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2014年10月17日12:54

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最近、考えたこと。Part0002



 さてと、続き行きますか。前回は歴史的に見た現状確認と海軍戦略の基礎理論の初歩過程を書いたけど、今日は地政学について。国際政治学の最重要理論の一つである、地政学(地理政治学)は実はとても新しい学問だ。始まったのは、ちょーど110年前。日露戦争の年、イギリスのオックスフォード大学で地理学院長を務める地理学者サー・ハルフォード・マッキンダー博士の王立地理協会で行った講演によって初めて提唱された。マッキンダー博士は、本職地理学者で、しかもアフリカ第2峰のケニア山に初登頂した冒険家であり、ついでに国会議員でもあったので、物凄く忙しかったらしく、地政学関連の研究は3本しか残していない。上記講演録と専門書「デモクラシーの理想と現実」、それとアメリカの外交問題専門誌「フォーリン・アフェアーズ」に寄稿した論文「球形の世界と平和の勝利」だ。これらの中で、地理と歴史の関連性を詳述しながら、地政学的専門概念を次々と問うていった。では、地政学とはなんなのか?それは、主著「デモクラシーの理想と現実」で明記されているように「船乗りから見た世界」であり、海軍戦略の基地理論から敷衍された海軍国(この場合は当然英国)の防衛理論である。コア概念「ハートランド」はシーパワー(海軍国)が海から侵入できない、内水系の地域を指し、それを自然現象や相手方の海軍基地による封鎖に依って生じる同種の不可侵性を持つ地域に拡大した概念だ。具体例を挙げれば、モスクワは外海とつながらないカビス海にそそぐボルガ川の流域にあるので内水系にあたりハートランドに含まれる。キエフは元来、外洋と繋がるドニエプル川流域にあるが、ボスポラス海峡が封鎖されてしまえば海から侵入できなくなるので封鎖時にはハートランドと見做す。「世界島」は地理学的発見が終息しアフリカとユーラシア大陸が実体的には一つの島と同じように周回できる巨大な一続きの陸地であることを確認した概念。そして、このハートランドを支配していた諸民族が遊牧民である間は人口が少なく脅威にならなかったが、これを農民で構成されるロシア民族もしくはドイツ民族が支配し人口力を持つようになると、周辺地域はシーパワー(海軍国)にとって不可侵性をもつ強力な海軍基地になることを発見した。特に東欧が地理学的にこの海軍基地の最適地であり、シーパワー(海軍国)による東欧防衛の必要性を主張する。マッキンダー博士は警告する。

東欧を支配するものはハートランドを制し
ハートランドを支配するものは世界島を制し
世界島を支配するものは世界を制圧する

 つまり、半世紀前に「鉄のカーテン」と「冷戦の勃発」を予告したわけだ。東西冷戦はマッキンダー博士の警告通り東欧のNATO加盟によって終結した。今も1000年前も地球の地理学的構造は基本的に同じであり、マッキンダー博士の警告は「変わらない地理」を基盤とするため、今も1000年後も基本的に同じ価値を持つ。これが地政学が国際政治学の最重要理論といわれるゆえんだね。このマッキンダー博士が参考としたのがおそらくアメリカの海軍史家アルフレッド・セイヤー・マハン提督で、その主著「海上権力史論」の影響が強く見える。そしてこの、マッキンダー博士の学術的後継者がアメリカの国際政治学者ニコラス・スパイクマン博士だ。地政学の発展史を見てると考え込んじゃったよ。アメリカとイギリスは学術的には一体なんだって、まるで大西洋を挟んでキャッチボールしてるみたい。共通言語が共通の文化を生み出す、当たり前の話だけど今回よく確認したよ。ま、孤立文化のいち日本人の愚痴はともかく、話を続けよう。

マッキンダー博士の警告は、大きな反響を呼んで二つの政治的・学術的反応を呼び起こした。一つはスパイクマン博士による学術的継承と発展、もう一つはこれにより影響を受ける人々の反論だ。

