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2015年07月11日16:20

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アリスのままで(Still Alice)


 



 若年性アルツハイマー病と診断された50歳の言語学者の苦悩と葛藤、そして彼女を支える家族との絆を描く人間ドラマ。ベストセラー小説「静かなアリス」を基に、自身もALS(筋委縮性側索硬化症)を患ったリチャード・グラツァーと、ワッシュ・ウェストモアランドのコンビが監督を務めた。日に日に記憶を失っていくヒロインをジュリアン・ムーアが熱演し、数多くの映画賞を席巻。彼女を見守る家族をアレック・ボールドウィン、クリステン・スチュワート、ケイト・ボスワースが演じる。(シネマトゥディより)







シリアスですね、本当に。年齢的にも、あまりにリアルすぎて他人事とは思えませんでした。もちろん、私は彼女みたいに有名な学者だったり、「私の人生は充実しています」と言えるほどの人生を送っているわけではありません。裕福さも含め、かなりバックグラウンドは違うので、同列に論じることはできません。が、でもなぁ・・・体力があるうちになっちゃうと、少し先が長いだけに悲しかったですね。

この映画によると、彼女が罹患した若年性アルツハイマーは非常に珍しく、遺伝性だとのこと。両親のどちらかが持ってると、子供には50%の確率で遺伝し、遺伝子検査でそれが認められると、100%の確率で発症するとのこと。これは怖い。実際、ジュリアン・ムーア演じるアリスは、早くに家を出てすさんだ人生を送り、死に際にしか会わなかった父親がそうだったわけです。そんなの、死に際にしか会ってないし、アルコール中毒症だったし、肝硬変だったし、少々わけのわからないこと言ってても、そんなもんかと思ってたわけです。

 それが、若年性アルツハイマーだったわけですね。で、キャリアの絶頂にあった50歳の時、初期症状に見舞われるのです。スピーチの最中に単語を忘れる、ランニング中に帰り道がわからなくなるなど。しかし、最初の頃はしょっちゅうそんな症状が出るわけでもないので「少しおかしいかな」と思う程度なのです。だれしも、中年以降になると物忘れなどはするものですから。しかも、後にドクターからも言われるのですが、「教育レベルの高い人ほど、ありとあらゆる能力が、それをカバーしようと働く」ため、発見が遅れるのだそうです。

診断されてからも症状はどんどん進みます。それは誰の意志でも止めることはできません。ここで具合が悪いのは、夫もキャリアの真っ最中だと言うことです。世間ではよく「老老介護」が問題になっていますが、なんのなんの。若い人の方が問題が大きいかもしれません。

大学教授らしき夫(アレック・ボールドウィン)は、自分も有名な大学からスカウトされたり、大事な食事会に夫婦で出なければいけなかったりと、キャリアの真っ最中。しかも、出世も見込める。そんな矢先の看病です。そして、妻が介護を必要とすると言うことは、それだけお金もかかると言うことです。自分のキャリアのためにも、また経済的な理由からも仕事をないがしろにするわけにはいかない夫。でも、心細い妻は「一年休暇を取って」とせがむのです。

どちらの言い分も正しく、どちらも理解できる。世の中って、本当にこういうことが多いですね。でも、そんなわけにはいかないのです。もちろん、夫は充分に優しかったですけど。

初期のうちに「どうにか自分で自分にケリをつける方法を」と考え抜いて用意しておいたアリス。でも、実際症状が進んでしまうと、どんなに工夫されたものであっても役に立たないのですね。そんな現実をまざまざと見せられて、本当につらかった。子供も3人いるのですが、どの子も忙しいし、一番優秀だった長女に遺伝していたりする。いままさに妊娠したと言うのに!事実は残酷すぎます。

自分なら・・・と深く考えた映画でした。誰だってそうだと思いますが、子供に迷惑はかけたくない。でも、若いぶん身体は元気で先も普通に考えると長い。でも物事はどんどんわからなくなり、わかってないことすらわからなくなる。こうなると(語弊を恐れずに言うと)、死のうとさえ思わなくなる。う・・・ん。

神様は残酷ですね。どうしてこんな病気を創ったのでしょうね。どうにもやりきれない映画でした。役者さんたちが上手すぎたのかもしれませんね。



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