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2023年07月11日15:42

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アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(Armageddon Time)

 「エヴァの告白」「アド・アストラ」のジェームズ・グレイが監督・脚本を手がけ、自身の少年時代の実体験をもとに撮りあげた人間ドラマ。

1980年、ニューヨーク。白人の中流家庭に生まれ公立学校に通う12歳の少年ポールは、PTA会長を務める教育熱心な母エスター、働き者でユーモア溢れる父アーヴィング、私立学校に通う優秀な兄テッドとともに何不自由なく暮らしていた。しかし近頃は家族に対していら立ちと居心地の悪さを感じており、良き理解者である祖父アーロンだけが心を許せる存在だ。想像力豊かで芸術に関心を持つポールは学校での集団生活にうまくなじめず、クラスの問題児である黒人生徒ジョニーは唯一の打ち解けられる友人だった。ところがある日、ポールとジョニーの些細な悪事がきっかけで、2人のその後は大きく分かれることになる。

主人公の母をアン・ハサウェイ、祖父をアンソニー・ホプキンス、父をジェレミー・ストロングが演じた。2022年・第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。(映画.comより)





<2023年7月1日 劇場鑑賞>

 1980年代のアメリカ、というところが話の肝です。数字だけ見ると、さほどに昔ではないのだけれど、まだまだ人種による差別が露骨だったころ。主人公の家族はユダヤ人です。主人公の少年ポールの祖父(アンソニー・ホプキンス)は、子供頃母親に連れられてアメリカに移住。大変な苦労をして、それでも節約と勤勉さで、今はある程度の余裕を得ています。姓を伝えるだけで就職面接を断られてきた祖父は、孫の良き理解者でありながらも、やはり立派に成功して欲しいと思っています。

 さて、ポールは絵が上手で、将来は画家になることを夢見ています。それで、つい授業中に絵を描いていたり、ボーっとしていたり、少し問題児なところがあります。両親は教育熱心でいい人たちなのですが、空想好きの息子とはかみ合わず、お互いが空回りすること、しばしばです。この辺は、よくあることなんでしょうけどね。どちらにも悪気はない。どちらが間違っているわけでもない。でも、考えていること、価値観が違う。

 ちょっと普通からずれちゃってる(さほどでもないと個人的には思うが、先生には「鈍い」と言われていた)ポールは、黒人のジョニーと仲良くなります。彼は一年落第しているのだそうです。このジョニーも、実はいい子で、この後二人はいろいろな悪さをして、とんでもないことになってゆくのですが、私が見ている限りでは、ポールが主導していたと言えると思います。もちろん、ジョニーにも瑕疵があるのですが、そこは子供ですし、単に常に助けてくれる大人が周りにいたユダヤ人のポールと、誰も周りにいなかったジョニーの差が結局は人種差別につながるのであって、ポールが友を裏切るような選択を余儀なくされるのも、生きてゆくためのすべを覚える、という意味では、大人になって社会に順応してゆくために必要なステップだったのでしょうね。

 それでも、結局転校したエリート校になじめず、学校を支える有力者(?)の演説中に飛び出してしまうポールは、これからどう生きてゆくのでしょうね。でも、あんなに「私たちはエリートなんだ!」と叫ばれても、戸惑う気持ちもわかります。成功したOB(OG?)としてみんなの前でスピーチしていたジェシカ・チャスティン。強い女性が板についてきましたね。「努力しなさい。強い意志を持って生きなさい」と怖いくらいの表情で語っていました。まぁその通りなんでしょうけど。ジェシカはトランプ姓を名乗っていました。トランプ前大統領の姉だという話をどこかで読みました。話は史実らしいから、そうなんでしょうね。多大な寄付をしたかなんかで、同じトランプ姓の男性(ポールが飛び出したときにしゃべっていた有力者だと思います)が紹介されてました。前大統領の父親?よくわからないけれど、やっぱり成功する人って、押しが強いですね。私なんかは、そこで圧倒されるから凡人なのでしょうけど。

 日本でも同じような世界はあるのでしょうか。実感としてあんまりわかりませんでしたが、黒人少年が受ける理不尽な差別は、腹が立ちました。世の中って・・・。
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