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スーパーロボット レッドバロンコミュの第22話「レッドバロン危機一発」

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【物 語・1】

 風吹き渡る荒野。砂塵を蹴って爆走するアイアンホーク、SSIジープ、オートバイ。規定の停止線に一台、アイアンホークが停車する。崖の上から訓練メニューとスコアを確認している大郷。人知れず繰り返される、SSIの過酷な戦闘訓練。大郷がアイアンホークに乗った健にアドバイスを送る。

「健、今日のトータルスコアは9.25だ。だいぶ調子が上がってる。ラストチャンスだ、思い切っていけ。」
「了解!」

 大郷の送るGOサインと共に、アイアンホークをダッシュさせる健。実戦さながらの危険な大爆発が襲いくる中、巧みにアイアンホークを操ってターゲットを狙い撃つ。ストップウォッチでタイムを計測する大郷の厳しい表情が、健の叩き出した好スコアでわずかにほころぶ。

 お次は哲也がジープで更に危険な訓練に挑む。爆破の真っただ中を駆け抜けるジープ。哲也は足先でジープを操りながら、減速もせずに得意の拳銃の一撃で目標の藁人形爆弾をぶち抜く!
大作のオートバイも負けじと巨大なナパームの火柱で組まれた炎の壁を突き抜けていく!
現代の忍者・SSIの比類なき戦闘能力はこれら日々のたゆまない鍛錬によって保たれているのだ。

「やあ、やってるなあ。さすがSSIだ!すごい!すばらしい!ワン〜ダフルだ!」
 訓練の様子を視察に現れた熊野も、絶好調のSSIメンバーの仕上がりに盛大な賛辞を贈る。嬉しそうに答える大郷。
「お褒めに預って光栄です」
「いやいや」
「秘密特訓ですが…警部じゃ追い出すわけにいかないですね」
「SSI最大の理解者であり、協力者だからな」

 マシン訓練に続き、肉弾戦の訓練に入るSSI。大作の合図で、健と哲也が真っ向から激突する。青年達を頼もしく見守る熊野は、ふと気が付く。
「ところで今日は、男ばっかりで色気がないなあ。はねっ返りのお嬢さんは、風邪でも引いたのかな?」

 はねっ返りのお嬢さんは、ひとりイライラして鞭を振り回していた。
「この絶好の秋日和に、なんで私だけ電話番なんてしなくちゃならないのかしら!?電話番用のロボットができればいいのよ…フン!」
 口をへの字に結んで、ご機嫌斜めの真理。だが、その平和なひと時を、ピアノから鳴った警報が打ち砕く。

「実に頼もしい!この青年たちが健在である限り、鉄面党何するものぞ…」
 果てしなく鍛えあう健と哲也の熱戦に、思わずハンカチで目頭を覆う熊野。訓練の評定を行う大郷の左手の時計が、本部からの通信を告げる。本部に届いた情報を通信で伝える真理。
「異常事態発生!川崎の世界石油コンビナートに、巨大ロボット出現の連絡がありました」
「なに…世界石油に。よし、俺たちはすぐに出動する。真理とは現場で合流しよう」
 テキパキと判断を下していく大郷の横で、一緒に真理の通信を聞いた熊野もいち早く自転車へ手をかけ、独自に出発する。

 訓練を中止して現場へ疾走するSSI車両は、団地エリアを駆け抜け、一路惨状を広げるコンビナートの現場を目指す。SSIより一足先に出発したはずの熊野は、途中のガソリンスタンドで部下の水木ひかるに電話を入れていた。
「…ああ、ひかる君か。わしだ。わしは今、Y地点にいる。君はすぐ世界石油へ直行してくれ。ロボットの正体を突き止めるんだ…なに?わしか?…わしはパンクを直したら全速力で現場に向かう!わかったな!」
 どうやら、熊野警部の現着は一番最後になりそうだ。

 鉄面党の海底基地から、川崎を襲った侵略ロボットへ矢継ぎ早の指令が飛ぶ。
「モンゴルスターよ、今度は大西石油のBR70のタンクをぶっつぶせ!レッドバロンの使うオイルをみな燃やしてしまうのだ!レッドバロンはすぐに動けなくなるぞ」
 残虐な光を目に湛えるデビラー総統。

