政府が年末年始の感染防止指針
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=6304083
COVID-19のワクチン開発は誰もが初めて。仮に開発がうまくいったとしても、ワクチンの効果の大小や継続期間、副反応の有無など、未知数の点もまだまだある。
国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターで自身もCOVID-19のワクチンの開発に取り組む長谷川秀樹センター長に、世界で開発されているワクチンの種類と、それぞれの特徴を聞いた。
そもそもワクチンって何?
ワクチンは、病原体(病気を引き起こす細菌やウイルスなど)の特徴を前もって私たちの身体の免疫システムに覚えさせるためのものだ。
うまく免疫システムが病原体を“記憶”することができれば、体内に病原体が侵入してきたときに、その記憶を頼りに、病原体を攻撃する「抗体」を多く作り出すことができる。
こうして、ウイルスの感染や病気の発症を予防したり、重症化を防いだりすることができるわけだ。
一般的な4種のワクチンとは?
風疹ワクチンやインフルエンザワクチンなど、現代で既にヒトに接種されているワクチンのタイプは主に4種類。どれも、ウイルスそのものや、ウイルスの構造の一部(タンパク質)を体内に投与することで、免疫システムにウイルスの特徴を覚えさせている。
順番に見ていこう。
1.弱毒化ワクチン
弱毒化ワクチンとは、いわゆる「生ワクチン」とよばれるもので、生きたウイルスそのものを使う方法だ。
ウイルスをそのまま投与する以上、病気の症状が現れる可能性がある。
そこで、培養を繰り返して毒性の弱くなったウイルスが、ワクチンとして使用されている。ただし、いくら毒性の弱いものを選別したとしても、副反応として症状が出てしまう場合はある。
弱毒化ワクチンは効果が持続しやすい傾向があり、中には生涯で1〜2回接種するだけで、十分な予防効果が期待できるものもある。
新型コロナウイルスのワクチンとして開発する上での課題は、ウイルスの培養技術の難しさにある。ウイルスを培養する手法が十分高度に確立されていなければ、弱毒化したウイルスの選別を行えないからだ。
また、新型コロナウイルスは、BSL-3(Bio Safety Level-3:病原体の管理レベルのうち、上から2番目に厳しいレベル)の施設で扱わなければならない。ウイルスを扱える施設が限られるため、どこでも開発できるわけではない。
加えて、新型コロナウイルスは無症状から重症まで症状の幅が広く、弱毒化したウイルスの選別が難しいというのが、長谷川センター長の見解だ。
2.不活化ワクチン
不活化ワクチンは、薬剤処理をして、感染・発症する能力を失わせたウイルスを投与する方法。
ウイルスに感染性が無くても、ウイルス自体を投与することで免疫システムにウイルスの構造を記憶させることができるのだ。弱毒化ワクチンに比べ副反応が少ないと考えられている一方で、免疫が維持される期間は比較的短く、期間を空けて複数回接種しなければならない場合もある。
ウイルスそのものを使うため、弱毒化ワクチンと同様に、限られた施設でないと扱えない点が開発の課題といえる。
実用化事例:インフルエンザ、日本脳炎、ポリオなど
3.組換えタンパク質ワクチン
組換えタンパク質ワクチンは、ウイルスの構造の一部(タンパク質)を培養細胞や酵母を使って生産し、そのタンパク質を注入する方法。弱毒化・不活化ワクチンと比べて、ウイルスそのものを投与しない分、副反応が起こりにくい。
課題は、投与したときに免疫がうまく機能するタンパク質を見つけることができるかという点と、 ワクチンの効果を高める「アジュバント」という成分が必要になることがあるという点だ。
投与するタンパク質の種類によっては、免疫システムがうまくはたらかない場合も考えられるという。
実用化事例:B型肝炎、百日咳、破傷風など
4.ウイルス様粒子ワクチン
ウイルス様粒子ワクチンは、酵母などにウイルスの「殻」となるタンパク質だけを作らせ、遺伝子をもたない “ウイルス”を投与する手法。作り方や特徴は、組換えタンパク質ワクチンに近い。
実用化事例:HPVワクチン(いわゆる子宮頸がんワクチン)など
これら4種類の手法は、以前から存在する感染症に対するワクチン開発で実績がある。
しかし通常、開発には10年近くかかることが珍しくなく、新型コロナウイルス用のワクチンを開発するまでに、数年はかかると見込まれている。
5.ウイルスベクターワクチン
ウイルスベクターワクチンは、無害なウイルス(アデノウイルスやセンダイウイルス)を新型コロナウイルスの遺伝子を運ぶ「運び屋(ベクター)」として利用する手法。ウイルスとともに体内に運ばれた遺伝子からコロナウイルスのタンパク質が作られ、免疫が獲得されることになる。
実際のウイルス感染に近い状態を再現するので、効果は高いと期待されている。ただし、運び屋であるウイルス自体が免疫によって排除される懸念がある。
6.DNAワクチン
DNAワクチンは、新型コロナウイルスの遺伝子を含むDNAを直接投与し、体内で新型コロナウイルスのタンパク質を作らせることで免疫システムを活性化させる手法。
DNAを合成すること自体は比較的簡単なので、開発スピードやコスト面で非常に優れている。その反面、ヒトの体内で適量なタンパク質を作れるか、また体内にDNAが残存する影響が不安視されている。
7.RNAワクチン
私たちの体内では、DNAからタンパク質が作られるときに、一度RNAという物質を介する(DNA→RNA→タンパク質の順で作られる)。そこで、はじめから新型コロナウイルスのタンパク質を作る過程で作られる「RNA」を投与することで、DNAワクチンと同じような効果が得られると考えられている。
ただし、RNAは非常に壊れやすく、ワクチンとして注入するときには脂質などでコーティングする必要があるなど、技術開発が求められる。また、保管時にはマイナス80度で管理する必要があり、輸送も含めたインフラ整備の問題も残る。
遺伝子ワクチンや次世代型ワクチンは、どの国でも比較的早めに開発が進んでいるものの、これまでに紹介していた通り、効果や安全性に不明瞭な点が懸念といえる。
開発スピードは上がっても、効果や安全性の検証は慎重に行う必要があるだろう。
ワクチンがあっても感染予防は難しい?
「現在開発中の方法は注射によるワクチン接種で、血液を介して作用することで重症化を防ぐ役割はあると思います。一方で、感染経路である上気道(鼻や喉など)には届きにくいので、感染予防までは難しいかもしれません」
国内では未承認ではあるものの、インフルエンザワクチンには鼻に噴霧して上気道の粘膜に存在するウイルスを撃退し、感染そのものを抑える「経鼻ワクチン」が存在する。
まずは注射するタイプのワクチンの実用化を優先すると考えていながらも、ゆくゆくは新型コロナウイルスに対する感染予防効果が期待できる経鼻ワクチンの開発も検討している。
ログインしてコメントを確認・投稿する