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2022年06月04日10:21

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日本企業は情報の扱い方が下手^^;

サムスンに渡ったシャープ技術者「90年代から技術流出」
ものづくり記 シャープ・亀山工場��
2022年6月2日 2:00

サムスンにいったわけ
私がシャープを辞めてサムスンに行ったのは堺工場の赤字がすごかったにもかかわらず、サムスンのテレビ部門はもうかっている。技術者として単純に「なぜだ」という関心があったからです。シャープも他社のベンチマークをしていましたが、よくわからない。なら自分が「サムスンの懐にはいって知るしかないな」と思い、海を渡りました。

自分が当時していた仕事と会社の方針が違ったことも理由としてありました。堺工場はできましたが、亀山工場の仕事が半分くらいになってパネルを売らないといけないということで海外企業を含めていろいろな顧客を回っていました。

韓国LGなどは自社のメーンの42型ではなく、「堺の40型でも買いましょう。シャープ製パネルを使った新しいテレビのラインアップを用意します」とまで言ってくれた。そういう付き合いをしていましたが、でも韓国企業の内実はわからない。そのなかでもどうしてサムスンは強いのかを知りたく、飛び込みました。

厳格なセキュリティー管理
私はエンジニアとして役員の手前の首席エンジニア、日本で言う部長クラスの待遇で仕事をしました。まず驚いたのが厳格なセキュリティー管理。パソコンは社外に持ち出せません。持ち出そうとするとゲートの警報が鳴る。

会社で使う紙のなかには金属片が入っていて、コピーをする際もそのコピー機がその金属片を感知できなければ印刷できない仕組みになっています。もちろん書類を社外に持ち出そうとしたらセンサーが感知して警報が鳴ります。書類を机に山積みにしたまま帰宅するシャープとは大違いでした。

社員のスマートフォンも専用のアプリを入れてカメラを作動しないようにしなければならない。セキュリティーの専門部隊が常時見回りをしていて書類を放置していたりすると「警告」されます。

コストはシャープの6〜8割
シャープで作るパネル部分の原価ですが、材料費などで構成する変動費はシャープが10ドルほど高く、人件費や設備などの固定費は倍近く高かった。一方、偏光板や回路材料などサプライヤーから調達する価格はそう差がない。総じてサムスンはシャープの6〜8割の原価でパネルを作っていたわけです。

液晶パネルはパネルとパネル以外の部材を実装工場で組み立てますが、外部調達部材の価格はサムスンと遜色ないですが、シャープで生産しているパネルがサムスンよりコストが高いということです。

当時、シャープの幹部が「シャープのパネルは世界一競争力がある」と息巻いていましたが、それは全くの妄想だったということです。シャープのパネルの生産コストが高かったため収益が出なかったわけです。

装置メーカーからも流出
会社を追われた人たちが技術流出の担い手となったとよく言われますが、液晶技術の流出は1990年代からもう始まっていたと思います。サムスンとシャープは亀山工場ができる前から技術交流をしていました。

韓国に出張に行ったらシャープの上司が現地でいろいろ指導していました。日本の部材メーカーの技術者もよくサムスン社内で目にしました。シャープは市場投入するパネルのサイズをよく読み誤って在庫を抱えたりして損失を出していました。それをリカバーするために韓国や台湾、中国に行って技術のライセンス供与をして穴埋めしていたこともありました。

2000年に入ってから中韓勢が急速にキャッチアップしてきたわけではなくて、彼らが成長する素地はもうできていて、堺工場ができた当時は目と鼻の先ぐらいまで迫っていたわけです。

今では中国が韓国の人材を引き抜いています。韓国LGディスプレイから中国に多くの人材が流れている印象です。中国でパネル最大手になった京東方科技集団(BOE)にはLGが、華星光電(CSOT)にはサムスンの出身者が多いです。中国企業の開発リーダーが韓国人ということも珍しくありません。