 世界石油、そして大西石油の二大コンビナートでは、襲われたBR70のタンクを中心に、大爆発の被害が広がっていく━

 SSIとレッドバロンが駆けつけた時は、すでに鉄面党のロボットはなく、黒煙を吐いて燃えるいくつかの石油タンクと工場群があった。

 成すすべなく本部に戻ったSSIメンバーは、現場の写真などから敵の作戦の分析を進めていく。大郷は一つの結論に達する。
「敵の狙いはレッドバロンだ」
「レッドバロン?」
 皆を代表して問い返す健に、大郷が説明していく。
「敵の計略だ。…レッドバロンが原子力エネルギーで動いていることはみんなも知っている通りだ。もちろん、レッドバロンの腹の中に、小型原子炉があるから燃料を補給する必要はない。しかし、すべての計器を円滑に動かすために、潤滑油として、特別に精製されたBR70が使われているんだ。このBR70は、日本では大西石油と世界石油が作っているんだ」
 ハッとする健。
「じゃあ、あの爆発で…!」
「そうだ。BR70のタンクは完全に破壊された」
応える大郷。不安をあらわにする大作。
「じゃあ、レッドバロンは動けなくなるんですか?」
 真理が健に向き直る。
「健、レッドバロンの出動能力は?」
「…あと、4、5時間だ」
 健の回答に、重い空気が立ち込める。
「大至急、アメリカから送ってもらうように、話はつけたが、恐らく鉄面党が襲撃してくる。健、明日の朝、 太平洋上まで、輸送機を出迎えて護衛するんだ」
「はい、わかりました!」
 答える健。今やレッドバロンの生命は風前の灯であった。

「ナイスショット!」
 輸送機護衛任務への出撃前夜、見事なスイングでゴルフボールをかっとばす真理と、声援を送る健、二人の私服姿が打ちっ放しのゴルフ練習場にあった。
「健、明日無事に戻ってこれる?」
 ジュースで休憩しながら、不安そうに尋ねる真理に、あえて余裕を見せる健。
「BR70の不足は、まず戦闘回路が不能になるんだ。帰って来るだけなら大丈夫さ」
「でも、鉄面党ロボットが現れたら?」
「その時はその時だ。やるだけのことはやる。俺に言えることは、それだけだ」
 あっさり答えると、さっそうとゴルフクラブを振り始める健。
「でも、レッドバロンは今まであたしたちの前で戦ってくれたわ。もし、海の上で敵が現れたら、私たち何の応援もできないのよ」
「ははは…いつもの真理らしくもない。つまらん心配するな」
 しかし、真理の胸にある不安は消えない。
「明日は機械の前から離れないわ。…今度の鉄面党の動き方、なんだか気味が悪いわ」

コメント(8)

そして翌朝。

 雲を越えて大空高く飛ぶレッドバロンは、アメリカからの輸送機とランデブーする。
「ボス、輸送機を発見しました。ただいまから護衛任務に就きます」
 本部へ報告する健。
「油断するな」
 通信を受ける大郷以下、全員に緊張が走る。

「ふっふっふ…レッドバロン、出てきたな。動けるのも今しばらくだぞ。BR70を、お前の手にそう簡単に渡さないぞ。モンゴルスター、作戦開始!」
 海底基地のデビラーが指令スイッチを押す。

 巨大な岩山に偽装された秘密基地が左右に開き、地下から黄金の威容を誇る巨大な鉄面党ロボットがせり上がってくる。
「地上最強のロボット、モンゴルスターよ。目標は羽田沖着陸前の飛行機だ!」
 基地を預かる鉄面党司令官がコントローラーに向かって叫ぶ。コントローラーのレーダー画面を確認する司令官。輸送機とレッドバロンを示す光点が、モンゴルスターの潜む山中へ迫っている。司令官へ海底のデビラーから通信がとぶ。
「落ち着いて飛行機を狙うのだ」
「発射用意!」
 鉄面党指揮官はモンゴルスターに今や遅しと攻撃を準備させる。

