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心電図を読むのが好き!コミュの自由討論4(潜在性WPW症候群)

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これ、興味深い不整脈でしょ?タイミングのずれた幅が広いQRSがあって、その次の次にタイミングのずれた、今度は幅の狭いQRSが見られますよね?最初みたときは、偶然なのかなと思ったら、ほんの3分間の心電図に、まったく同じ順序の不整脈がもう一回でていたんです。だから、偶然じゃありません。必然なんです。僕が「この心電図不思議でしょ?どういうメカニズムかなあ?」なんて話をしていたら「カルテ持って来ましょうか?」って、持ってきてくれたんです。そしたら、なんと、この心電図を説明できる病歴がありました。そして、僕が考えていた説明とは、残念ながら違っていたんです。悔しい!

さあ、いったいどういうメカニズムだと思いますか?

コメント(37)

普通に見れば3拍目が間入性のPVCで5拍目がSVPCとなると思いますが、そんな
単純じゃ無いとしたら、3,4,5はSVPCの3連発で5拍の後にブロックされたPACがある様な感じがしましたが???
カルテにPafとでもあったのでしょうか。
以上。
たしかに、3拍目が心室性期外収縮で、5拍目が上室性期外収縮に見えますよね。でも、これが、偶然じゃないんですよ。心室性期外収縮の次に上室性期外収縮が出るなんて、どう考えても因果関係にならないじゃないですか。

他のメカニズムが必要なんですよ。
まあ、とにかく、3拍目の心室性期外収縮が引き金になって、そのあとの、まるで上室性期外収縮のように見えるものが出ているということ。

どういうメカニズムがあれば、いいか。

最初に手がかりになるのは、心室性期外収縮のあとのQRSのタイミング。このタイミングは、心室性期外収縮がなかったときに期待されるタイミングよりも遅れている。だいたい3mmくらいあるから、120msくらい遅れている。この遅れの原因は何かというと、これは、心室性期外収縮のconcealed conductionだ。つまり、信号が房室伝導路を逆行して、そのために、房室伝導の速度が低下した。それで、心室まで信号がとどくのに時間がかかって、QRSのタイミングが遅くなったわけだ。

でも、それだけじゃあ、その次の不整脈の原因にはならない。

そのあとで、信号が、消えずに、どこかを通って、心房に戻れなければ5拍目は起きない。

どこを通ればいいか?僕は、房室結節の2重伝導路を考えた。

心室性期外収縮から信号が、房室結節の速伝導路を逆行した。そのため、洞結節からの信号が、房室結節の速伝導路を順行できなくなった。そのかわり、房室結節遅伝導路を通って、心室に信号が伝わった。
さらに、このとき、遅伝導路から、速伝導路を通って(もちろん逆行して)、心房に信号が伝わり、心房が興奮した。そして、その信号がまた、房室結節遅伝導路に入って、5拍目のQRSを作った、という論理だ。

でも、この論理だと、4拍目のQRSと、その後ろの逆行性P波は、もっと近くになくちゃならないし、さらに、そのP波から、5拍目のQRSまでのPQ時間がもっと長くなくちゃならない。だから、普通の2重伝導路だけじゃ説明ができないな。3重伝導路か?などと、思っていたところで、カルテが到着したんだよ。

そしたら、なんと、WPW症候群だって書いてある!病名しか書いてなくて、どんな検査をしたのかとかはわからなかったけど、WPW症候群なら話は簡単だ。

心室性期外収縮によるconcealed conductionでPQ時間が延長した。それで、副伝導路の不応期を脱して、心室から副伝導路を通って心房に信号が伝わり、房室結節を通って、5拍目のQRSが出現したわけだ。

副伝導路まで、頭が回らなかったのがとても悔しい。もうすこし時間をかけていたらわかったと思うんだけど、っていうのは負け惜しみにしか聞こえないね。

でも、心電図ってすごいでしょ?こんな心電図から、副伝導路の存在がわかっちゃうんだから。
パターン的には、間入性PVCの後、このパターンでPACの出ることを、多く経験しますが(ホルター解析)これも皆逆行伝導による物なのでしょうか?
残念ながら12誘導では無く、ホルターなのでP波の評価が容易な場合とそうでない場合がありますが。
上室性期外収縮が、3分間の中で2発しかなくて、必ず、心室性期外収縮と組でしか出ないなんて、あり得ないでしょ?

