スワンプロックというまあ、カテゴリーのようなものがあります。それは、R&Bとか、ヒップホップとか、もっと古くなるとビーバップとか、ブルースとか、そんな括りのことです。だから、興味のない方はまったくスルーしてください。その点はお見知り置きを。さて、初心者、というか、ああ、これこれ、このことだったんだ、というスワンプキャリアの方に。
源流は、ブルースなのです。ブルースは、もともとアフリカから強制的にアメリカ合衆国へ連れてこられた黒人たちが、強制労働の合間にその苦しみを少しでも癒すために歌いだしたものなのです。ゴスペルも同じ。仲間が亡くなった時に、少しでも陽気に騒いで、魂を癒してあげる、そんな陽気な黒人たちが作り上げたもの、なんです。
一説によると、南北戦争の最中にアフリカ系アメリカ人のブラックマンが、白人が落していったトランペットを拾い、短音でセッションをしたのが始まりだとか。そうしているうちに、また一音増え、例の3音(1度、4度、5度)、12小節になったわけです。
全ての基本は、そんなデルタブルース(ミシシッピ川とヤズー川に挟まれた肥沃な三角地帯がブルースの発祥の地とされています。)から来ています。
音楽のルールは、もちろん西洋音楽から全世界に広がっていきました。クラシック音楽は、ドレミファソラシ、とくれば、次はドになります。しかし、ブルースは半音階が存在して、そこに果てしないセンスオブワンダーが詰まっています。つまり、このようなドミナントコードこそがブルースの命であり、源流ともいえます。
あ。ブルースについては、それはもう先輩諸氏が数限りない情報発信をされているので、あまり僕のような若輩が語るべきではない、と思います。
そうそう、スワンプです。
スワンプロックは、そんなブルースのメッカニューオリンズからそう遠くない(けど遠い・・・)アラバマ州マッスルショールズから発祥したわけです。僕が知る限りでは、まだスワンプロックについて日本では誰も定義づけしてないと思います。なぜならば、全然知られてないからです。ま、でも定義づけが必要とも思いませんが。
いわゆる泥臭い(スワンプ=泥)音楽、ロック、といえば、なんとなくわかりますか。広義でいうと、ニューオリンズのセカンドラインなども、スワンプと言えなくないですが、それは広い心を持って容認してあげましょう。レオン・ラッセルやDrジョン、ドニー・フリッツ、ダン・ペン、らがこぞって、ウエストコーストとも、ニューヨークとも違うサウンドをこの片田舎でどんどんと作り上げていったわけです。そういう意味でも、スワンプはブルースの亜流であり、白人がブルースを真似た似非ブルースとも言えないわけでもありません。
さて、ブルースとスワンプの大きな違いは何でしょう。それは、ブルースはやはり、黒人、ニューオリンズを越えられないわけです。どんな聖人でも、キリストを越えられないのと同じです。しかし、スワンプはご当地スワンプが存在します。発祥はアメリカですが、カナダ、イギリス、日本と全世界へ伝播して行き、それはそれで存在するわけです。有名どころでは、イギリス代表で、ジミー・マッカロック(ウイングスのギタリスト)も在籍したグリースバンドやアンドウェラなど、みごとにカラカラに乾いたアメリカスワンプに、程よいしっとり感を加えた、まさに英国スワンプロックの代表バンドです。
日本では、やはりはっぴいえんど、久保田真琴あたりでしょうか。
どうですか。なんとなく、あ、これってもしかしたら、すごい好きかも、と思った方、いませんか。
では、その魅惑の扉をぜひ開けてみましょう。
ご入会をお待ち申しております。
店主 eggman
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