 まだ地上のモンゴルスターの存在に気づいていない健。レッドバロンと輸送機を引き離すべく、囮の戦闘機が三機編隊で向かってくる。
「バロンミサイル!」
 巧みな空中戦で鉄面党の戦闘機隊を墜としていく健。だがそれは、地上の伏兵から注意を逸らす鉄面党の作戦なのだ。バロンが輸送機から離れた一瞬を狙い、司令官がモンゴルスターに指令する。
「発射!」
 モンゴルスターの頭部から放たれた強力なレーザー光線が、輸送機を襲う。遅れて反転してきた健の眼前で、BR70もろとも大爆発し、燃え堕ちていく輸送機。
「しまった!ボス、輸送機が爆破されました」

 現場からの健の報告に、緊張する本部。
「強力なレザー光線で狙って来たな」
 苦渋に口元を歪める大郷。即座に分析を終えた大作がデータを手に戻ってくる。
「現在地から北北西200キロの、丹沢付近の山の中が発射地点だ。健、行って発射源を叩け!」
「了解!」
 大郷は、バロンの中に残された僅かなBR70がある内に、少しでも早く敵ロボットを討つ作戦に出る。

 鉄面党司令官も、最初の攻撃後にレッドバロンが向かってくることは計算済みだ。
「目的完了。モンゴルスター、地下格納庫へ戻れ」
 モンゴルスターは射撃地点から一歩も動くことなく、エレベーターで地下に下降していく。その上を再び巨岩が左右から覆い隠す。直後、丹沢の鉄面党基地上空に接近するレッドバロン。
「隠れろ!」
 急いで自らも基地内に隠れる司令官とメカロボたち。

 一帯を空中から捜索する健
「それらしいものが発見されません」
「よし分かった。BR70を大切にしよう。航空写真を撮って一応引き揚げろ」
「了解」
 バロンの高度を下げ、写真を撮る健。

 本部に戻った健を交え、航空写真の分析を進めるSSI。
「異常無いようよ」
「しかし、レーザー光線の発射された場所は、このあたりに間違いないんだ」
 写真を見つめて唸る哲也。大作が推理を働かせる。
「あ、地面の下へ潜ったんだよ!」
「…Thank you for your kindness.I‘m make your aventass.Thankyou.」
 国際電話を終えた大郷が一同の話に加わる。
「BR70は、至急もう一度送って貰うように話は着けたが、その怪光線の原因がはっきりしないと、また襲撃されるからな」
 そこへ、ノックの音。
「警視庁の水木ひかるです」
「どうぞ」
応じた真理の声と同時に扉が開き、ひかるが資料を持って本部に現れる。
「科学捜査課の水木ひかるさんでしたね。いろいろと協力してくれて、本当にありがとう」
大郷が一同を代表してひかるに礼を述べる。
「いいえ、わたくしの仕事ですもの。怪光線のスペクトル分析の中間報告に来ました」
大判のファイルを受け取る大郷。
「やあ、どうもありがとう。これを参考にして、レッドバロンの戦闘力の強化を図ります。あ、熊野警部はどうしてますか?」
「最近、月影山付近で、行方不明の人が急に増えましたもので、その理由を調べると、出かけたまま、連絡がありません」
 大郷に、物腰も丁寧に答えるひかる。
「月影山…」
「ボス!」
 先行する熊野の動向に、異変を察知する大郷と健。
【物 語・2】

 月影山に一人愛用の自転車で現れる熊野。だが、その表情は意外にも穏やかだ。
「東京から2,3時間でこんな山奥に来られるなんて、考えても観なかったなあ」
 豊かな草木に囲まれ、池にはアヒルが遊ぶのどかな光景。平和な光景に心なごませながら、先へ進む熊野。だが、その平和な光景の中に、鉄線のトラップが仕掛けられていた。自転車の足元をとられ、転倒する熊野。降り注ぐ銃弾の雨。熊野はとっさに改造傘を開いて必死に銃弾から我が身を守る。

 ひかるの情報に基づき、アイアンホークとSSIジープに分乗して月影山に駆けつけた健、真理、哲也たち。そこへ山の静けさを破る銃撃音がこだましてくる。ハッとしてアイアンホークを止める真理。助手席の健、ジープを運転する哲也にも聞こえている。
「今のは!」
 と健。
「警部が?」
 さらに真理。
「急ごう!」
 銃声の方向にジープを発進させる哲也。真理と健のアイアンホークもすぐに続く。

