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2020年10月10日18:02

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学術会議問題・・・

 今月1日、日本学術会議(学術会議)の新会員について、
 同会議が推薦した会員候補のうち6名を菅義偉首相が任命しなかった事が、
 明らかになりました。
 既に1週間以上が経過し、
 様々な角度から論じられていてご承知の方も多いと思いますが、
 僕は、この問題は、菅政権の強権的姿勢が早くも表れた問題だと思っています。

 菅総理は、内閣記者会のインタビューで、
 「推薦された方をそのまま任命してきた前例を踏襲してよいのか考えてきた」と
 語っています。
 これは無茶苦茶な話で、例えば内閣総理大臣を決めるのは国会ですが。
 実際に任命するのは天皇であるのが憲法の規定です。
 学術会議についても、会議の推薦に基づき内閣総理大臣が任命する事になり、
 任命権者の意思が入らない事は、法律制定の際の国会答弁などで明らかで、
 これが法律の有権解釈でした。
 法的根拠があったり、政府解釈が示されてきた手続きを
 「前例主義を打破するため」という理由で変更することは、
 著しく法的安定性を欠くもので、
 総理大臣が変わったら総てがチャラになってしまう事になります。
 解釈を変更する場合には、それなりの合理的な理由が必要で、
 その理由を明らかに出来ないのは、合理的でなく恣意的なものだからでしょう。

 この6名の方について、
 例えば毎日新聞は
 「安全保障関連法や『共謀罪』を創設した改正組織犯罪処罰法を批判してきた学者が
  複数含まれている」ことを指摘し、政治的意図があるという見解を示唆しています。
 また東京新聞は直接的に、
 「政府の意に沿わない人物は排除しようとする菅政権の意図が浮かぶ」と
 解釈しています。

 自民党の総裁選の時の、フジテレビの番組で、
 菅氏は
 「私どもは選挙で選ばれているから、何をやるという方向を決定したのに、
  反対するのであれば、(その官僚)は異動してもらう」と語っています。
 石破氏は「異動させることはある」とした上で、
 「でも、その人が反対したことも自分の信念に基づくものであれば、
  その後不利な取り扱いをしてはいけない。
  組織全体が萎縮してしまう」と述べています。
 どちらが妥当な答えかは、明らかだと思います。
 国家公務員は、政権の奉仕者ではなく、国民全体の奉仕者です。
 森友学園で、自殺に追い込まれた赤木さんは、
 「私の雇い主は日本国民。」と言っていたそうですが、
 それがあるべき姿であって、
 官邸の意向を忖度するような官僚ばかりでは、国の行く末が危ぶまれます。

 僕は、今回の任命拒否の問題は、
 菅総理大臣の国民に対して、
 政権の意に沿わぬ者は排除するとの恫喝だと思っています。
 それは単に、学者に向けて脅しているだけでなく、
 官僚たち、さらには経済界など多くの人々への恫喝であり、
 更に進むと非国民とのラベル貼りまで進みそうな気がしています。

 この問題が起きてから、学術会議に対して様々な批判や中傷が出ています。
 フジテレビ報道局解説委員室の平井文夫上席解説委員が、
 「死ぬまで年金をもらえる」と誤った説明を行ったり、
 最近では、
 「学術会議は、日本の防衛研究は認めないが、中国の軍事研究には参加する」などとの
 出所不明の噂がネット上で広がっているようです。
 安倍政権から官邸官僚を引き継いだ菅政権ですから、
 こうした事は官邸の情報操作ではないかと思ってしまいます。

 菅総理は、昨日のインタビューで、
 「学術会議の役割に関心が集まっている。
  これを機会に学術会議の在り方がいい方向に進むようなら歓迎したい」と述べ、
 学術会議の見直しを行うような意向を示しています。
 もちろん、これは明らかな問題のすり替えです。
 今回の自らの恫喝から国民の目を逸らそうとするためのものでしょう。

 菅総理は、就任前から「庶民派」とか「苦労人」、「パンケーキ好き」など、
 ソフトなイメージでムード作りをして来ました。
 しかし、今回の問題で、その強権的な体質が現れたのだと思います。

 今回の出来事で、墨染めの衣の下の鎧という言葉を思い出しました。
 平清盛が武装姿で後白河法皇を攻めようと軍勢を集めた所に、
 長男重盛が諫めるために訪れ、
 これに慌てた清盛が鎧の上に墨染めの法衣をまとったとの話です。
 平家の政権は、清盛の行き過ぎを諫めて来た重盛が亡くなってから、
 暴走して、やがて滅ぼされるのが、平家物語などの筋書きですが、
 やはり政治は、行き過ぎを正す人がいないと暴走するものだと思います。
 今回の菅総理の恫喝は、諫める人を排除しようとするもののように感じられます。
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