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スピリチュアリティーの学際研究コミュのもっと幸せに

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幸せになることと成功することを同義で捕らえる人が、まだまだ少なくない。
だから当然かもしれないけれど、そして、成功したいと考えている圧倒的多数の人たちにとにかく本書をお薦めするためには必要なキャッチフレーズだったのかもしれないけれど、私は本書の帯に書いてあるコピーに、実はがっかりしたのだった。
「成功して幸福になる秘訣がついに解き明かされた」
現世利益追求型の、幸せになるハウツーもの。
著者が、ハーヴァードの人気ナンバーワンの先生だというので、理論的根拠は確かなものに違いないと思ったものの、読み進めるまでは軽薄な印象が拭い去れなかったのは事実である。

シャハーの幸福論は明快である。彼は、この理論が適応できる範囲を現代の中流以上の平和な人々に注意深く限定しながら、もっと幸せになる道は快感原則と意味を見出すことの統合にあると説く。
彼が主張しているのは、決して成功を手にすることのハウツーではない。むしろ、いくら社会的に成功したところで、経済的豊かさを手にしたところで、そこには本物の幸せなどないのだ、というところから論を進める。客観的に見る限りすべての幸せを手に入れたとしか思えないような著者が、自分の不幸体験から学んできたことを語っているのだ。かといって、理想主義的精神論でとどまっているものでもない。しっかりと今ここで楽しむことを第一にお薦めしているのだから。

彼の専門であるポジティブ心理学は、「人間は本質的に善である」という前提を高らかに歌い上げ、それを緻密な科学的検証によって説得力のある理論構築を行ってきた心理学の新しい分野である。心理学はこれまで、時に行き過ぎた科学主義によって価値や美徳を無視せざるを得なかった。それに対し人間主義的心理学は、マズローやロジャーズらの自己実現理論やカウンセリング論によって、人間性の輝かしい可能性に着目して理想を示した。しかしながら、その立証は臨床に即したものであるだけに科学的データとしては不完全なものであるという批判を伴い、心理学の主流からは押され気味であった。本書は、現代ポジティブ心理学の幸福研究成果を駆使しており、何よりも科学的検証に耐えるものでありながら、実践的な思考実験やワークも満載されていて、語り口もポップで心地よい。

わが国は、先進諸国でもまれに見るほどの満足感が低い、幸せ感や希望が少ない国としてその異常さが注目されている。「どうしたら幸せになれるか」に群がる人々がいるのと同時に、一方では、それを冷ややかに眺める一群の精神主義的な人々もいる。つまり、幸せを求めること自体に罪悪感をいだく人たちである。幸せ追求の中で、幸せを追い求めることに対する罪悪感と躊躇が実は一番大きな障害であることに気がついている人は少ない。
自分が幸せになるということが、まるで他者の幸福を奪い取ることであるかのような錯覚を起こしているのだ。あるいは、他者にねたみや嫉妬を引き起こすことを警戒しての予防策であろうか。幸せを追求しようとしない文化的土壌が根深い。

シャハーは現代日本人の幸福感や倫理観にも果敢に挑戦する。
「幸せになるためには苦しむ必要がある」という信念を科学的論証により拭い去り、「不幸せな人間は他者への思いやりがない」という事実を明確に述べる。「幸せ=社会的・経済的・あるいは目に見える外的な成功ではない」ということを身近な例を引きながら繰り返し説明している。
HAPPIERもっと本質的な幸せとは何か。
感情だけでなく、理性でしっかり把握する意義や意味による充実感があってこそ開かれていく、限りのない道である幸せ。
私は、この本質的幸せを「スピリチュアリティ」と言い換えることができるのではと思っている。つまり、自分の幸せも他者の幸せも同様に大切であること、つながっていることへの自覚と、それに貢献する意味ある人生が最大の幸せであることを主張している点で同様だと思うのだ。本書はそういう意味で、トランスパーソナルやスピリチュアルな探求を続けている方の期待も裏切らない良書である。

コメント(7)

>この理論が適応できる範囲を現代の中流以上の平和な人々に注意深く限定し

研究者として妥当で賢明なアプローチでしょうね。

なぜなら、発展途上国の人たちは、大人も子ども殆どの人が、「幸せになることと成功することと同義で」「現世利益追求型の幸せ」を願っており、その目標にむかって努力するプロセスに幸せを感じているはずですから・・・・・
そして彼らは、世界人口の多数派ですから・・・
そうなんです。
もっといえば、日本にもそういう人たちがまだまだ多いのも事実なんです。

ハーヴァードのエリートにしか通用しない理論だといわれてしまえば、ちょっと困ってしまいますね。
きっと、批判はそのようなところからでてくるのでしょう。
しかし、現代日本人に最も必要な資質ではないかと、私は思います。
そしてこれが、いじめやひきこもりに対する有益な解決策になると考えて、悪戦苦闘しているわけです。
研究者の視点あるいは対象が、sein にあるか sollen にあるかでしょうね。
みックン、ドイツ語ですか?
なんだっけ?
>sein にあるか sollen にあるかでしょうね
ザイン、ゾーレンと言ってよく使っていますが
改めて辞書を引いてみると、最初に出てくる説明は次の通りです。

sein: ある、いる、存在する <神は存在する Gott ist >
sollen: (道徳、常識等の要求:)・・しなければならない、・・すべきである
英語で言うと、BEINGとDOINGでしょうか。
マズローのD欲求とB欲求でもありますね。
スピリチュアリティーはもちろんBに視点があるのですが、毎日の生活はDがないとやっていけませんし、DESIREがないと死んでしまいますよね。

私の狙いは両者の統合です。
インテグラル、つまり積分です。

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