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2018年01月08日15:22

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はじまりの街(La vita possibile)


 

「幸せのバランス」「われらの子供たち」のイバーノ・デ・マッテオ監督が、家族という題材を通して社会の現状を映し出していく人間ドラマ。主演は「母よ、」のマルゲリータ・ブイと、「レインマン」のバレリア・ゴリノ。アンナと13歳の息子バレリオはスーツケース1つを提げ、ローマから親友カルラが暮らすトリノの街へと移り住む。夫のDVから逃れ、見知らぬ土地で新たな生活を切り開くため仕事探しに焦るアンナと、ひとりで寂しい時間を過ごす息子バレリオとの溝は深まっていった。どんな逆境にもめげることのない母、そして健気な息子、そんな2人を陽気なカルラ、近所のビストロオーナーがあたたかく見守っていく。(映画.comより)







久しぶりに都会まで出て上映館数の少ない映画を鑑賞しました。いい映画でしたけど、あ〜生きるってせつない。つらいなぁ。それが正直なところ。でも、それが現実。がんばるしかないのです。

主人公のアンナ(ナンニ・モレッティ監督の「母よ、」の主演女優。あの映画も結構つらかったね、女性には)は、DVの夫から逃れるために、親友カルラ(「レインマン」でトム・クルーズの彼女だった人!)を頼ってトリノの街に引っ越してきます。冒頭、接近命令を受けているはずの夫が家まで来て「このやろう。バカな女のくせに告げ口しやがって」と言って妻を殴り続け(最後には腹部を強く叩かれ、アンナは倒れ込む)、ちょうど帰ってきた息子ヴァレリオがショックでお漏らしをしてしまうシーンがあります。引っ越し当時は13歳と記述がありますが、さほど時間をおかずに夫から逃げたような描写でしたので、それくらいの年齢だと思います。悲しすぎて涙が出そうでした。

トリノに住む親友カルラは快く二人を住まわせてくれます。女一人で住んでいたのですから、3人で住むには狭いです。でも、職が見つかって落ち着くまで、という約束で。当然ヴァレリオは学校へ行かなきゃいけないのですが、元々逃げてきたとあり、知り合いはカルラだけ。多くを語れる相手がいるはずもなく、孤独を深めていきます。また、住環境がよろしいはずはなく、もめてばかりいる住人・体を売る女性が常に立っている公園など、見なくてすめばいいようなものも結構あります。そしてそのうち、夫から息子に手紙が届きます。「おまえを愛している。自分がやったことは反省している。やり直したい」といった感じの、ありきたりな内容。しかし、まだまだ幼い息子が真に受けて「帰る」などと言い出したら元の木阿弥。つい、母は隠してしまいます。しかしながら、夜勤を含む厳しい仕事とは言え、アンナの仕事が決まったその日に、手紙を隠していたことがばれ、ヴァレリオは行方をくらませてしまいます。

人生は本当に厳しい。でも、それでも、どこまでも優しいカルラと、本当は心優しい娼婦のお姉さん(ヴァレリオがショックなシーンを目撃してしまうこともあるのだけれど)、訳ありだけど親切なビストロのオーナーなどに囲まれ、少しずつ人生を立て直してゆくのです。というか、人って、生きている以上、立て直ってゆくしかないですよね。時間を後戻りさせることはできないのですから。人は一人では生きられない。かかわりあって、支え合って生きてゆくしかないのだと思いますね。

見応えのある映画です。おすすめです。

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