奥多摩から帰宅した翌日は千葉の山へ。
その山の名前は音信山(おとずれやま)。
千葉の山の生き字引内田栄一さんの名著「房総山岳志」には、このように書かれています。
古来ほととぎすの名所として知られ、鎌倉時代の和歌集「夫木抄」に有る「時鳥たづねきたれば今こそは 音信山のかひになくなり」「来りてや音信山の時鳥かたらふ声はうはの空にて」の二首で著名である。
またこのような記述も有ります。
永観元年(平安時代)、比叡山の大僧正覚運が国家隆昌を地蔵菩薩に祈念中、夢に時鳥の導きで、遥かな山川を抜歩して或る山中の不思議な霊地にたどり着いた。
地蔵菩薩にその名を問うと、これぞ総州第一の名山三かさね山(三重山)なりと聞き、夢が醒めた。
覚運は、その後三重山に訪ね来て堂宇を建て、鈴音が本山の比叡山まで達する宝鈴を納めた。
これを「音信の鈴」と呼び、山は音信山と号するようになった。
夫木抄というのは知らなかったし、また比叡山にまで音が届くかどうかは不明ながら、古来よく知られた山だったようです。
しかし、現在この山に整備された登山道は無く、唯一のこれを除いて本などにもルートの紹介は殆ど有りません。
今では忘れ去られた山…というどころでしょうか。
山頂直下を林道が走っており、ここからのアクセスという事になります。
そんな現状でも、その名前の響きにひかれて、いつか行ってみたいと思っておりました。
鉄道利用だと、最寄り駅は小湊鉄道上総久保駅。
と言っても、ここが便利と言える程でもありません。
そして本数の少なさも有り、鉄道利用にしたら他にどこも行けないかもしれません。
という事でクルマで行く事にしました。
では、後は何処に行くか…
先ず思いついたのは木更津の浸透実験池、昨年6月の日記に書いた、所謂「木更津フィッシュアイ」です。
アクアライン連絡道の側道となるR409兼410(共用区間)から、クルマ1台がやっとの狭い道を走っていくと、道路上ではここが浸透実験池に一番近い場所のよう。
コンクリ土手から覗きこんでみると、富士山を遠望出来ますが、すぐ目の前に見えるのは一面の湿地帯…
まともに歩けそうもありません。
ここからでは難しいか…
しかしナビの画面によると、すぐ南を流れる小櫃川と車道の間にもう1本道が有るよう。
こちらはもっと先まで繋がっていそう。
その道の入口はすぐに見つかりました。
しかし川原でその道は終わってしまい、あとは道らしき物は有りません。
さて…
先ほどの感じだと、フィッシュアイに当たる浸透実験池周辺は概ね湿地帯のよう。
その場まで行っても、地上からはフィッシュアイに見える訳でもなく…
わざわざ困難をおして行く事も無いか…
後で調べると、入って行ける場所は有るようです。
その入口の場所も分かりました。
しかしやはり湿地帯で歩くのも困難のよう。
そしてフィッシュアイまで行っても、こんなだそうですから…
ここまでにしておくか。
次は音信山、高滝ダム方面へ向けてクルマで移動します。
JR久留里線馬来田駅から、県道168号鶴舞馬来田停車場線線を東へ向かいます。
以前、真里谷城址へ行った際に通った道です。
この辺りだな…
そう思った辺りに現れたトンネルの名前が音信トンネル!
おぉっ!
ついに!
とりあえず高滝ダムの駐車場にクルマを駐めて歩きだしました。
この地図によると、この小山が山口城址だそう。
目当てはここです。
先ほどの音信トンネル上を林道音信山線が走っており、ここへ登って行く事が出来るよう。
県道から分岐を入って行くと、駐車場のような広場になっています。
この手前には滝の案内が出ていたので、こちらも覗いてみます。
「山口の不動滝」
一時と異なり晴天が続いている為か、水量は少ない…
観光の対象とするには、周囲の整備も含めて、心許ない印象です。
もう少し水量が有れば、滝自体は上品で趣が有りそうです。
さてと、この広場の先から登って行くんだろうな…と思いましたが、それらしきルートは見えません。
或いは、この地図の後に駐車場のような広場がつくられ、その際に埋まってしまったのかも?
その先はまだ有るかもしれませんが…
林道自体に直接向かう事にして、クルマに戻りました。
北側から林道に入り、先ずは南へ向かいます。
クルマ1台分の幅ですが、林道だけあってクルマを駐めるスペースはあちこちに有ります。
三叉路で林道音信山線に合流して今度は北西へ向きを変えます。
やがてナビに音信山の名前が見えてきました。
クルマを駐め、ここからは歩きで向かいました。
どうやらコレらしい…
(写真撮り損ねたので、ネットで拾ってきた)
林道との高低差は10mくらい?
