ブガッティ 16Cガリビエール 公開…世界の頂点に立つ4ドアサルーン
ブガッティは9月14日、『16Cガリビエールコンセプト』を初公開した。同社の創立100周年を祝う記念式典のハイライトとして披露されたもので、市販が濃厚な最高級4ドアサルーンである。
16Cガリビエールは、2ドアの『ヴェイロン』とは異なり、世界で最もエクスクルーシブ、エレガント、パワフルな4ドアサルーンを目標に開発された。現時点ではコンセプトカーだが、ブガッティによると、近い将来、市販する可能性が高いモデルの1台だという。
ガリビエールとは、自転車ロードレース「ツールドフランス」のアルプス越えの難所の名称。また、ブガッティの名車として知られる『タイプ57』の4ドア仕様のネーミングでもある。
馬蹄型グリルとラウンドしたLEDヘッドランプは、ひと目でブガッティと識別できるもの。また、クーペのように処理されたテールエンドには、明確な個性が表現されている。ボディパネルはカーボンファイバー製でダークブルー塗装。フロントフェンダーと4枚のドアはポリッシュ仕上げのアルミ製となる。
パワーユニットは、W16気筒エンジンに2ステージスーパーチャージャーの組み合わせ。スペックは公表されていない。ちなみにヴェイロンは、8.0リットルW16気筒に4つのターボを装着し、最大出力1001ps、最大トルク127.5kgmという桁外れのスペックを発揮。強大なパワーは7速DSGとフルタイム4WDで路面に伝えられ、0‐100km/h加速2.5秒、最高速度407km/hという驚愕の性能をマークする。16Cガリビエールの動力性能を探るうえで、ひとつの指標になりそうだ。
16Cガリビエールは、ガソリンだけでなくエタノールでも走行できるフレックスフューエル車となる。このあたりは、時代のニーズに合わせたと見るべきか。駆動方式はフルタイム4WDだ。
インテリアは、前後を貫くコンソールが印象的。2個のメーターはダッシュボード中央に配置され、後席からも見えるように設計された。メーターの下にはスイスのパルミジャーニ社製の「Reverso Tourbillon」時計をレイアウト。この時計は脱着が可能で、レザーストラップを使用すれば、腕時計に早変わりする。
足回りには新開発のサスペンションを採用。ブレーキにはセラミックを使う。走りの実力も、相当高いと推測できる。
この16Cガリビエールは、15日に開幕したフランクフルトモーターショーには出品されず、フランス・モルスハイムで開催されたブガッティの創立100周年記念式典で公開された。ポルシェ『パナメーラ』やアストンマーチン『ラピード』でさえも霞んでしまう、まさに世界の頂点に立つ4ドアサルーンの誕生だ。