以下、田口佳史「言志四録・佐藤一斉の自分に火をつける言葉」を参考にしました。
「天気予報では、今日は晴れると言っていたじゃないか」。
「なんだ、春だというのにこの寒さは」。
人はよく、天候に関する不満を口にします。
一斉の時代もそうだったようです。「天候が、暦から思い描くのと違う様相を呈すると、人々は不平を残す」と言っています。
寒暑の節候、やや暦本と差錯(ささく)すれば、人その不順を訴う。 (言志耋録74)
【現代語訳】
(寒さ暑さの季節時候が少しでも暦とずれると、人は天候の不順を訴えて文句を言う)。
「でも、自分はどうなんだい?」と一斉は疑問を投げかけます。
「言うことと、やることが違っていないかい? 天候よりもそっちを反省するほうが、ずっと大切なんだよ」と言うのです。
自分のことを棚に上げて、誰かを非難したり、攻撃したりする人は少なくありません。
でも、それでは自分自身を向上させることはできないのです。誰かに対して、何かに対して不平を言う前に、「じゃあ、自分はどうなのか」を問う。自分のなかに、そういう「自己向上メカニズム」を持ちましょう。もし、天気予報が当たった、はずれたと騒ぐ人がいたら、心の中で一斉の次の言葉をつぶやいてください。
我れの言行、毎(つね)に差錯(さやく)する有れども、 自ら咎(とが)むるを知らず。
何ぞ其れ思わざるの甚(はなは)だしき。 (言志耋録74)
【現代語訳】
(しかし、自分の言葉と行動となると、いつも食い違いがあるけれども、自ら反省して咎めるということをしらない。なんと甚だしく考えのないことではないか)。
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