Laxmi
Shri
インドの神話。ヴィシュヌの妃であり、人々に幸福と富をもたらす女神である。アムリタの中から生まれた。別名、シュリー。
彼女は、4本の腕を持ち、紅い蓮の花に乗った姿で表される。そこから、パドマー(紅蓮花の女性形)とも呼ばれる。その姿は光り輝き、誰もがため息を吐くほど美しかったという。
ラクシュミの像には8つの姿があるとされているが、その中で一番多いのは、『ガジャ・ラクシュミー』と呼ばれるものだ。左右に立つ二頭の象(ガジャ)が、女神の頭上に聖水を注いでいる図である。
また、彼女はアムリタから生まれたとされているが、それ以前に聖仙ブリグの娘として生まれている。だが、あるリシの呪いから逃れるために、乳海に隠れたのだ。
夫であるヴィシュヌのアヴァターラ(化身)に付き添い、彼女もまた、ダラーニー、シーター、ルクミニーなど様々に化身する。夫に対し献身的なその姿から、インドでは家庭の神としても一般的である。
ラクシュミーはインドにおける女性の理想像といえる。しかし、彼女はチャンチャラー(移り気な者)とも呼ばれる。それは、彼女が幸運の女神であるからだろう。幸運とは、常に流動的なものである。
毎年10月〜11月の新月の夜に、インドの全土で、ディワーリーという祭りが行われる。別名「光の祭」とも呼ばれ、黄昏時に家や寺院の入り口に灯を付け、ラクシュミーを迎え入れるのである。
仏教に入ると、彼女は「吉祥天」として、美と富の神となる。財神である毘沙門天の妻とされた。