美丘−君がいた日々−
『美丘』(みおか)は日本の男性作家である石田衣良による小説作品、及びそれを原作としたテレビドラマ。『野性時代』2004年12月号から2006年2月号まで連載され、2006年10月に角川書店より刊行された。
難病に感染した女子学生・美丘と、彼女に恋をした太一の13カ月間の物語。太一の視点から描いた回想録という形式を取っている。
あたたかな11月の月曜日。授業をすっぽかし学校の屋上で寝ていた太一たちは、突然フェンスをよじ登り今にも飛び降りようとする女性を目撃し、止めようとする。しかし彼女に死ぬ気はなく、違う世界を見たいためにフェンスを越えたのだった。
「峰岸美丘」と名乗る彼女は、自由奔放に振舞い、太一たちのグループを翻弄する。その姿に次第に太一は心を惹かれ、やがて付き合うようになる。しかし、恋人として初体験をしたその日、彼女から思いもよらぬ事実を告げられる。
峰岸 美丘(みねぎし みおか)
本作のヒロイン。明知大学二年生。文学を専攻している。「思ったことは必ずやる」という鉄砲玉のような性格で、他の女から男を寝取ったり、絡んできた男を殴り倒すなど男勝りの性格。周りから何を言われても物おじしない。
幼稚園の時に事故に遭い、頭がい骨を骨折する大けがを負った。硬膜(ライオデュラ)の移植手術を行ったが、その際にクロイツフェルト・ヤコブ病に感染してしまう。そのことから「ありのままの自分で居続けること」「生きること」に執着し、病気に関することを極度に嫌う(ドイツ嫌い、神様の存在を信じないなど。特に手首を切ろうとした彼女の知り合いには怒りのあまりに手を上げた)。
発症後は徐々に記憶がなくなり、体が動かなくなる中で苦しみながらも自分の意思を通していく。
橋本 太一(はしもと たいち)
本作の語り部。経済学部を専攻。本を読むことが好きでそのためか「話し上手」「恋愛には奥手」といったイメージを持たれている。他にはパンクロックを聴くことが趣味。
最初はグループの別の仲間と付き合っていたものの、美丘に心惹かれるようになりやがて本格的に付き合う。そして美丘の病気のことを告げられた上で同棲を始め、発症後は心身ともに彼女の支えとなっていく。
美丘からは「わたしが生きていたことの証人になってほしい」と言われたほか、ある約束を交わしている。
北村 洋次(きたむら ようじ)
太一たちのグループ仲間。福島県出身。家は代々の造り酒屋。訛りが抜けない。
笠木 邦彦(かさぎ くにひこ)
同じく太一たちのグループ仲間。横浜出身。お調子者で女好き。グループ一のナンパ師。
太一を含めた男三人は進学や就職といった学校の主流から外れた中で思い思いの学生生活を送っている。
五島 麻理(ごとう まり)
太一たちのグループ仲間。日本型の美人で才女である。感情をあまり出さない「氷の王女」。
太一と付き合っていたが、美丘に心変わりしたことにひどく傷つき、彼女を殴った。しかし仲間の前では平静を取り戻し、美丘にあたることもなく、二人が同棲を決めた時にも応援していた。
佐々木 直美(ささき なおみ)
太一たちのグループ仲間。泣き虫でちょっとしたことで涙目になる。
『美丘-君がいた日々-』(みおか きみがいたひび)のタイトルにより、2010年7月10日より吉高由里子主演で、日本テレビの土曜ドラマ枠で放送予定。吉高は今作が連続ドラマ初主演。同枠で女性キャストが主演を務めるのは2008年4月期のごくせん第3シリーズ(仲間由紀恵主演)以来9作品ぶりとなる。
キャッチコピーは「生きていることは奇跡。わたしだけが気づいてるんだ。」。
峰岸美丘 - 吉高由里子
橋本太一 - 林遣都
笠木邦彦 - 勝地涼
五島麻理 - 水沢エレナ
北村洋次 - 夕輝壽太
佐々木直美 - 中村静香
峰岸始 - 寺脇康文
高梨宏之 - 谷原章介
峰岸佳織 - 真矢みき
スタッフ [編集]
原作 - 石田衣良「美丘」(角川文庫刊)
脚本 - 梅田みか
音楽 - 菅野祐悟
チーフプロデューサー - 田中芳樹
プロデューサー - 加藤正俊、小泉守
演出 - 猪股隆一、山下学美、佐久間紀佳
製作協力 - トータルメディアコミュニケーション
製作著作 - 日本テレビ
主題歌 [編集]
福山雅治「蛍」(ユニバーサルJ)
困ったときには