 防弾傘を構えて、襲いくるメカロボの群れへと勇猛果敢に突っ込んでいく熊野。しかし奮戦虚しく、メカロボたちに組み付かれそのまま山奥に運ばれていってしまう。

 一足違いでやってきた健たちは、残された熊野の自転車と帽子を発見する。潰れた帽子を拾い上げる真理。
「あっ、…警部の帽子」
「遅かったか…」
 哲也も熊野の身に起きた事態を察した。
「よし、手分けして探そう」
 健の提案で、その場に車を置いて山奥へ踏み込んでいく哲也と真理。

 だが、その動向は草むらに隠れていたメカロボに監視されていたのだ。基地に通信を送るメカロボ。
「こちらA地点。SSIの3人が二組に分かれて捜索しております」

「なに、SSIが来た?」
 基地前の秘密の入口で、連行された熊野を検分していた鉄面党司令官に、メカロボからの報告が入る。その声は組み伏せられた熊野の耳にも届く。俄然勇気の湧いた熊野は、押さえていたメカロボたちに猛然と反撃を開始し、大声で鉄面党基地の入り口を伝えようとする。
「SSI!…おーい!おれはここだー!ここだぞー!」
しかし、銃口には適わない。あっさりホールドアップさせられる熊野。
「ええい、早く放り込んでおけ!」
司令官が叫ぶ。

 健と真理が熊野を探して走る。真理の持つ機械が異変をキャッチし、信号音を発する。
「ちょっと待って、健」
 慎重に計器を見ていた真理は、反応の方向に仕掛けられたトラップの極細鉄線を発見する。健が棒切れを鉄線に投げつけると、連動する仕掛けの機関銃が火を噴く!

 別ルートの哲也も、再度の銃声に気づく。
「こちら哲也、異常ないか?」
「哲也、足元に鉄線が張ってある。気を付けろ!仕掛けがしてあるぞ!」
「仕掛けの鉄線…?」
 健からの通信で情報を得て、慎重に歩を進める哲也。やはり哲也の進むルートにも、鉄面党の仕掛けた鉄線が張り巡らされていた。持ち前の運動神経で鉄線を次々に飛び越していく哲也。だが、罠は二重になっており、飛び越した先には落とし穴が彫られていたのだ。落とし穴に消える哲也。すぐさまメカロボたちが落とし穴の周辺に集まってくる。が、穴の中に哲也の姿はない。
「ここだ!」
 落ちるより早く樹上に逃れていた哲也が、メカロボたちに逆襲を仕掛ける。

 一方の健と真理も樹上から一方的に狙うメカロボの銃撃で進路を阻まれていた。
「哲也が危ない、助けに行こう!」
 遠くの銃声を聞き、飛び出す健と真理。だが二人を狙う銃撃も激しく、盾にした切り株の陰から出るのは容易ではない。健は隠し持っていたヨーヨーを取り出す。健の意図を察した真理は、敵の目を引き付けて切り株の陰から飛び出し、健が樹上目掛けてヨーヨーを投げつける。ヨーヨーを胸に受けたメカロボはバランスを崩して、先の鉄線の上に落ちると、仕掛けられた銃に自ら撃たれて爆発する。案じる健に、笑顔で答える真理。
「やった!大丈夫か?」
「うん!」
「行こう!」

 哲也も、ひとり野山を駆け巡りながら、数人のメカロボと互角の戦いを繰り広げていた。追い込まれながらも激しく抵抗を続ける哲也に、健と真理が合流して形成が逆転する。
「こちらB地点。SSIの三人に、この基地の防衛地帯を襲撃されました」

