「更年期では?」と来院した患者にうつ病が意外と多い。
「初老期うつ」という加齢で発症するタイプがあるからね。
たいてい「やらなきゃいけないこと」があるのに「からだが動かない」とか
「いつもやっていること」なのに「考えるだけで疲れて」できない。
ので「そうだ更年期に違いない」と思うらしい。
…その発想もおかしいんだけどね。
更年期って「今まで順調だった生理が感覚がながーくなってくる」のが特徴なので。
つまり「順調に生理」がきているのは「順調に卵巣のホルモンが出ている」からで、
卵巣の加齢によって順調にホルモンが作れなくなれば、まず
「順調だった生理がなかなか来なくなる」はずなので。
で、生理は順調だけど「なんだか体動かない」患者さんの話を聞いて、
「それは初期のうつ病」ですよ、と申し上げる。
そして「精神科に早めに受診」してください、と答えると、
「心が弱いんですね」「もっと頑張れば大丈夫ですね」と言う。
…そうじゃないってば。
うつ病はれっきとした精神の病で、
症状は似てても「風邪と新型コロナは違う」のと同じく
専門医と専門治療が絶対に必要だ。
なぜかと言えば、うつ病の症状に「自殺」があるから。
本人は死にたくないのになぜか「どうしても死なないとならない」となってしまう。
産後うつで、かわいい赤ちゃんを連れて心中しちゃうお母さんと同じです。
治療しないと死んでしまうことがあるのだよ。
そういうと「心療内科でいいですか」と言うので「せ、い、し、ん、か」と答える。
心療内科は「内科」なので、心の病であるうつ病は専門外だ。
おためごかしに安定剤くらい出すかもしれないけど、
そんなもんでうつ病がよくなるわけがないのである。
少し前に「更年期障害女性に助産師がホルモン剤投与」できるように!
みたいなキャンペーンがあってね。
「女性の一生に寄り添う」とかなんとか言ってたけど、
ちょっと更年期障害みたいに見える状態の中にはいろんな病気が含まれててね。
たとえば不整脈とか関節の腫瘍とか上に書いたうつ病とか。
どれもうっかり悪化すると死んでしまうので、
とりあえずホルモン剤投与してーでは間に合わない。
医者じゃないんだから医者みたいなことしたがるなよな。
それはともかく。
うつ病は甘くみたらあきまへん。
きちんと専門科である精神科に受診してください。
「うつ病は頑張れば治る」が危険な理由…うつに関する5つの誤解【医師が解説】
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=77&from=diary&id=6917394
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