 まずは反論の方から書こうか、一言でいえば疑似地政学の創設だね。ドイツの軍人カール・フォン・ハウスホーファ将軍はこの典型だろう。マッキンダー博士は東欧を防衛することによってハートランドを包囲せよと説いた。ハウスホーファは東欧を制圧してハートランドを制覇せよとは説かなかった。もう一度言うけど説かなかったのだ。。。????。「太平洋地政学」では根拠地のマリアナ諸島失陥の後に太平洋進出説いているし、その主著「大陸ブロック論」ではソ連(ロシア)の東欧侵攻の後、独ソ開戦直前にドイツ・ソ連(ロシア)・日本の三国同盟を説いている。全くのナンセンス。意味が判らない。ハウスホーファは強烈な反英主義者なのだ。それなのに英国との同盟なしには絶対にSLOC(海上通商路)を敷設維持できない太平洋へ進出せよと叫ぶ。ロシアの東欧侵攻が半ば実行段階に入っている状態で日独ソの三国同盟を説く、独ソ間、日ソ間の利害対立をどうするつもりだったのか?何にも書いてない。何かおかしい。どうも、ハウスホーファはロシア側の工作機関に買収されていた可能性が高い。インチキジャーナリストが金もらって書くパブ記事みたいなもんだ。その疑似地政学はロシアのみを利するよう書かれいるし、ムードは醸しても政策・戦略は一切構築できないように始めからなっている。また、「大陸ブロック論」を例にとれば、ほぼ同時期にたとえば、浅野利三郎の「日独ソ大陸ブロック論」等、全く同種の本が複数、日本で出版されている事もこの傍証になるだろう。

 そして、日本国内ではマッキンダー博士ではなく、マハン提督に対する反発から佐藤鉄太郎「提督」がゲテモノ本「帝国国防史論」を書いている。内容は「元祖・艦隊派」が書いた本だけあってデタラメの巨大倉庫。「海洋主義」なる意味不明の言葉をアドバルーンとしてぶち上げるだけで、中身は何んにもなし!まさに疑似、いや似非軍事史だ。「海洋主義」が日本を繁栄させる、「大陸主義」が日本を疲弊させるって書いてあるけど、根本認識が間違っている。

 大日本帝国は最盛期でさえ島礁国家ではあっても海洋国家だったことなど一度もない。日本本土の周辺さえ正確な意味で制海権を取ったことさえないのだ。ペテロパブロフスクカムチャツキー・マガダン・ナホトカ・ウラジオストク・威衛海・寧波・厦門・香港・三亜・サイゴン・シンガポール・ブルネイ・マニラ・グアム・ホノルル何時取った?最盛期に強力な海上優勢(シースプレマシー)にあったのは史実だか、どの航路を制海(シーコントロール)したの?せいぜい東京・台湾間や大阪・マリアナ間ぐらい?それ、日本国内だっチューの!「シーパワーは覇権を握る国は常に一つだが、勢力・航路・資源を必要に応じて共用する。」と前に書いた。大日本帝国は大英帝国の制海(シーコントロール)する航路を共用して世界と繋がってたの。石油も鉄も石炭もボーキサイトも技術も情報も学問も大部分はこの航路で手に入れてた。それを自分でぶっ壊してどうする。しかも、日本は地政学的に中露という凶暴な二大陸軍国(ランドパワー)に半包囲されているされているの。アメリカとは条件が違うのよ。ロシアとカナダ、チャイナとメキシコ比べてみるだけで明白だろうが!この狂気の大バカ提督の弟子が統帥権干犯事件の主犯・加藤寛治「提督」でありそのまた弟子が日中開戦の共同共謀正犯・米内光政「提督」でその子分が山本・南雲・小沢の三悪人てのが「艦隊派」のメインストリームだ。えーーと、そうそう、これは地政学の話だった。「艦隊派」は絶対に許せないが、告発はまた後にして話を元に戻そう。

マッキンダー博士の警告はロシア側の工作もあり日独に疑似地政学と似非軍事史を生み出し、アメリカに学術的後継者を見出した。これがエール大学の国際政治学者ニコラス・スパイクマン博士。もともとはジンメルを研究する社会学者でしかも研究途上49才で急死してしまったため、マッキンダー博士同様寡作で、地政学関連の研究は4本しか残していない。主著、「世界政治におけるアメリカの戦略」と「アメリカ政治学会」の会報に発表した論文が2本と「アメリカ地理学会」の会報に発表した論文が1本の計四本。あと実は、もう一冊「平和の地理学」なる本が、スパイクマン博士の名で出版されているがこれは秘書ヘレン・ニコルが博士の死後に勝手に代筆して出版したもので使用された図形以外、著作とは認められない。
 
