かつて平沢進は、弦楽器を主体とする、より精妙なアレンジの手法によってP-MODELとは大きく質感の異なる独自のソロサウンドを確立しました。
よりリアルな弦セクションと電子音の合流は、20年の時を経た今も変わらず、平沢ソロ・サウンドの最大の特徴となっています。
ソロ活動20周年、P-MODEL30周年を記念するこのイベントでは、作品の質的大転換を実現したその手法によって、如何にヒラサワ的世界が構築されるかを見ていきます。
「凝集する過去 - 還弦主義8760時間」は、P-MODELを含む過去の作品群をより強調された平沢的弦世界へと凝集させ、その制作過程から完成に至るまでの姿を公開しながら、古い楽曲に新たな異質の生命が与えられる瞬間を共有します。
これらの過程は8760時間、つまり1年間の長期にわたって更新され続けます。
第1段階として、P-MODEL楽曲の還弦主義的リメイクを行います。
第2段階として、平沢ソロ楽曲の還弦主義的リメイクを行います。
還弦主義的リメイク楽曲群は、2010年に2種類のCDがリリースされ、プロジェクトは完了します。
同時にそこで扱われる楽曲については、その歴史的な出来事やエピソード等、貴重な情報も公開されます。
公開される情報は、スタッフとリスナーによって随時更新、付加されてゆくもので、未発表ライブ音源、映像、解説、証言などが含まれ、ヒラサワ初心者からコアなリスナーに至るまで、その関心の焦点に応じて楽しめるものとして時々刻々と完成に向かう資料的ライブラリとなります。
困ったときには