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2022年02月28日08:39

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映画「ウエストサイド物語」

ナタリーウッドが出ている1961年のやつね。
DVDが家に見当たらないのでアマゾンで買ったらすげー高かった!
で、中身ですが。

1)昔のほうは「ミュージカルの舞台をなるべくその雰囲気で映画にした」もの。
場面が変わるとき「暗転」するし、セリフは多くなく、
ほぼ画面の流れで想像させる。余計な説明がないんでわかりにくいともいえるけど、
もとが有名なミュージカルだからもとの話を知らないで映画だけ見ないだろう。
今回の映画はとにかくセリフが多くて物語がわかりやすいけど、
前映画はセリフ少ないぶん踊りのシーンがものすごく雄弁。
ワシが「これぞこの映画の売り!」と思って覚えていた。
3人の足の長い少年たちが「Y字バランス」のように片足を上げてシンクロするシーンは、
ジェット団に脅されて逃げた3人のシャーク団が裏道で踊ったものでした!
なんかジェット団が踊った一部かと勝手に思ってたのでした。

あとでまた書くけど、今回の映画は説明多い!
わかりやすいけど、なんか理屈っぽい印象でした。

2)「クレイジーボーイ」の歌が出てくるタイミングが違った。
今やっている映画では「シャークとけんか」すると言うリフが銃をもっているので、
トニーが「銃なんかやめとけ」と取り上げるのを取り返すシーンで、
お互いに「クレイジーじゃなくクールにいこうぜ」と言い合うとこに使われる。

1961年版では、けんかが終わってなんとなくしゅんとしたジェッツが
サツに見つからないように逃げ込んだでかい車庫(修理工場?)で
「これじゃ終われない、リフの仇をとろう!」と一瞬盛り上がるのを
次のリーダー格が止めるシーンで使われてた。
だから歌いながら誰かが「やっぱり!」みたいに駈け出そうとするのを
周囲が抑え込む動作をし、最後に全員で「理不尽だ!」とばかり夜空を見上げる。

今の映画の使い方のほうがおしゃれだしリフの性格というか、
トニーを兄貴とは思うけどちょっと方針が違うみたいな感じがよく出ている。

3)今回の映画ではダンスシーンで女性のスカートがひらひらで、
「おパンツ丸見え」なのが多くて気になった。
スカートと同じ色で、フィギュアスケートの衣裳みたいなもんですが。
で、昔はそうじゃなかった、というので注意して見たが、
衣裳としてひらひらスカートならやっぱり回旋すればおパンツ見えますね。
ただし、昔の映画は衣裳がけっこうバリエーションがあって、
ダンスフロアシーンでも下スカート重ねたふわふわスカートじゃなく、
マーメイドタイプとかフレアタイプとかあって、そういう場合は
見せたくてもおパンツは見えない。サブリナパンツの女子もいた。
今回の映画では全員ふわふわひらひらスカートを
まるでフレンチカンカンみたいに振り回している。
映画だと「ムーラン・ルージュ」みたいな感じに見えた。
…もしかしてオマージュなのか?

4)今回の映画でトニーがけんかに消極的な理由は
「ムショから出たばかり、仮釈放だから」何かあるとまたムショだ、と
リフに自分で語っている。「もうムショはいやだよ」と。

昔の映画ではそのセリフはなかった。
もしくはあったとしてもさらっと、で残らない。
だからかえって、リフがベルナルドに刺されたときに
トニーが思わずナイフを手にしてベルナルドを刺してしまうのが自然に見える。
マリアに「けんかを止めて」と言われてきたけど、
目の前で弟分が殺されたのを黙ってみていられないのが若さってもんだ。

今回の映画では「もうムショはいやなんだよ」と言ったトニーを
いやいやながらも認めたリフは、おそらくトニーがナイフを持つのを望んでない。
それなのになんで?と画面を見ながら思った。

…まあどっちが好きかは個人の好み、ってことでね。
ワシはどっちもそれなりのよさがあると思いました。
今の映画はスピルバーグの「細かいとこ説明せずにおかない」オタク精神満載なので、
今の時代にはこっちが受けるかもね。
前の映画はある程度のストーリーの知識と想像力が必要です。

追記;
今回は「これってホントの主人公は生命力の強い女(たち)だよなぁ」と思った。
実は前回の映画でも「アメリカ」のあたりでそう思っていたんだが、
なぜ今回はその感じが強いのか?と思ったら
1)トニーが働く「ドクのドラッグストア」の主人が女性で、白人と結婚したプエルトリコ人という設定。
2)アニータが前の作品より「大人の女性」な設定。
このふたつによるのだね。
あっちが悪いのこっちの縄張りだのとさわぐ男どもを後目に
まじめに仕事して条件悪いアメリカでなんとか生き延びようとしている女性たち。
根拠のあるその生命力が、今回の映画の画面からあふれ出るのだな。
プエルトリカンの上に、まだ女性の社会的地位が低い時代のアメリカだもの。
うんとうんとがんばる気持ちがないなら暮らしていけないし、来ない。
男はいつも夢ばかり語るのは、今も昔も同じです。

上記した追記の追記;
「ホントの主人公は女」と思った理由が、実はもうひとつあってね。

最初から考えてはいたけど、書こうかどうしようかさんざん迷って、
で、書くことにしました。

それは
「マリアが生き残った」こと!
ロミオとジュリエットを素材にしてるなら、マリアは死んで当然。
チコから銃を奪ってみんなにつきつけて、
そのまま自分を撃てば死ねたのに、そうしなかった。
トニーは「マリアが死んだ」と聞いたとたんに飛び出して、
街のどこかにいる銃を持ったチコに
「オレはここにいる、オレを殺せ!」と大騒ぎ。

これが男と女の違いなんだな、と思った。
「アメリカ」のシーンでも、男は「もう国に帰ろうかな」と歌う。
国に帰っても何もないけど、自分の父親と同じ飲んだくれのろくでなしになれる。
女房を殴って「俺様がご亭主だ」という顔ができる。
女は、母親と同じ、子を産み続け働き続け夫に殴られ続ける人生がいやだから、
給料が安くこき使われて人種差別を受けても
「自由がある」アメリカに生きることを選ぶ。

女はすごいわ、ほんとに。
マリアはこのあとものすごい女になりそうな予感がした。


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