あと、装置メーカーからも技術は流れます。装置メーカーもシャープだけに装置を納めていては投資回収はできません。投資回収するには多くの企業に装置を売る必要があるのです。成膜や電圧の条件、ガスの流量などのレシピと一緒に装置が流れれば、機械を並べるだけでパネルはできてしまいます。日本の装置、部材メーカーのエンジニアも現地で顔を合わせたことがあります。

日本をはじめ韓国でも政府が技術流出のための施策を打ち出していますが、効果は疑問です。韓国では海外から技術者を受け入れることは当たり前のようにどこもやっています。サムスンでは傘下の大学で2カ月間みっちり韓国語を学習します。学費はサムスンが負担し、10人に1人、グローバル・ヘルプ・デスクと呼ばれる人がいて生活に困らないように身の回りのことをサポートしてくれます。

シャープはランク外
サムスンはライバルの動向もよくチェックしています。シャープの幹部は当時、根拠もなく「シャープのパネルは世界一だ」と言っていましたが、このあたりのリサーチもしっかりやっています。サムスンはベンチマークすべきライバル企業をリストアップしていましたが、私が在籍していた当時ですら、そのランキングにシャープをはじめ、日本の企業の名前はありませんでした。

LGはもちろん最大のライバルに据えていましたが、海外メーカーではようやく台湾の群創光電(イノラックス)や友達光電(AUO)などが入っていた感じです。日本企業の出身者は尊敬はしてくれましたが。

サムスンとはパネルにかける陣容に大きな差があります。私が在籍してた当時のサムスンディスプレイの従業員は2万5000人を超えていました。一方のシャープの陣容は堺のSDPはじめ全拠点をあわせても現時点で5500人。サムスンは当時、研究開発(R&D)部門だけでも2000人近くいました。

工場のワーカーはほとんどが20代の女性たち。人件費を下げるために若い女性を使っていたとの印象があります。

研究開発は「現場」「先行開発」「研究所」のレベルでそれぞれ1年後、2年後、それ以降のテーマを追いかけていました。すでに液晶の先を見据えて有機ELの開発にも着手していました。各部門間で出てきた要素技術を束ねて一つの商品やサービスに仕立てる取り組みも熱心でした。部門をまたいだ「アイデア出し会」も頻繁にやっていました。

基礎研究には危機感を抱いているみたいでした。ノーベル賞が韓国から出ていませんし。ただ博士は多くいます。博士だと待遇もいいですし、活躍の場もありますから。

退職後2年間所得補償処遇
私が移籍したばかりの時は(シャープのエンジニアとしての)市場価値がさがっていたのですが、年収の1・5倍はもらえました。中国だと2〜3倍の収入が得られると思います。

絶対成果主義で競争は激しいですが、役員クラスになると世界が変わります。車がもらえ、年収は3000万〜4000万円。トップクラスになると億単位です。ただ、成果が出ないと「明日から会社に来なくていい」とクビを宣告されます。

サムスンには毎年10万人くらい入社試験を受けるようですが、会社特典がいろいろあります。グループの百貨店やホテルなど社員割引が利用できます。子供の教育費も大学まで会社が出してくれるとのことです。傘下企業に出されると格下げみたいな気持ちを抱く人が多いです。成果を出した人には相応のインセンティブもあるので必死になって働きます。

社内で激しい競争がありますが、役員は退職後2年間は所得が補償されます。クビにしてそのまま投げ出すと収入減を補うために他社にいって技術を売る人が出てくるのを防止する狙いもあるのではと思います。会社都合でリストラされて他社に移り、技術が流れる日本のメーカーとは違い、そのあたりの対策もしています。

技術に対する関心の高さと重要性、技術者に対する処遇など、日本の企業とは雲泥の差があります。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC181MO0Y2A510C2000000/
>シャープは市場投入するパネルのサイズをよく読み誤って在庫を抱えたりして損失を出していました。

マーケティングが下手だったと言う事です。
情報の流出だけでなく、流入する情報の取捨選択にも失敗していたのです。

日本産業の発展には、ハードな技術分野だけでなく、セキュリティを含む情報管理のソフト分野にも課題が残ってます。
海外の経営を早急に学ぶべき時が来てます。
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