武装闘争における武器とは抑圧された人民の言葉そのものである。 (赤軍、PFLP世界戦争宣言)
抑圧された人民の言葉とは武装闘争における武器それ以上である。 (ガンディー 非暴力闘争)
議会政治による社会民主主義の合理的と思われている今日の政治システムの成立過程には、必ずといっていいほど暴力と権力、そしてそのイデオロギーに対抗した勢力の抵抗と抗争、その最前衛的表現、機能としての武装闘争史が存在する。もちろん、この国においても右翼、左翼、宗教団体といった諸所のイデオロギー集団の織り成した緻密な歴史的過程としてそれは存在する。しかし、何ゆえ、国家権力だけがあらゆる法によって規定された警察、軍といった暴力装置を疑問符なしで所持できるのか?この正当性は完全には証明されておらず、またされえないだろう。ベンヤミンはこれを暴力批判論において展開している。
80年代におけるポストボダン、もしくはリオタールの「大きな物語」の終焉において、武装闘争は消え行く運命だった。しかし、冷戦構造の崩壊、アメリカ一国の独断主義によって複雑なテロマップとなった世界は、ある意味で薄められたベトナムとなった。こうした現在において、テロ、ゲリラといった非合法、非公然武装闘争の歴史の探求の意義まますます増しているだろう。
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