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2020年11月26日16:49

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行き止まりの世界に生まれて(Minding the Gap)

 閉塞感に満ちた小さな町で必死にもがく若者3人の12年間を描き、第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた作品。かつて栄えていた産業が衰退し、アメリカの繁栄から取り残された「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」に位置するイリノイ州ロックフォード。キアー、ザック、ビンの3人は、それぞれ貧しく暴力的な家庭から逃れるようにスケートボードに熱中していく。スケート仲間は彼らにとって唯一の居場所であり、もうひとつの家族だった。そんな彼らも成長するにつれ様々な現実に直面し、少しずつ道を違えていく。低賃金の仕事を始めたキアー、父親になったザック、そして映画監督になったビン。幼い頃からスケートビデオを撮りためてきたビンのカメラは、明るく見える3人の悲惨な過去や葛藤、思わぬ一面を浮かび上がらせていく。そんな彼らの姿を通して、親子、男女、貧困、人種といった様々な分断を見つめ、アメリカの知られざる現実を映し出す。(映画.comより)







 少し前に見た「mid90's」にそっくりな映画。かの映画は俳優ジョナ・ヒルの自伝的映画だし、今作は実際にアジア系の男性が撮影している12年に渡るドキュメンタリー。「シンクロ・ダンディズ」と「シンク・オア・スイム」みたいに同じ題材で違う国が同じような映画を作った、ってことでもないだろうに、同時期に日本に来たんですね。

 「mid90's」もよくできていたけれど、今作はドキュメンタリーならではの現実感が感じられました。それは少し前のフランス映画「レ・ミゼラブル」にも似た閉塞感。格差社会の中で、もがくように生きる彼らは、スケートボードに青春を見出し、仲間と共に楽しめる時間を持てたとしても、それだけで人生は送れない。生活はしなきゃならない。ままならないまま仕事を探し、うまくいかず、愛する人と家庭を持ったとしても、またまた男も女も心がすさむ。親にDVを受けてきたというけれど、親だってきっと受けてきたんだろうと感じさせる環境。社会の根深さを感じます。

 それでも、人は生きるか死ぬかしかないのです。生きている以上、生きてゆくしかないのです。表現が変でごめんなさいね。言わんとすることがわかってもらえるでしょうか。でも、彼らはまだ若い。運動神経もすぐれているし、五体だって満足だ。あるものを数えて、前を向くしかないのです。自分を含め、みんなそうなんだろうけれど。
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