 B地点を監視していたメカロボからの通信を受けた鉄面党司令官は、余裕の笑みを浮かべる。
「すぐに海底基地へ戻る。…モンゴルスターをレッドバロンにぶつける必要はない。ふふふ。BR70さえ押さえれば、レッドバロンは無用の鉄の塊になってしまうのだからな。ふふふ、大至急引き上げの準備をしろ」
側近のメカロボが問う。
「捕まえた人間はどうしますか?」
「ん…?この基地へ近づいたやつらか。もう捕えておく必要はない。皆殺しにしてやる」
 地下基地の洞窟で目を覚ます熊野。殴られて気絶したらしい。目を凝らすと、そこには同じく鉄面党に捕まった人間たちが収容されていた。
「あなた方は…鉄面党に捕えられたんですか?」
「はい」
「あたくし達の救出にSSIが来ている。さあ、早く逃げ出そう。後について来るんだ」
 捕まった人たちを励まして脱出をはかる熊野。だが、その行く手を鉄面党司令官が遮る。
「SSIもちょっと間に合わないようだな。観念せい!」
 にやりと残虐な笑みを浮かべ、自ら腰の拳銃を抜く司令官。間一髪、その拳銃は健の放ったヨーヨーが弾き飛ばす。
「鉄面党のこの基地を破壊することが、我々の仕事だ!」
 駆けつける健、真理、哲也。たちまちメカロボ軍団との大乱闘が開始される。

 一人基地の外へ脱した司令官はコントローラーに叫ぶ。
「モンゴルスター、出動!」
 再び山を割って出現する強敵モンゴルスター。メカロボ共を下し、捕まった人々と共に脱出してきた健たちの前に巨大なロボットの威容がせまる。
「踏み潰してしまえ!」
 鉄面党の捕虜となっていた人たちを逃がしながら、健は一か八かレッドバロンを呼ぶ。
「レッドバロン、出動―ッ!」
 地響きを上げて追ってくるモンゴルスター。さらに行く手から飛び出すメカロボたち。哲也が、健が、真理が、熊野が人々を守ってメカロボに立ち向かっていく。そこへレッドバロンも到着する。
「哲也、後は頼むぞ!」
「オーケイ!」
 メカロボを蹴散らしながら、レッドバロンに向かっていく健。だが、搭載されたBR70はあと僅かしかないのだ。

「皆さん、この先に山小屋が。さあ早く!」
 熊野の誘導で捕虜たちはひとまず安全な山小屋へ向かう。

「ファイトレバー、オン!」
 真っ向から激突するレッドバロンとモンゴルスター。リーチの長い右腕がレッドバロンを打つ。
思わぬ先制攻撃に驚く健。

 地上でも哲也と真理がメカロボたちと果てしなき死闘を繰り広げている。
「モンゴルスター、そこだ!それいけ!」
 離れたところからコントローラーで指令を飛ばす司令官。

 モンゴルスターの連続右パンチがレッドバロンを翻弄し、離れれば胸に仕込んだガトリング砲が火を噴いてレッドバロンを襲う。レッドバロンの苦戦だ!

「レッドバロンを鉄クズにしてしまえ!それー!」
 司令官のコントロールにも熱が入る。だが、操作に熱中するあまり、メカロボを全滅させた哲也と真理に挟まれていたことに気づくのが遅れてしまう鉄面党司令官。慌てて逃げる司令官の背中を、哲也の拳銃弾が容赦なく射抜く。絶句しながら木っ端微塵に爆発する司令官。

「おい、レッドバロンが危ないぞ!」
 叫ぶ熊野。最強の名を戴くモンゴルスターは主を失ってなお、レッドバロンを圧倒的な火力で攻め立て続ける。だが健は激しい衝撃の中で必死に反撃の糸口を探っていた。
「バロンミサイル!」
 モンゴルスターの肩口を狙い撃ったバロンミサイルが、その動きを止める。一気に間合いを詰めて、逆襲のパンチでラッシュするレッドバロン。モンゴルスターは、左手に隠し持っていた白いガスを噴霧してレッドバロンの視界を奪う。
「しまった。視界が効かない!」
 ガスに隠れてバロンの死角からパンチを揮うモンゴルスター。

 見守る哲也が呟く。
「やはりあれには、BR70の消費が…」
 絶叫する真理
「健――!」

 モンゴルスターの戦闘力に翻弄される健。大郷からの通信が入る。
「大丈夫か健、BR70はまだあるか?」
 計器をチェックする健。
「もうほとんどありません!」
 じり貧の状況に対し、大郷は一か八かの賭けに出る。
「健、よく聞け。お前の判断に任す。バロンフルパワーを!」
「やってみます!」
「健!」
 案じる大郷に応じる健。健も相棒と共に覚悟を決める。
「大丈夫です!…バロンフルパワー!!」
 閃光を発し、ガスの中から急速に飛びあがるレッドバロン。
 哲也、熊野、真理も固唾をのんで見守っている。