何らかのメカニズムがなきゃいけないですよね。
じゃあ、これはどうですか?
夜にこのパターンが何度も認められるんですよ。
あ、最初の心電図の人とは全く別の方ですからね。
たぶん、房室伝導を伴わない上室性期外収縮(blocked PAC)だと思っちゃうと思うんだけど、よくみると、かならず、その前のPQ延長があるんだよ。房室ブロックと、上室性期外収縮が、かならず、対になって起きるなんておかしいでしょ?何か、メカニズムがなくちゃいけない。因果関係がなくちゃいけないでしょ。

もうわかるよね。上の心電図とほとんどおんなじだよ。

PQ時間が延長して、副伝導路を通って心房に逆伝導したんだ。PQ時間が延長したから、心房の不応期を脱したんだね。だから、これは、上室性期外収縮じゃないんだ。
じゃあ3拍目のT波の前のほうにあるくぼみが逆行性P波なんですか?
6>の心電図は、PQ時間が徐々に延びて(1拍〜3拍)まるでウエンケバッハ型の延長の仕方をしているように見えますがいかがですか?
二重房室伝導路ならば、PQ時間は急に延びると思うし、ん〜
普通に見ればblocked PACかブロックされた逆行伝導に見えます。
ふだちんさん、まあ、私の判読レベルはこんなもんでしょうかね。
いずれにしても、自由に心電図を読ませていただいていますので解説をこれからもよろしくお願いします。
T波のかなり前にあるぐじゅぐじゅっとした波形が、逆行性P波ですね。

そう。だんだん房室伝導が伸びてるんですね。別に2重伝導路である必要は全然ないわけですね。ある程度以上PQ時間が延長すれば、逆伝導がおきていいわけですから。

最初に出した心電図も、二重伝導路である必要はまったくないんですよ。副伝導路ならね。

PQがある程度以上に延長したときにしか、このP波がみられないんだから、上室性期外収縮じゃ説明できないでしょ?
コンシールドケントというのは室房伝導しかしないケント束と理解してましたがそれでいいですか?
PQが延長すれば逆伝導がおきていい の理由は心房筋の不応期を脱するほど延長したからと理解してますが、いかがでしょうか。
そうです。この心電図は潜在性WPW症候群ですね。このあいだ勉強したやつです。コンシールドケントですね。心室から心房へしか信号が伝わらない副伝導路です。

はい。心房が興奮して、心室が興奮して、もう一回心房が興奮するわけですから、これが起きるためには、心房筋が不応期を脱するために十分な時間が必要なわけですね。房室結節で時間がかかることで、PQ時間が延長して、その間に、心房が不応期から脱して、もう一度興奮できるようになるわけですね。

concealed conductionという言葉の和訳を知らないのです。潜在伝導とでもいうのでしょうか?だれか、日本語の本で調べて欲しいです。コンシールドコンダクションと読みます。信号が伝わるけれども、伝わった結果が、心電図に波形としてはあらわれないもののことをいいます。最初の心電図でも、心室性期外収縮から出た信号が、普段の信号の伝わる方向と逆に房室結節まで伝わっていますけれど、心房までは届かなかったので、心電図に、それとわかる波形になりません。それで、concealed conductionというわけです。でも、房室結節まで伝わった証拠はあります。それは、PQ時間の延長です。もし、全く伝わっていなかったら、PQ時間は普通の洞調律のときと同じであるはずですね。

房室結節の二重伝導路というのは、房室結節が、2本に分かれているということです。よくあるんですよ。伝導速度が速い、速伝導路と、伝導速度の遅い、遅伝導路に分かれているんです。その間でぐるぐる信号が回るのが、房室結節リエントリー頻拍です。今回は、二重伝導路は考慮にいれなくて済むわけですが。

う〜む。奥が深いですね。
それでは、この患者さんは、2度房室ブロック(ウエンケ)+WPW症候群という事で良いでしょうか?
ちなみにこの患者さんにペースメーカー入れたらどうなることが予想できますか?
いやいや、2度の房室ブロックは起きてないでしょ。

あとの心電図の患者さんにペースメーカが入ってたらってことですか?DDDでいいですか?
逆行性P波は、QRSにかなり近いので、感知されませんよね。だから、もうすこし後ろのところで、心房ペーシングが行われますね。AV delayはそこそこ長くとってあるでしょうから、心室は自己になりますね。だから、ときどき、心房ペーシングになる。ってことだと思いますが、適当なタイミングで、心室ペーシングが出ることになれば、ペースメーカー頻拍(PMT)が起きる可能性はあるでしょうね。
ではなぜPQ時間が徐々に延長しているのですか?
PQ時間の延長と、房室ブロックの分類を混同してるのかな?

PQ時間は、交感神経緊張で短くなるし、副交感神経緊張で長くなる。興奮頻度が多くなると長くなる。

1度房室ブロックは、PQ時間の延長が認められるけれど、信号はすべて心室に伝わる。
2度房室ブロックは、ときどき、心室へ伝わらない。
3度房室ブロックは、心室へ全然伝わらない。

この人は確かにPQ時間は延長してるけど、心室に伝わらない洞調律からの信号がありますか?ないでしょ?
この人は確かにPQ時間は延長してるけど、心室に伝わらない洞調律からの信号がありますか?ないでしょ?
>たしかにないですけど、それは副伝導路を興奮が通って、洞調律より早く心房を興奮させたからですよね。
じゃあ、もし仮に興奮が副伝導路を通っていかなければ、PQが徐々に延長しているんだから、そのうちQRSが脱落して、2度房室ブロックの完成となりませんかね?
そうそう。そのとおり。もし、副伝導路がなかったら、2度房室ブロックだった、という可能性はありますね。
なんだかややこしいですね(笑)
仮にこの人が将来、AVRTでも起こしてケント焼いたら、房室ブロックでペースメーカなんてことになりかねないんでしょうか。
ここでは、副伝導路は、逆伝導しかないんだから、焼いたって、ペースメーカーを入れるかどうかの判断には影響しませんよ。

