Paolo Uccello (1397-1475)
パオロ・ウッチェロ(ウッチェッロ、ウッチェルロ)。フィレンツェ出身。初期ルネサンスの幻想画家。平板で幾何学的な遠近法が特徴。
《パオロ・ウッチェロ−−シュルレアリスムの先駆として引かれるべき「最初の」画家。そう、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の有名なフレスコ画の上に〈永遠〉がつくりだした、楽園的というにはほど遠いあの動物たちのあいだに見分けることのできる、Lamiaの文字を刻まれたひとりの女の額ほど、心かき乱すものがあるだろうか−−それはユダヤのラビたちのいうところの女悪魔リリス、アダムの誘惑を試み、幽霊のような砂漠の生き物たちを生みだすことになる夜の女牧神であり、それはまた、自由に眼をとりはずすことができ、人間の子どもたちに夢という毒の入った乳を与える好奇心という名の吸血鬼じみたニンフ(プルタルコス)なのだ。……あの讃嘆すべき『サン・ロマーノの敗走』における、狩猟用・軍用の赤い馬、槍と軍旗のシンフォニックな森は、その手法上の大胆さ以上のものだ−−この「鳥(ウッチェッロ)」の画家は、精神に鳩の翼を、いや、明澄な火災の翼を与えるのであり、そこでは情熱と想像力ともっとも厳密な数学とがまざりあい、あるいは、幾何学の本にあるいわゆる初歩的な図形のように「重なりあう」のである》 アンドレ・ブルトン、『魔術的芸術』、河出書房新社より
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