 バロンフルパワーは、レッドバロンにとって最後の武器である。1分以内に戦いが終わらなければ、レッドバロンは爆発してしまうのである。

 空中からモンゴルスターを発見した健は、急降下キックで勝負をかける。もう時間がない!キックで倒れたモンゴルスターに隙を与えず、速攻のエレクトリッガ―が火を噴く。爆発する難敵モンゴルスター!!
「やった!」

 何度も何度も火柱を噴き上げながら、モンゴルスターは最期を迎える。真理が本部の大郷に歓喜の通信を送る。
「ボス、レッドバロンは見事にモンゴルスターに勝ちました!」
 大きな緊張感から解き放たれ、無言で立ち上がる本部の大郷。

 応援してくれる仲間たちに、拳を掲げて応えるレッドバロン。鉄面党の仕掛けた危機一発の作戦に、SSIとレッドバロンは見事勝利したのだ!

≪つづく≫
【OPクレジット】※(内はテロップに表記のない役名を判る範囲で記しました)

企画・制作/小林 利雄

紅  健/岡田 洋介
松原真理/牧  れい
堀 大作/保積 ぺぺ
坂井哲也/加藤  寿
大郷 実/大下 哲矢

森   烈(鉄面党司令官)
雨宮貞子(水木ひかる)
伊海田 弘(デビラ−総統)
ナレーター/鈴木 泰明

レッドバロン/堀田 暢之
モンゴルスター/矢島登喜男
擬斗/高倉 英二
   若駒冒険グループ

熊野警部/玉川 伊佐男
【EDクレジット】

プロデューサー/川口 晴年(日本テレビ)
上村  宏
田村 正藏

脚本/上林  哲
音楽/ボブ佐久間

撮影/関口 政雄
照明/松丸 善明
美術/桜井 克彦
制作担当/安田 邦宜

記録/鈴木 徳子
美術装飾/斎藤 英世
美粧/岩崎 芳子
演技担当/松島 武

助監督/安倍 貞雄
撮影助手/石山 信雄
照明助手/清原 昭二
制作進行/草谷 秀樹

特 撮
撮影/大岡 新一
照明/森谷 清彦
美術/山口  修
操演/白熊 栄次
制作担当/小池 一三

助監督/小宮 高広
撮影助手/宇井 忠幸
照明助手/高野 和男
記録/吉下 清子

編集/小倉 昭夫
ネガ編集/五月女 孝男
視覚効果/兵頭 文造
仕上担当/谷沢 雅俊

録音/整音スタジオ
合成技術/デン・フィルム エフェクト
音響効果/石田サウンドプロ
現像所/東京現像所

衣装/大和衣装
協力/ロイヤルモータース株式会社

主題歌
「レッドバロン」
作詞/阿久 悠  作曲/井上忠夫  唄/朝 コータロー
「S・S・I」
作詞/江利 知己  作曲/比呂 公一  唄/ミュージカルアカデミー
コロムビアレコード ポリドールレコード

「兄さんのロボット」
作詞/阿久 悠  作曲/比呂 公一  唄/音羽ゆりかご会
「戦いの歌」
作詞/尾津サチオ  作曲/ボブ佐久間  唄/朝 コータロー 音羽ゆりかご会
コロムビアレコード ポリドールレコード

原案/渡辺 一彦(日本TV音楽)
斎藤 汎司(日本テレビ)
野口 竜(竜企画)

月刊テレビマガジン たのしい幼稚園 別冊たのしい幼稚園 おともだち/講談社
冒険王/秋田書店   連載

制作協力/日本現代企画

監督/外山 徹

制作/宣弘社
おまけ

大西石油の火災シーンは、日本現代企画が制作に協力した
「シルバー仮面ジャイアント」16・17話(今回と同じく外山組)
からの流用となっています。一瞬だけモーク星人の姿が見えます。
今回、背景で大郷が電話口で喋っている英語の台詞ですが、聞き取りが不正確かも知れません。
間違ってたらどなたかご指摘お願いいたしますうまい!

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