ただし、顕性WPW症候群で、焼いたら、房室ブロックの徐脈で、ペースメーカーが必要だったってことはあり得ます。この問題は、今回の心電図とは直接は関係ありませんけど、とても重要です。

だから、房室回帰性頻拍などで、房室伝導がしっかりしていることが確認されていない場合には、カテーテルアブレーションを勧めるときには、この問題をきちんと議論する必要があるんです。アブレーションで実際に焼く前に、房室伝導をきちんと評価する必要があるのも、こういうことを避けるためです。

もちろん、動悸発作があれば、ペースメーカー植込みを覚悟してでも、アブレーションを選択することは全く問題はありませんが、やはり、アブレーションをして、どうなるのかをきちんと理解した上で、相談して行われるべきですね。

そういう意味で、ホルター心電図や、トレッドミル運動負荷心電図は、なんらかの治療を行う前には、「きちんと」評価されなければならないんです。とくに、顕性WPW症候群で、頻拍発作が記録されていない場合にはね。
そうですか、わかったのは、心室性期外収縮だということだけなんですね。(しかもそれは、別に、僕の説明でわかったわけじゃないんですよね。)

とりあえず、concealed conductionでPQ時間が延長することだけ、説明します。

PQ時間は、房室結節を信号が通過するのに必要な時間だと思ってください。(本当は、ヒス束もですけど。)

つまり、房室結節を信号が通過するスピードが遅くなると、PQ時間が長くなります。

いいかえると、房室結節の伝導速度が低下すると、PQ時間が延長します。

いろいろな条件で房室結節の伝導速度は変化しますが、信号の通過する回数が増えると、伝導速度は低下するんです。つまり、信号の頻度が増えると、伝導速度が低下します。たとえば、心房ペーシングなどして、レートを上げると、PQ時間が延長します。たとえば、上室性期外収縮などがでると、PQ時間が延長します。(上室性期外収縮のタイミングによっては、信号の速度が減少するだけではなくて、信号そのものが途中でなくなってしまうこともあります。これは、blocked PAC ですね。)

最初の心電図では、心室から出た信号が、心室から房室結節まで届きます。その直後に、次の信号が、洞結節から心房を通って房室結節に到達するわけです。だから、房室結節にとどいた信号は、洞調律のときよりも一個多いですよね。短時間あたりの信号の数が増えると、房室結節での信号のスピードが低下するので、PQ時間が延長します。

ここまで理解できたら、もう一度最初から読んでみてください。
もしかすると、逆伝導はめずらしい現象だと思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、信号が、房室結節を逆伝導して、心房まで到達することは、「よく」みられる現象です。

この心電図では、幅の広い心拍は、心室性期外収縮だと思われますが、それなら、洞調律は影響を受けないはずです。ところが、このようにキャリパーを当ててみると、本来でるべきQRSのタイミングより、かなり早いタイミングでQRSが出現しているのです。

これは、心室性期外収縮の信号が、房室結節を通って、心房に伝わって、洞結節まで届いて、洞調律で、定期的に出る信号のサイクルをリセットしたと考えられるのです。

もちろん、房室結節を通って心房に信号が伝導したのではなく、副伝導路を通った可能性もありますね。副伝導路をもっている方はそれほど多くはないので、房室結節を通った可能性のほうが大きいというだけのことです。(房室結節で逆伝導する人としない人がいますが、たぶん、50%くらいの人で逆伝導するんじゃないかと思います。)
だから、正確に言うと、心室性期外収縮から、心房へ、逆伝導がおこって、洞調律がリセットされた、ということになります。

皆さんも心室性期外収縮はたくさん見ると思いますが、洞調律がリセットされていないかどうか確認してみることをおすすめします。
洞結節→心房→房室結節→心室(2拍目)
心室性期外収縮(3拍目)→房室結節
洞結節→心房→房室結節(ただしスピード低下)→心室(4拍目)→副伝導路→心房→房室結節→心室(5拍目)

ですね。

P波は、全部見えてるでしょ?V1あたりでよくみてください。心室性期外収縮のST部分と、4拍目と5拍目のちょうど中間あたりです。

洞結節に信号が外から入ると、その時刻から、次の信号を出すまでの時間を計測し始める、つまり、ストップウォッチをリセットするわけです。
洞性頻脈は、交感神経の緊張とかが加わって速くなってるんでね、その影響でPQ時間は短縮しちゃうんですよ。だから、レートが上がったのにPQ時間は延長しないようにみえちゃうんですね。

交感神経の緊張の状況とかが変化しないときには、レートが上がると、PQは延長するんです。
上室性期外収縮とか、心房頻拍とか。
同じだけど、房室ブロックが混ざるから、一概には言えないね。

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