◆大仕掛けの職人監督 ジョン・ギラーミン◆
“John Guillermin”
1925年11月11日ロンドン出身。
映画監督・脚本家・プロデューサー。
フランス人を両親にイギリスで出生。
第二次大戦よりRAF(イギリス空軍)に所属し戦後の1946年に退役。映画製作に転向してフランスに向かう。
当初は記録映画、短編映画の演出を手掛けたが、やがて劇作家ジャン・アヌイ原作“The Waltz of the Toreadors”(「闘牛士のワルツ」日本未公開)の映画化で評価され、頭角を現す。
1960年代からは男性的な魅力を放つアクションアドベンチャーを手掛け始め、1970年代にはハリウッドを代表する超大作フィルムメイカーとして珠玉の名作を数多く手掛けた。
観客を喜ばす娯楽映画とは何か?
映画を観た後の夕食で話題が弾み、料理が美味しく食べられる作品とは何か?
……そんなエンターテイメント性を貫いた人である。
あるときは本物の小型機と旅客機を使って極限のニアミス・シーンを描き、あるときは実物大の複葉機を地上に叩きつけて第一次大戦の空中戦を描き、あるときは本物の橋に大量の爆薬を仕掛けて破壊し、あるときは超高層ビルを惜しげもなく炎上させた娯楽肌、大仕掛けの得意な職人監督である。
過去に空軍に所属していた経験からくる感性なのか、ヘリを使った空撮、そしてクレーンとレールを併用した流動的なキャメラワークを好み、ムダにカットを割らない作風が仕掛けの大きさ、面白さを見せるハリウッド大作のテイストと見事にマッチし、加えて実験映画的なキャメラアングル、カットワークまでも臆すことなく作品に採り入れ、それでいて登場人物の悲哀、感情の機微をきめ細やかに描いて、密度の高い作品に仕上げる達者な腕前も持っていた。
大物プロデューサー ディノ・デ・ラウレンティスと組み始めた1970年代末からは作風も質も芳しくなく往年の輝きを見せることなく終わったが、現代ではCGIに依存しなければ実現できないであろう素材をフルスケールの実写にこだわって料理した彼の指導力、演出力は、今こそ再評価されるべきである。
●主な作品●
“I Was Monty's Double ”(1958)
「ターザンの決闘」 “Tarzan's Greatest Adventure”(1959)
「ワルツ・オブ・ザ・トレアドールズ 」“ The Waltz of the Toreadors ”(1962)
「バタシの鬼軍曹」“GUNS AT BATASI” (1964)
「かもめの城 」“RAPTURE”(1965)
「ブルー・マックス」 “The Blue Max” (1966)
「野良犬の罠」 “P.J.”(1967)
「非情の切り札」 “HOUSE OF CARDS”(1968)
「レマゲン鉄橋」 “ The Bridge at Remagen” (1969)
「エル・コンドル」“EL CONDOR” (1970)
「ハイジャック」 “SKYJACKED”(1972)
「黒いジャガー/アフリカ作戦」“SHAFT IN AFRICA” (1973)
「タワーリング インフェルノ」“ The Towering Inferno” (1974)
「キングコング」 “King Kong” (1976)
「ナイル殺人事件」 “ Death on the Nile ”(1978)
「シーナ」 “SHEENA, QUEEN OF THE JUNGLE”(1984)
「キングコング2」 “King Kong Lives” (1986)
…………その他。
1960年代〜70年代の超大作映画の達人、ジョン・ギラーミン御大の作品を語り合いましょう!
●作品情報、感想等をご自由にどうぞ(^^)
●ギラーミン作品の好きな人々の集まるコミュであるということを充分踏まえた上で、あまり愉快ではない批評や他の方への誹謗・中傷はご遠慮ください。
●トピックスの乱立を避けるためしばらくはトピ立ては管理人のみ可能の設定とします。
内容が落ち着き次第フリーにしますので、しばらくお待ちください。
なお、こんなトピが欲しいというものがございましたら管理人までお気軽にリクエストをお寄せください(^^)
困ったときには