「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキー監督が、「ハムナプトラ」シリーズのブレンダン・フレイザーを主演に迎えた人間ドラマ。劇作家サム・D・ハンターによる舞台劇を原作に、死期の迫った肥満症の男が娘との絆を取り戻そうとする姿を描く。
40代のチャーリーはボーイフレンドのアランを亡くして以来、過食と引きこもり生活を続けたせいで健康を損なってしまう。アランの妹で看護師のリズに助けてもらいながら、オンライン授業の講師として生計を立てているが、心不全の症状が悪化しても病院へ行くことを拒否し続けていた。自身の死期が近いことを悟った彼は、8年前にアランと暮らすために家庭を捨ててから疎遠になっていた娘エリーに会いに行くが、彼女は学校生活や家庭に多くの問題を抱えていた。
272キロの巨体の男チャーリーを演じたフレイザーが第95回アカデミー賞で主演男優賞を受賞。メイクアップ&ヘアスタイリング賞とあわせて2部門を受賞した。共演はドラマ「ストレンジャー・シングス」のセイディー・シンク、「ザ・メニュー」のホン・チャウ。(映画.comより)
<2023年4月14日 劇場鑑賞>
永らく見なかったブレンダン・フレイザーが、いきなり主演男優賞を取りましたね。彼と助演男優賞のキー・ホイ・クアンが共演していたという「原始のマン」を見た世代としては(笑)、放っておけません。ちなみに「原始のマン」では、ブレンダンが”エチオピア人”ということになっていて、とてもおもしろい映画でした。
この映画は上にある通り、彼氏のために家庭を捨ててしまった男が、恋人を失ってから暴飲暴食を繰り返し、巨体となって死期を悟ったところから始まります。なので、亡くなってしまった恋人はまったく映らず、また家を出た経緯も「彼氏と住むため」以上のことはわかりません。ただ、人前に出れないほどの巨体となってからは、道具がないと歩けないこともあり、引きこもっているようです。知的な男性なので、リモート授業の生徒はそれなりにいるようです。自分のカメラは”壊れている”として、映像は切ってあるわけですが。
難しいですね。ブレンダンの主張もわかります。結婚して家庭を築いた後で、自分が同性愛者だと気づくこともあるでしょう。人生を偽りなく生きるためには、彼氏との生活を選ぶ権利もあるのだろうと思います。私も妻としてなら認めるでしょう。しかし、人生経験の浅い子供たちはどうでしょう。同じように世の中のことを見て来ているわけでなし、父親を愛していたのなら、その心の傷はやっぱり大きくなってしまうでしょうね。口さがない連中もいるだろうし、皆が理解してくれるわけではないですからね。妻が「ええ、周りには”夫は家族を捨て、男と一緒に家を出ました”って言うしかなかったのよ」と言う場面がありますが、本当にそうだったのだろうと思います。どちらが悪いわけでもなかったけれど、結果的に家庭がボロボロになってしまったのですから、どちらも悪いのでしょう。難しいなぁ、と思いました。
ただ、ブレンダンは娘にコンタクトを取りたいとは思っていたようです。娘を愛していることに変わりはなかったでしょうから。ただ、連絡を拒否した妻の気持ちもわからなくもない。でも、ここはやっぱり接触を許すべきだったのではないのかな、と思います。
評価が高かったラストシーン、本当によくできていました。心にず〜んと響き、しばらく立てなかったです。さすがダーレン・アロノフスキー監督。見せますねぇ。秀作です。
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