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2016年05月29日14:19

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追憶(THE WAY WE WERE)


 

脚本家のアーサー・ロレンツが実体験した学生運動をもとに脚本を書き起こしたラブストーリーの傑作。第二次大戦前夜からの20年間に及ぶ男女のロマンスが描かれる。1948年以降西側諸国で行われた「赤狩り(レッドパージ)」を取り扱った初のメジャー作品でもある。

学生運動に励むケイティー(B.ストライサンド)は、世間には興味を示さないハベル(R.レッドフォード)に出会う。思想も価値観もまったく違うふたりだったが、ふたりはお互いに興味を持ち始める。卒業後はそれぞれの道を歩むことになったが、第二次世界大戦中のニューヨークで、ケイティーは海軍大尉となったハベルに偶然にも再会する。親密な関係となっていくふたりだったが……。(午前十時の映画祭7 ウェブページより)







<午前十時の映画祭より>

 行って来ました、久しぶりに。クラシック作品は見たい、見たいと思いながらもなかなか機会が得られないものなんですが、今回こそは!と思いました。個人的にはバーブラ・ストライサンドが大好き。「サウスキャロライナ」で初めて彼女を知って(遅いわ!)、日本でCM(確かネスカフェだったと思う)に使われていたあの音楽が「the way we were」だったと知り・・・。そして最近(?)では、初めて女性監督がオスカーを授与されたときのプレゼンターとして「the time has come」と言ってキャサリン・ビグローに授与していたのが忘れられません。ともかく!才能のある女性、本当に憧れます。



昔の映画ですから、価値観が多少違うのは否めません。しかし、愛しあっていながらも、どうすることもできない男女の妙・哀愁を描いていて秀作でした。確かに学生時代から熱くロシアを支持し、学生運動に身を投じていたバーブラは過激分子だったでしょう。身なりに気を遣わずいつも本を読んでいるような、理屈っぽい女は今でも敬遠されるでしょう。それもすごくわかるのですが、その「媚びない意志の強さ」は唯一無二のもので、ロバートもそこに惹かれたのでしょうね。それに、ロバートの文才を認めて「書くべきよ」と言ってくれた。「どうせこんなもので身は立てられない」と思っていた若い男性にとっては新鮮な言葉だったでしょう。そんなこんなで、意志の強い女性とハンサムな男性との長年に渡るおつきあいは始まるのです。

しかし、出会い・別れ・再開を経て結婚し、子供を授かり、なんとかやっていた二人も、やはり根本からの信条を代えることはできず、政治的信念や価値観の相違により、決定的な別れを迎えてしまいます。

ある程度の年齢を経た私のような女にとっては「あぁそこまで言わなくても。信念は信念として、もう少し夫や世間とうまくやったほうが生きやすいのに」と歯がゆいことも確かだったのですが(だって、自分の人生がしんどくなるだけですもの。結局女だと言われて”損”をするだけなのに)、そこが彼女と私との違いなのですね。もちろん、世間に妥協している私がうまく生きてるか、と言われればそんなことないし、そう考えれば彼女の生き方の方が正しかったのかもしれないですね。

そして時は流れ、50年代。ニューヨークでの偶然の再会。ロバートは新しい伴侶と高級ホテルへ、バーブラはホテルの前で「原水爆禁止」の署名集めをしています。今は彼女も再婚しているようです。

この、なんとも言えない感覚。なんなのでしょうか。多くを語らない二人が、お互いを優しいまなざしで見つめ合う。そして「娘は元気に育っているわ」と言う当たり前の会話。それだけなのに、わけもわからず涙が流れます。悲しいわけでもうれしいわけでもないのに、湧き上がるように涙が出てくるのです。自分でもこの感情を説明することは難しいのですが、「これが名作たる所以か」と思いました。色褪せないはずですね。やっぱり好きです、バーブラ。

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