 これらのなかで、「新世界」つまりアメリカ合衆国の「旧世界」に対する防衛構想を述べているのだか、正直言ってマッキンダー博士と比べてかなり分かりずらい。コア概念「ハートランド」こそ共通だが、少し用語が違う、「世界島」の代わりに世界島+オセアニアで「旧世界」とする。ハートランドの周辺大陸部「インナークレッセント」を「リムランド」、大陸の沖合「アウタークレッセント」をそのまま「オフシェアー」、北米・世界島間の航路「ミッドランドオーシャン」を「トランスアトランティック/パシフィックゾーン」とする。マッキンダー博士の論文と精緻な読み分けをしてみたいけど、これほど有名な学者なのに主著「世界政治におけるアメリカの戦略」が邦訳されてない(怒)。ちなみに謎の代筆本「平和の地理学」は邦訳済みなんかおかしい。「自由に考える」ためには語学大切って今更ながら思い知らされるね(-_-;)。教養を欧米では「リベラルアーツ」つまり「自由になるための技術」と呼ぶ意味が良くわかる。中川八洋が邦訳完了したそうだから早く出版してほしい。その上で、概要から考えるにその主張はアンチ「大陸ブロック論」に尽きると思う。リムランド・オフシォアー諸国がハートランドに統合もしくは連合してしまったらアメリカはこれに決して対抗できない事を論理的に明らかにし、そうさせないためにはまずオフシォアー諸国、特に日英を大陸から政治的に分断して同盟国とし、フランス・満州(実際は韓国)に橋頭堡を構築してハートランドを封鎖する理論になるはずだ。ま、実際読んでないから結論できないけど。「内海理論」の概要も書いてあるはずだから早く読みたいね。

 さてと、これらの理論を実際に使用して戦略を実行した代表的な政治家が二人いる。ひとりは英国のサー・ウィンストン・チャーチル卿。もう一人が「凶悪天才」右代表アドルフ・ヒットラー。実はこの二人はまったく真逆の立場から地政学的な理論を独自に作り上げた理論構築者でもあった。ヒットラーがハウスホーファの地政学的理論をナチの戦略に組み込みながら「大陸ブロック論」をせせら笑って独ソ開戦に踏み切ったのはその証拠だろう。「位置」「地形」「封鎖」「包囲」「分断」「逆包囲」等の地政学用語は主にチャーチル卿の議会・街頭・講演演説に頻繁にみられるが、日本ではあの「鉄のカーテン」演説でさえいまだに未邦訳のままであるのを見ればわかるように国際政治学的な研究は「封鎖」状態。ほんと、日本の大学ってなにやってるんだか。ま、いい、一人でもやるさ。大まかな地政学の概要は以上。纏めると、


� �地政学は110年前にイギリスのマッキンダー博士がマハン提督の説く海軍戦略の基地理論から地理学的に敷衍した海軍国(この場合は当然英国)の防衛戦略理論であること。

�◆△海譴鮓綏僂靴燭里�アメリカのスパイクマン博士であり、その研究成果は主著「世界政治におけるアメリカの戦略」を含めて未邦訳であり、概要のみが知られていること。

��、実践地政学を通して地政学の理論構築に貢献したのがチャーチル卿とヒットラーであり、チャーチル卿は代表的議会政治家でもあったので専門著作こそないが、主として演説で地政学用語を駆使して国民の説得と理論構築を行ったが、「鉄のカーテン」演説を始めとするその研究成果はこれまたほぼすべて未邦訳であり、国際政治学的な研究は日本国内では「封鎖」状態に置かれている。また、ヒットラーは明らかに理論構築に成功していたが、その独特の秘密主義から死ぬまでその成果を公表しなかった。

�ぁ▲魯Ε好曄璽侫|論�学及び佐藤鉄太郎「艦隊派」海軍史はロシアの買収によるデマ情報工作である可能性が高く、噴飯物のデタラメ著作であるという事。

 ほんとに概要だな。内容何にも書けなかったけど、ま、いいか。また後で書きます。とほほ。










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