ウォシャウスキー兄弟の『マトリックス』を観て、タランティーノは悔しがっただろう。哲学的で深いと言われた『マトリックス』だが、出発点はカンフーと押井守を始めとした日本製アニメ、ジョンウー、『ブレードランナー』をやりたかった中学生ノリの作品。同じくそれらをこよなく愛していたタランティーノはきっと「先を越された!」と嫉妬に狂ったはずである。
そしてタランティーノはウォシャウスキーよりもマニアックなものを使い渾身の力を込めて究極の娯楽映画を生み出した!それが『キル・ビル』だ!
小池一夫とショウブラとマカロニをベースに深作欣二と日本製アニメとブルース・リーで味付け、取り込まれた映画は『子連れ狼・三途の川の乳母車』『修羅雪姫』『バトル・ロワイアル』『死亡遊戯』『グリーン・ホーネット』『キング・ボクサー/大逆転』『片目と呼ばれた女』『片腕カンフー対空飛ぶギロチン』『新・片腕必殺剣』『吼えろドラゴン 起てジャガー』『少林寺三十六房』『BLOOD THE LAST VAMPIRE』『柳生一族の陰謀』『SF・サムライフィクション』『関東無宿』『怪獣総進撃』『吸血鬼ゴケミドロ』など、枚挙にいとまが無い。
アクションはガタガタ、編集は悪い、演出はヘタ、プロットに復讐に至るまでのプロセスがない、といろんなところから叩かれているが、これだけB級映画への愛に満ちた作品も珍しく、ハリウッドで製作し、公開したのは本当に奇跡としか言いようが無い!ハチャメチャでスピード感があり、余計なシーンがなく、千葉真一との会話や片言の日本語も笑えまくる『Vol.1』を観て大興奮!
ここまでおもしろい前半ならば、カンフーとマカロニを組み合わせ、物語に決着をつける『Vol.2』はもっとおもしろいだろうと過剰な期待が…
『Vol.2』はレオーネを意識しすぎたのか、テンポが急激に遅くなり、ストーリーの説明やら見せ場の少なさ、さらにカンフー修行のシーンは短く、ラストもあっけない…2本で1つの作品だが、やっぱり前半が最高過ぎる!
■クレイジー88との戦いは何度観ても飽きない。
■空飛ぶギロチンはオリジナルよりも栗山千明の方が好き。
■『子連れ狼』よりも先に噴水血しぶきを体験した。
■黄色に黒のラインのジャージに惚れた。
■修羅の花に泣けた。
■千葉真一のシーンで死ぬほど笑った。
■ヤッチマイナーに燃えた。
■別冊映画秘宝の『キル・ビル』を読みまくった。
■元ネタを観まくった。
■『片目と呼ばれた女』はちゃんと無修正版を買った。
■『Vol.1』を観た後、『Vol.2』の事を死ぬほど妄想した。
などなど、『Vol.1』のみこよなく愛する人集まれー!
オススメゲーム
困ったときには