。
…似たような名前でも作用が違うって話ですよ。

まとめ
1)アメリカで市販されたピルの成分はノルゲストレルという黄体ホルモン
2)緊急避妊薬の成分は「レボノルゲストレル」で違う成分

■米当局、避妊薬市販を初承認=来年から処方箋不要に
(時事通信社 - 07月14日 01:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=7487731
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