そして登るとすればこの辺り…と思えば、テープのマーキングが有りました。
おっ、やはりここだ!
…と言いたいところですが、林業の関係でしょうか、周囲にも同じようなマーキングがそこかしこに有ります。
先のマーキングが入口を示したものかは不明です。
しかし左右を見ても、ここより入り易そうな場所は見当たりません。
ここから音信山に分け入りました。
10mくらい進んだところで、一面の藪藪藪!
踏み跡らしきものも見当たりません。
ネットで見た写真より、藪が成長しています!
これはほととぎすどころではないな…
林道など無い時代の話ですから、おそらくほととぎすの名所というのは、里から近い裾野の話でしょう。
残念ながら現在の音信山、三重山、安場山の一帯は林道と藪の山というのが実情でした。
ここも撤退する事にしました。
鳴かぬなら
何処にいるのか
ほととぎす
踏み跡ばかりか
姿も見えず
既に1300くらいになっていたので、昼食の為に亀山ダムへ向かいました。
目当てはダムカレー…
しかし「いのししカツ定食」に目がいき、こちらを戴きましたp(^-^)q
食後は南房総市の道の駅おおつの里へ。
この近くの宮本城址から滝田城址への尾根道ルートが有るらしいのですが、宮本城址や道の駅が有る地区は西北東を山で囲まれており、富浦方面だけが開いています。
東や北の山を越える道やトンネルは有りますが、随分狭いよう。
その下見も兼ねて…と思っていました。
東側の犬掛から行こうと思えば通行止め。
仕方無く富浦側へ回ります。
こちら側からは道の駅へ来れました。
この道を真っ直ぐ行けば、先ほどの犬掛ですが、もちろん通行止めです。
館山道の西側には昨年歩いた木ノ根峠から富浦へ向かう道が有ります。
この道に出て北に向かいましたが、木ノ根トンネルは通行止、少し手前で岩婦湖方面へ分岐する原田山トンネルも通行止でした。
仕方無い…
南へ戻ります。
暫く行くと、西に真新しいトンネルが有りました。
使われている気配は有りませんが、別に通行止になっていません。
こちらに進むと、2つ目のトンネルの名前が豊岡トンネルでしたから、先週行き損ねた岡本城址近くに行けるのでしょうか。
しかし豊岡トンネルを越えた数百mほどで道は終わっていました。
まだ工事中の道のようです。
しかし気になるのは、左に分岐した狭い農道…
クルマで走るのは心許ない幅ですが、ひょっとして先週七面山に行く際、反対側から歩き、すぐに引き返した道では?
その時も、農道の先に新しい工事中の道が有る!と思っていましたが、その工事中の道から見たのが正にコレのような?
ナビには全く出てこない道ですが、あとで調べたらビンゴでした。
つまり、さきほど道が突き当たったのは内房線の築堤手前であり、もう数百m先でR127にぶつかる訳です。
なんにしても今のところはこちらも通行出来ない訳で、結局富浦へ戻りました。
後で調べると、宮本城址の南側に谷間の道が東へ向かっているようですが、谷間であれば尚更通行止の恐れが高いでしょう。
おおつの里一帯は、現状では富浦方面しか行く事が出来なさそう。
宮本城址〜滝田城址探索はまだ厳しそうです。
そんなこんなでこの日はハズレばかり(。>д<)
もう夕方となったので帰路につきました。
豊岡海岸では逢島(おうしま)と夕日、金谷では半分閉塞トンネルに寄り道しました。
君津の辺りで斜め右の空に真ん丸の月が!
(もちろんクルマは停止中)
そうだ!
以前から考えていた帰り道を試してみよう!
この辺りから帰路に使うのは館山道かR127ですが、R127だと千葉市周辺で渋滞に合う事も珍しくありません。
千葉県の海岸線は富津市辺りは西へ、千葉市辺りは東へ寄っていますから、内房側の帰路は先ずは北東に、次いで北西へ向かわざるを得ないのです。
では外房側からの帰路は?
向きとしては、こちらはずっと北西に向かうので遠回りではないですが、内房側と合流して渋滞する前に北へ迂回出来ないだろうか?
そして今回試してみた結果、茂原街道や大網街道、R297方面から帰る場合には大いに役立ちそう!
ハズレばかりの日でしたが、これは唯一のアタリです(*^^*)
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