華麗なる妄想恋愛の世界へ、ようこそ。
今日から、おんみも、この恍惚の帝国の貴人です。
《妄想》!
嗚呼!この身悶えするほど優雅な響き…。
赤い花を「赤い花」という言葉を使わずに表現するのが詩人であれば、恋愛を「恋愛」を享受している肉体を介さず想像力を駆け巡らすことだけで成就せしめるのが《妄想恋愛主義者》でありましょう。
肉体を介さない恋愛は、肉体を介した恋愛の快楽を遥かに凌駕しています。きっと…。
得難き人身を得て、この退廃的で不健全な快楽を貪らないのは、不幸というより、むしろ、罪です。
しかも、《妄想恋愛》の世界では、あの面倒くさい杯盤狼籍の後始末も必要ありません。なぜなら、あなたは、このエロチック帝国の専制君主なのですから…。世間の恋愛においては、このような無責任は許されないでしょうが…。
悠々自適、自由自在。このような恋愛は、《妄想》の中のみに存します。恐るる勿れ!さあ、気の趣くままに、この仙郷に遊びましょう。