※『宗教の倒錯―― ユダヤ教・イエス・キリスト教 ――』
が岩波書店より刊行されました。
聖書学者・上村静氏に関するコミュです。
<プロフィール>
上村 静(うえむら・しずか)
1966年 茨城県水戸生まれ
2000年 東京大学大学院博士課程修了
2005年 ヘブライ大学にてPh.D取得
ユダヤ学・聖書学専攻。
関東神学ゼミナール、農村伝道神学校、東海大学、東京大学、聖心女子大学講師
■著作
『キリスト教信仰の成立──ユダヤ教からの分離とその諸問題──』関東神学ゼミナール(2007年)
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『イエス──人と神と──』関東神学ゼミナール(2005年)
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『宗教の倒錯―― ユダヤ教・イエス・キリスト教 ――』岩波書店(2008年)
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他者を他者として承認するためには、他者との比較によらない自己の価値を見出さなければならない。それは、自分が信じている宗教との徹底的な対話を必要とする。それは、本当の意味で自立した宗教になることであり、自立した宗教同士でなければ「対話」など成り立つはずもないと思う。自立した宗教は、自己の信条を「神話」として受け入れてなお揺らぐことはないはずであり、また自らが宗教エゴとならないために、絶えず自己相対化と自己改革を求めるダイナミックな運動体であるはずである。
しかし、一般信徒はもとより、それなりに教育を受けている宗教指導者にさえ、こうしたことを望むのは時期尚早であるように思う。否、むしろ指導者の方がエゴの虜になっているかもしれない。信仰熱心な人は、まさにその信仰熱心な自己像というエゴに囚われやすいからである。
〜上村静著『キリスト教信仰の成立』、関東神学ゼミナール、2007年、181頁より無断転載
困ったときには