ニコライ・アルノルドヴィチ・ペトロフ(Nikolai Arnoldovich Petrov 1943年4月14日 - )はロシアのピアニスト。ギレリスやリヒテルと並び20世紀三大ロシアンピアニストの一人と言われる。
ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール第二位、エリザベート王妃国際コンクール第一位受賞でデビューの後、幅広く国際的に活動を展開した。チャイコフスキー国際コンクールでは手の故障のために本選会を棄権、そのときの第一位が当時16歳のグレゴリー・ソコロフであり、驚異的なレヴェルの維持を誇るソ連の音楽教育のスパルタ方式が世界的に注目されることとなる。
得意分野はなんといってもロシア音楽であり、プロコフィエフ・ピアノソナタ全集を含むレパートリーの広さにかなうものは若手でも見当たらない。「鋼鉄のタッチと万華鏡のような音色」に支えられるものの、「テンポの不条理な揺らぎ」が唯一の欠点であり、これはデビュー当初から変わっていない。日本でも評価されるのが早く、桐朋学園などでマスタークラスを開講。「日本人の生徒のだれが弾いても完膚なきまでに問題点を指摘して叩きのめされ、その上自分で正しい弾き方を綿密にコーチ」したことは、今日でもピアノ指導者の間で伝説とされている。
マイナーなレパートリーにも積極的に取り組み、当時まだ無名の存在だったニコライ・カプースチンのソナタ第二番を初レコーディングした。当時のソ連でもマイナーなレパートリーに対する視線は厳しく、「なぜそんな無名の存在を拾うのですか」との問いに「今やベートーヴェンやリストのソナタはマクドナルドのハンバーガーのように容易に手に入る代物と化した」と厳しく聴衆の無知を糾弾している。ちなみにモスクワ音楽院のすぐ近くにマクドナルドが営業しており、これはそのことと掛けた彼一流のジョークでもある。
リストのパガニーニ練習曲の初版はリストの最難曲といわれているが、これも出版されたばかりの当時の楽譜を直読みして演奏に臨んだCDが、記念碑的な名演となった。現在でもこの演奏水準に勝てるピアニストは、未だ存在しない。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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